閾値走(LT走・テンポ走)を3年間メインの練習にして継続してみた

「閾値走って何だ?」

「閾値走ってたまに聞くけど、本当に効果があるのか!?」

「Tペース走でフルマラソンが速くなるのか!?」

気になっている方も多いと思います。

閾値走の読み方は”いきちそう”でも”しきいちそう”でも、どちらでもOKです。

私は2013年5月に初フルとなる洞爺湖マラソンと2013年8月の北海道マラソンで、いずれもサブ4を逃してしまいました。

2013年5月の洞爺湖マラソンで初めてのフルマラソンを経験しましたが、レース終盤の撃沈でサブ4を達成する事は出来ませんでした。(4時...

それまで、フルマラソンの練習をどのようにやったら効果的なのかを知らず、スピード練習などやった事もなく、ロング走(30km走など)もレース前に1~2回やる程度でした。

しかし、2013年8月の北海道マラソンでのサブ4挑戦に失敗したあとすぐに「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」という書籍に出会ってフルマラソンが速くなるための練習方法を学びました。

その中でも、特に”閾値走”という練習に興味を惹かれました。

2013年9月以降は閾値走を週に1回の頻度を目安にして実施、加えてロング走も合わせて継続的にやっていく事に。

その後「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を参考に、フルマラソンでサブ4していないランナーが3年間、閾値走(LT走・テンポ走・Tペース走)を中心に練習を継続していったら、どうなったでしょう。

まずは閾値走とは何かをご紹介させて頂き、その効果と結果(フルマラソンにおけるタイムの変遷)についてご紹介します!

閾値走とは何か

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版」によると

T(閾値)強度は、言わば快適なきつさである。確かに、比較的速く走っているが、そこそこの時間(練習なら20〜30分間)維持できる、というペースだ。レースなら、休養をとってピーキング※すれば60分間は維持できる。

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版」より引用

※ピーキング=レースへ向けてコンディションを最高の状態にもっていくように、調整すること。レース3週間前からの疲労抜き(テーパリング・ピーキング)についてはこちら。

本命レースに向けてどのように自分の疲労を抜き、体調を整えていけば良いか悩んでいるランナーは多いのではないでしょうか。 日々の練習は大事...

60分間維持出来るペースは各人で異なりますので、閾値走のペースは人それぞれになります。

レースで60分走れるペースを目安に20分間走るのが典型的な閾値走です。

例えばレースで10kmを1時間で走る方は、おおよそ1km6分のペースで3.33km・20分走る事で閾値トレーニングになります。10kmレースを50分で走る方は1km5分のペースで4km・20分走る事が閾値トレーニングです。出来る限りフラットな場所で行うのが望ましいです。

【練習例】

アップジョグ3km(6’30/km) +閾値走4km(5’00/km) +ダウンジョグ3km (7’00/km)

血中の乳酸を除去し十分処理できる濃度に抑える能力を高めるために行う。持久力を向上させるために行うと考えればよい。つまり、ある程度の時間、少しだけ速めのペースで持ちこたえることを身体に覚えさせる、あるいは一定ペースを維持できる時間をのばす、ということだ。

出典:ダニエルズのランニング・フォーミュラ

閾値トレーニングは乳酸除去能力、つまり持久力向上・少しだけ速めのペースである程度の時間持ちこたえることを身体に覚えさせる練習なのです。

さらに詳しく閾値走について記載した記事は、こちらです。

T(閾値)強度は、言わば快適なきつさである。確かに、比較的速く走ってはいるが、そこそこの時間(練習なら20~30分間)維持できる、という...

ダニエルズさんの提唱する、VDOT(現在の走力のものさし)・Eペース・Tペース(閾値走)・Iペース・Rペースなどを詳しくまとめた記事はこちらです。

VDOTとは VDOTとは「現在の走力のものさし」です。 ジャック・ダニエルズ氏が著書「ダニエルズのランニング・フォ...



閾値走開始時(2013年9月~)

2013年8月の北海道マラソンでサブ4を逃し、ダニエルズのランニング・フォーミュラで閾値走を学んだ私は

「効果のほどは分からないけど、ともかくやってみよう!」

と思って、書籍に書かれている閾値走を始めました。

2013年9月25日、初めての閾値走。

キツくて20分も走れず、撃沈(笑)

そりゃそうなんです。

それまで心拍を上げて走るような練習は、ほぼやってませんでしたからね。

結局

4km 17分35秒(4分24秒/km)

で走ったところで倒れ込んで終了w

もはや閾値走とかではなく、完全に

タイムトライアル(笑)

それでもめげず、2週間ほど経過して少し涼しくなってきた10月9日に再度挑戦。

無事に5kmを21分48秒(4’22/km)で走り切って、初めて閾値走を完走!(*^^*)

それからは練習の柱として、月に2~3回の閾値走とロング走、たまにインターバルやビルドアップなども交えながら練習を継続していきました。

徐々に”同じようなキツさ”で走っていてもペースがわずかずつ上げられるようになっていき、速く走れるようになっていく自分を強く実感しながら練習していました。

サブ3.5達成直前までの閾値走ペース(~2014年3月)

2013年9月25日~2014年の能登和倉万葉の里マラソン前(3月1日)まで、期間にして5ヶ月ちょっとの間に、閾値走を14回実施しました。

日付距離タイムペース備考
2013.9.254km17’354'24/km
2013.10.95km21’484'22/km
2013.11.135km21'414'20/km
2013.11.215km21'274'18/km
2013.11.275km21'504'22/km
2013.12.55km21'224'17/km
2013.12.115km20'534'16/km
2013.12.174.8km20'314'17/km
2014.1.235km20'364'07/km失敗
2014.2.43.6km15'294'19/km撃沈
2014.2.117.3km30'124'10/km失敗
2014.2.205km21'054'17/km
2014.2.255km21'124'18/km
2014.3.14.8km20'284'16/km

走ってるうちに気持ちが盛り上がって”ほぼタイムトライアル”になってしまい、閾値走としては”失敗”してしまった時が2度ありました。

失敗も撃沈もしながら練習を継続。

14回の閾値走で4’24/kmだったペースが自然に4’16/kmまで上昇。

ロング走も合わせて実施してスタミナもアップした結果、サブ4を目指していたレベルを遥かに超えて、2014年3月の能登和倉万葉の里マラソンで、一気にサブ3.5(3時間28分29秒)を達成しました!

その時の、能登和倉万葉の里マラソンのレースレポはこちらです。

2014年の能登和倉万葉の里マラソン、私がフルマラソンのPBを4時間から3時間29分に一気に更新したレースレポ、サブ3.5を目指す方...

なお、サブ3.5関連の記事はこちらです。

サブ3.5とは、フルマラソン(42.195km)を3時間30分未満で走る事を言います。 2017年全日本マラソンランキ...
初サブ3.5達成前の練習内容 2014年3月23日に開催された”能登和倉万葉の里マラソン”で初サブ3.5を達成しました。 ここでは2...
サブ4を達成したあと、徐々に記録を伸ばしてきて 「いよいよ次はサブ3.5に挑戦だ!」 というランナーであれば、 「...




サブ3達成直前までの閾値走ペース(~2016年11月)

それからも毎月2~3回の閾値走を実施していきました。

節目の各レース直前の閾値走ペースは以下の通りです。

日付距離タイムペース備考
2014.9.95km20'284'06/kmsub320
2015.4.305km20'014'00/kmsub315
2015.10.75km19'283'54/kmsub310
2016.3.95.2km20'103'52/kmsub305
2016.11.165km19'113'50/kmsub3

上から順番に

初めて3時間20分切りをしたレース直前

初めて3時間15分切りをしたレース直前

初めて3時間10分切りをしたレース直前

初めて3時間5分切りをしたレース直前

初めてサブ3したレース直前

の閾値走ペースです。

初めてサブ3したレース直前の閾値走の2週間前にはハーフも走っており、1時間22分51秒(3’56/km)で当時のハーフPBを出しています。

3年間、閾値走を基本のスピード練習としてやってきた結果、サブ4未達だったランナーはサブ3ランナーになる事が出来ました!

サブ3関連の記事はこちら

フルマラソンで3時間を切って2時間台でゴールする「サブ3」。 市民ランナー憧れの領域であり、2017年度全日本マラソン...
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2016年11月のつくばマラソンで、とうとう念願の初サブ3を達成しました。 サブ3を目指す方の参考に少しでもなれば幸いかと思い、掲載さ...



まとめ

「じゃぁ、閾値走やってればサブ3出来るんだ!分かりました!」

というあなた!

違います(オィ笑

閾値走を継続的に実施する事により、少しずつ速いペースでフルマラソンを巡航出来る身体に変わっていった事を強く実感したのは確かです。

また、フルマラソンだけでは無く、ハーフマラソンも同じようにタイムが向上していきました。

しかし、

「閾値走やってりゃ、他の練習はいらねんじゃね?」

という事にはなりません。

“トレーニングの原理”から、閾値走だけをやっていても記録の向上は限定的になります。

どのレベルでも、マラソンにおけるトレーニングについて一番重要な事は 「これから行う練習の目的は何だろうか」 という事に尽きると思...

マラソンは総合力の勝負。

ジョグを中心に、閾値走や30km~35kmのロング走、ハーフの距離を速めのペースで走るミドル走、時にはインターバルやビルドアップ走・変化走など様々な刺激を身体に与えていく事がマラソンにおけるタイム短縮の王道です。

もしあなたも閾値走が気になっているのであれば、是非定期的に取り入れてみてください。

出来ればフラットで走りやすく、毎回同じコースで。

その方が、成長の度合いや自分の調子などが分かりやすいです。

諦めずに継続していけば、きっとあなたが目指すマラソンのタイムに届く日が訪れますよ!

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フルマラソンやハーフマラソンなどのタイム短縮を目的とした「インターバルトレーニング」、レベルの高いランナーやベテランランナーの間では...
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コメント

  1. アバター 躁介 より:

    1年半10km走を続けている大阪市在住59歳男です。2015年1月時体重100kg体脂肪率40%でダイエットを開始し、1年半で65kg15%に落とし半年それを維持しましたが、1年半運動を止めて70kg23%にリバウンド。拙いなと思って2018年6月から再度10km走を開始。現在59kg12.5%位になりました。

    私の場合閾値走など知らなかったので、常にほぼ同じペースで10km走り続けるペース走ばかり芸もなくやっていました。10km最高タイム46.3分なのですが、47分で走るだけでかなり負荷がかかります。それ程負担なく走れるペースは49分位です。

    閾値走やインターバル走など、色々取り入れたスピード練習をやるのがタイムの更新をするためにはいいのでしょうが、個人的にはペース走だけで何とかタイムを更新できたらと思っています。何故ならスピードを上げて走るのは苦手だから。何度か意識してスピードアップしたりしますが、すぐバテてしまい10kmをノンストップで完走できなくなる不安が過ぎります。

    Q.私のようにペース走だけで10kmのタイムを更新するのはやはり難しいのでしょうか?※フルマラソン、ハーフマラソンなどのレースに出る積りは全くありません。いつも決まった10kmコースをより速く走れるようになるだけで十分です。※27歳時の淀川河川敷10kmロードレース時でさえタイムは45分程度の脚力でした。

    1+
  2. アバター 躁介 より:

    補足:現在週5回ペースで、毎回10kmのタイムトライアルをしている感じです。走り出し時に膝の痛みを感じる時が屡々あるので、最初からスピードを上げられないのが辛いところですが、3km~4km位走ると慣れてきて徐々に膝の痛みが気にならなくなる…という繰り返しです。ベストタイムが出る時はその膝の痛みを感じず、序盤からいつも以上のスピードを出せた場合が多いです。

    従って「先行逃げ切り型」のペースで走らない限り、私の場合ベストタイムはまず出ません。だからもし私が閾値走をするとしたら、タイムは55-56分位かかりそうです。この2か月間ずっと48分前後で快調に走ってきたので(夏場はバテてしまい55-57分位でしか走れなかった)今更また以前の遅いタイムに戻ることに(毎回タイムを記録しているため)少なからず抵抗を感じてしまいます。また、気温・湿度とタイムを毎回記録し、気温毎にどの位のタイムで走れるかを導ける計算式を作りたいという思いもあり、より速くなるには色んなスピード練習をした方がいいと思いつつ、どうしても同じペース走になって(タイムトライアルをして)しまいます。

    1+
    • アバター げん より:

      はじめまして!コメントを頂き、ありがとうございます。

      2つに分けて長いコメントを頂きました。

      躁介さんが実践されてきた10kmランによる素晴らしいダイエットの歴史、練習への取り組みや目標とする事をお伺いさせて頂きました。

      フルマラソンのレース等ではなくて、練習での10kmを速く走りたいとのことですね。

      ペース走だけでも速くならないという事は全くないですよ。

      私のブログでは閾値走やインターバルなどのスピード練習を紹介していますが、いずれも怪我や疲労のリスクを低くしながら、短期間で効率的に各距離のマラソンを速くなるための方法です。

      ペース走、ましてやタイムトライアルを毎回実施しているのに「速くならない」などという事は全くありません。ご安心ください(*^^*)

      ただし週5回の10kmタイムトライアルだと、遠くない未来に大きな怪我をしてしまう可能性は否定出来ません。
      今まで1年半10km走を続けられていたとしてもです。

      フルマラソンをサブ3前後で走るランナーでも、強い練習は平日1回・週末1回というような頻度です。そうしないと、早ければ2~3年、持ったとしても5年前後で身体のどこかに大きな故障を抱えてしまうリスクが高いからです。
      しかも年がら年中同じ負荷で練習しません。休む時は休む期間(2週間~1ヶ月強い練習をしない)を設けます。

      躁介さんの現在の走力は10kmを47分で走るとするとVDOT43ほど。
      週5回の練習のうち、3~4回をEペース(6’00/km)やジョグ(Eペース+10~20秒/km)で10km~15km走り、週1~2回をタイムトライアルのような強いポイント練習をすると身体を労りながら、楽しく長く、お好きなペース走(タイムトライアル)の練習継続が出来ると思います。

      怪我せず練習を継続出来るというのが、速くなるのに一番重要な事です。

      「ジョグ?遅く走るのは意味があるのか」
      と思われるかもしれませんが、脂肪燃焼効果もスタミナ増強の効果も大きいものがございます。
      ジョグはランナーにとっての土台を作る、最も重視すべき練習と言っても過言ではないのです。ジョグを軽視する人は怪我が多いです。学生も実業団ランナーもジョグを大事にしてる人は多いです。
      https://gen-running.com/post-2299/

      余計なお節介、失礼しましたm(_ _)m
      御年齢を勘案しまして、若輩ながらアドバイス申し上げました。

      ご参考までに。

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