インターバル走の設定ペース、やり方、効果について

フルマラソンやハーフマラソンなどのタイム短縮を目的とした「インターバルトレーニング」、レベルの高いランナーやベテランランナーの間では一般的な練習方法です。

しかし、日々ジョギングだけだった初心者ランナーがポイント練習※を織り交ぜた、一つ上の段階の練習に移行しようとした時、色々と疑問に思いませんか?

※ポイント練習とは、練習メニューの中で軸となる練習、つまり速くなるための練習です。
フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な...

「インターバルってどうやってやれば良いんだ?」

「走るスピードはどれ位?」

「インターバル間のお休みって、ジョグ?歩き?止まる?何分くらい休む?」

「何本くらい実施すれば効果的なんだろう?」

「怪我しないかな…」

そんな感じの疑問です。

私も初心者の頃、ジョギングだけだった練習から「閾値走」や「インターバル」を実施し始めた頃は、何となく効果が明確に分かっている訳でもなく手探りな状態でしたし、怪我もしました。

ここでは、そんな昔の私のような市民ランナーの方々に参考になるよう、インターバルトレーニングの設定ペースや実施方法、そして期待出来る効果について考えていきます。

インターバルトレーニングのペース設定

一口に「インターバルトレーニング」と言ってもインターバル区間の距離は様々ですが、ここでは通常のインターバルで実施される距離「1000m」で考えていきます。

インターバル区間のペースを決める方法

例えばフルマラソンでサブ4を狙うランナーが10人いたとしても、全員同じペースでインターバルトレーニングを実施すれば良いワケではありません。

ランナーそれぞれが持つ走力や、ランナーのタイプ的に「スピードタイプ」か「スタミナタイプ」かでも最適なペースは違ってきます。

「あなたに最適なインターバルペースはこちらです」

と教えてくれるコーチがいれば別ですが、我々市民ランナーがコーチに教えを乞うのは難しい。

そこで目安となるのがVDOTという指標です。

VDOTとは、簡単に言えば各ランナーの「走力のものさし」です。

詳しくはこちらの記事をご覧になって頂ければと思いますが、VDOTの指標は、あなたのパーソナルトレーナーのように、それぞれのランナーが各ポイント練習に最も適したペースを教えてもらえます。

マラソンの目標タイムごとに練習内容を考える記事を作成する時は「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」の中で頻繁に使われている「VDOT」を登...

VDOTの表は以下の通りになります。

表の中から、各距離の自分の持ちタイムを当てはめ、一番高いVDOTを採用する事になります。

表の中に記載のあるE・M・T・I・Rの内容については「VDOTとは」の記事を参照ください。

VDOT5km10kmハーフフルEMTIR
3030'4063'462'21'044'49'177'526'516'24-2'16
3129'5162'032'17'214'41'577'416'41614'-2'12
3229'0560'262'13'494'34'597'306'316'05-2'08
3328'2158'542'10'274'28'227'206'215'56-2'05
3427'3957'262'07'164'22'037'106'135'48-2'02
3527'0056'032'04'134'16'037'01
6'045'40-1'59
3626'2254'442'01'194'10'196'525'565'335'071'55
3725'4653'291'58'344'04'506'435'485'255'001'53
3825'1252'171'55'553'59'356'355'415'194'541'50
3924'3951'091'53'243'54'346'275'335'124'481'48
4024'0850'031'50'593'49'456'195'275'064'421'46
4123'3849'011'48'403'45'096'125'205'004'361'44
4223'0948'011'46'273'40'436'055'144'544'311'42
4322'41
47'041'44'203'36'285'585'084'494'261'40
4422'1546'091'42'173'32'235'525'024'434'2198
4521'5045'161'40'203'28'265'464'564'384'1696
4621'2544'251'38'273'24'395'404'514'334'1294
4721'0243'361'36'383'21'005'344'464'294'0792
4820'3942'501'34'533'17'295'284'414'244'0390
4920'1842'041'33'123'14'065'234'364'203'5989
5019'5741'211'31'353'10'495'184'314'153'5587
5119'3640'391'30'023'07'395'134'27
4'113'5186
5219'1739'591'28'313'04'365'084'224'073'4885
5318'5839'201'27'043'01'395'044'184'043'4484
5418'4038'421'25'402'58'474'594'144'003'4182
5518'2238'061'24'182'56'014'554'103'563'3781
5618'0537'311'23'002'53'204'504'063'533'3480
5717'4936'571'21'432'50'454'464'033'503'3179
5817'3336'241'20'302'48'144'423'593'453'2877
5917'1735'521'19'182'25'474'383'553'433'2576
6017'0335'221'18'092'43'254'353'523'403'2375
6116'4834'521'17'022'41'084'313'493'373'2074
6216'3434'231'15'572'38'544'273'463'343'1773
6316'2033'551'14'542'36'444'243'433'323'1572
6416'0733'281'13'532'34'384'213'403'293'1271
6515'5433'011'12'532'32'354'183'373'263'1070
6615'4232'351'11'562'30'364'143'343'243'0869
6715'2932'111'11'002'28'404'113'313'213'0568
6815'1831'461'10'052'26'474'083'283'193'0367
6915'0631'231'09'122'24'574'053'263'163'0166
7014'5531'001'08'212'23'104'023'233'142'5965

例えばあなたが各距離での、レースor練習でタイムトライアルでのベストタイムが以下だったとします。

5km 20分59秒(VDOT47)

10km 44分15秒(VDOT46)

ハーフ 1時間46分01秒(VDOT42)

フル 4時間03分43秒((VDOT37)

はい、私がサブ4していなかった頃の各距離の記録です^^;

距離が伸びるほど苦手でVDOTも落ちていく、典型的な「スピードタイプ」のランナーでした。

大抵、各距離の自分のベストタイムを入れていくとVDOTは同じ数値では無く、右肩上がりだったり、右肩下がりだったり、デコボコでいびつな形になったります。

なお、練習をしっかり積んだベテランやレベルの高いランナーになる程、VDOTの数値に幅がなくなる傾向があります。

上記のような記録であれば

このように右肩上がりであれば「スピードタイプ」、右肩下がりであれば「スタミナタイプ」、平行に近ければ「万能タイプ」になります。

前述の通り、インターバルなどの練習ペースの決め方は、各記録の中で一番高いVDOTを採用します。

上記の場合は5kmの記録で当てはめたVDOT47が一番高いVDOTになるので、インターバルのペースは「I」の欄に記載されている4’07/kmになります。

このようにして、まずはインターバルのペースを決めましょう。



インターバル間の休息区間について

インターバルのペースが決まったら、とりあえずインターバルペースで1000m走る疾走区間を1本実施出来ますね。

その疾走区間が1本終わった後は、少しお休みをする休息区間になります。

ここで乱れた呼吸を整え、次の1本に備えます。

しかし、このお休みの区間をどうすれば良いか。

インターバルトレーニングの休息時間は、直前に走った疾走区間の時間と同じか若干短い時間にすべきであると、ダニエルズさんは示しています。

前述の例で言えば、4’07/kmの疾走区間ペース+4分の休息時間、あるいは若干短い時間を推奨しています。休息時間はイージーランニングかジョギングが一番良いとあります。

上級者になると休息時間を短くしたり(4分→3分や2分)、休息区間を少し速く走ったりする(6’30/km→5’30/km)ことで強度を調整して練習効果を高めますが、最初のうちはダニエルズさんの示す通り、疾走区間と同程度の休息時間で充分です。

慣れてきたら休息時間を短くしたり、休息区間を少し速めたりして負荷を高めましょう。

インターバルトレーニングのやり方

インターバルのペースと休息時間を決めれば、あとは実施です。

頻度としては、週に1回ないしは2週に1回程度が良いでしょう。

1週間のうち水曜日にインターバルなどのポイント練習・週末はミドル走やロング走、という流れで練習しているランナーは多いです。

実施場所は、なるべく平坦で走りやすい場所。そして可能であれば土や芝の上が望ましいです。

インターバルのような速いペースで地面が固いと、着地衝撃の大きさから怪我につながりやすい為です。

充分にトレーニングを積んだベテランランナーの方であれば、無茶をしない限り、アスファルトなどでインターバルを多少やったとしても膝が痛くなったりする可能性は少ないと思いますが、脚が出来るまでは「あっという間」にどこか痛くなったりする可能性がありますので、要注意です。

練習例としては以下の通りです。

【練習例】

アップジョグ3km(+WS2~3本)+インターバル走3本~5本+ダウンジョグ3km

※ウインドスプリントとは、50m~100mの距離を、全力の80%前後程度で気持ち良くスピードを出して走る練習。ケガ防止のため、急にスピードアップせずに、徐々にスピードを出して少しずつスピードダウン。セット間はしっかり呼吸を整えて2本~5本ほどやると良いです。着地衝撃が大きくなるので、出来れば土や芝の上など柔らかい場所が好ましいです。

始めは1000mインターバル3本でもキツかもしれません。

そのような場合は400mインターバルで慣れるのもOKです。ペースは1000mインターバルと同じでやります。

VDOT47の400mインターバル区間にかかる時間は98秒(4’05/km)、休息時間も同程度の時間を確保して3~5本実施してみましょう。

インターバルトレーニングの効果

私の考えでは、VO2maxを最大限に向上させることが、Iトレーニング、特に、本章で説明するIトレーニングの最大のメリットである。

出典:ダニエルズのランニング・フォーミュラ

インターバルトレーニングはVO2max、つまり最大酸素摂取量を最大限に向上させる事によって、有酸素性作業能を改善していくという事になりますが…

表現が難しい!簡単にしたい(笑)

トップスピードを上げるような練習はIペースより速いペースで走るWS(ウインドスプリント)やR(レペティション)が有効であるように思えますし、長い距離をある程度の時間ラクに走る事が出来るようになる「スピード持久力」的な能力はT(閾値走)やM(マラソンペース)の方が適しているような気もします。

じゃあなぜインターバル走をやるのか。

私は恥ずかしながら、しばらくの間、その辺が多少曖昧のままで実施してました^^;

最大酸素摂取量は、車に例えれば「排気量」のようなイメージです。

排気量が大きいほうが速く走れる。

でも、エネルギーを無駄遣いすると燃費が悪い、みたいな。

ところで、持久走を速いペースで巡航出来るようになるための主要な要因は3つあります。

1.乳酸性作業閾値(LT)の向上

2.最大酸素摂取量(VO2max)の向上

3.ランニングエコノミーの向上

です。

各項目の向上に最も有効と考えられている練習は

1.乳酸性作業閾値(LT)の向上→閾値走(Tペース走)

2.最大酸素摂取量(VO2max)の向上→インターバル走(Iペース走)

3.ランニングエコノミーの向上→ウィンドスプリント・レペティション(WS・Rペース走)

「最大酸素摂取量」というのは、肺に取り込まれた空気の中から、酸素をどれだけ体内に行き渡らせて使うことが出来るかという目安です。

最大酸素摂取量が多い方が体内でたくさんの酸素を使えるということですから、それだけ走るためのエネルギーを多く作る事が出来て、速く走れるようになるという訳です。

最大酸素摂取量(VO2max)はどんなトレーニングでもある程度高まりますが、VO2maxを最大限に向上させるトレーニングがLTを超えるスピードで走る「インターバルトレーニング」ということになります。

だからインターバルをやった方が、速くなるには効率が良いという事になります。

同じように閾値走やWS・Rペース走をやるのも、それぞれの練習を実施する事で「効率的」に能力を向上させるものがあるからです。




インターバルでの怪我

インターバルのような速いペースで走る高強度の練習は、常に怪我のリスクと隣合わせです。

私も初心者の頃は、インターバルやロング走で脚に違和感を覚えたり、痛みが生じて練習を休まざるを得なくなった経験があります。

それ以来、閾値走やインターバル・ロング走などのポイント練習は全て土の上でやるようにして脚を作っていったのですが、気がついたらアスファルトで練習をしても脚が痛むような事は無くなりました。

インターバルの祖・エミール・ザトペック

インターバルトレーニングは、1952年・オリンピックヘルシンキ大会の5000m、10000m、マラソンの長距離3種目で金メダルを獲得した、チェコのエミール・ザトペックが有名にしたトレーニングです。

彼は400mのインターバルを、午前中に50本・午後に50本の計100本(セット間150mジョグ)を2週間連続で実施するようなランナーでしたが、練習の実施場所には注意を払っていたようで、森の中で実施していました。

森の中なら柔らかい土の上で走れるので、着地衝撃は少ないですね。

そのため、これほどの練習をしても怪我をあまりしないランナーだったようです。

まとめ

「よ~し、オレも(私)もインターバルでフルマラソンのタイム上げてやるっ!」

という方。

インターバルだけではフルマラソンのタイム向上は限定的です(オィ笑

私はサブ4未達の状態から「閾値走」をメインの練習にしつつ、「インターバル」や「ロング走」なども交えながら練習するようになったことで、サブ3するまでに走力をアップさせる事が出来ました。

「閾値走って何だ?」 「閾値走ってたまに聞くけど、本当に効果があるのか!?」 「Tペース走でフルマラソンが速くなるのか!...

閾値走やインターバルに加えて、フルマラソンを走り切るためのミドル走やロング走を正しいペース・正しい頻度で実施する事で、飛躍的に走力はアップします。

詳しくはフルマラソンの各目標毎に記事を用意していますので、そちらを参照しながら練習に取り組んでいけばバッチリです。

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是非とも無理のない練習計画を心がけて頂き、少しずつレベルアップしていってください!

インターバル以外のポイント練習も記載した記事はこちらです。

フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な...
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