サブ4達成の為の練習メニューを考える

サブ4とは、フルマラソン(42.195km)を4時間未満、つまり3時間台で走り切る事を言います。

ジョギングから始めたランニングライフの先に見据える大目標として

いつかはフルマラソンでサブ4!!

と思ってる市民ランナーの方、大勢いらっしゃいますよね。

サブ4を達成するためのペースは、レース全体の平均ペースを5’41/kmで収める必要があります。

サブ4の平均ペース

5分41秒/km

レースで走る実際のペースは、イーブンペースを狙ってスタート、終盤ゆるやかにペースダウンするような一般的なレース展開であれば、5’30km/km~5’35/km程度で余裕を持って巡航する走力が必須です。

2017年全日本マラソンランキングの分布によると、男子でサブ4を達成するのは280,461人中82159人で上位約29%。女子は73611人中9108人で上位約12%。

サブ4を達成したランナーの割合

男子:上位約29%

女子:上位約12%

フルマラソンを始めた多くのランナーにとって、目指すべき大きな目標である「サブ4」。

「やっぱりサブ4を達成する人の割合は少ない…難易度高いな」

と思うかもしれません。

しかし、正しい練習を継続的に実施すれば、サブ4は誰にでも達成の可能性があります!

サブ4達成するためのトレーニング方法や考え方について、詳しくお話します。

サブ4を達成するために最も重要なこと

考えてみてください。

あなたがサブ4を達成するために必要だと思う事って何ですか?

「スピード練習」

「ロング走」

「月間走行距離」

「筋力・体幹トレーニング」

「日々の食事・栄養管理」

「適切なシューズ・ウェア選び」

「レース前の疲労抜きや調整」

「レースプラン」

「補給食の選択と給水」

「体重管理」

様々な答えがあると思います。

そして、どれもサブ4を達成するために必要だと言っても良いですよね。

では、サブ4を達成するために

「最も重要なこと」

って何だと思いますか?

やっぱり日々の練習で培われた

「走力」

ですよね。

走力が一定以上あれば、ある程度適当なウェア・シューズ・食事・補給食・レースプラン・体重などでもサブ4は出来てしまいます。

そしてその「走力」の中でも、ひときわ重要なのが

フルマラソンを走る「スタミナ」

です。

サブ4を狙うには、5’30/km~5’35/kmで終盤(少なくとも30km近くまで)走り続けなければいけません。

そして30km以降も大きな撃沈をせず、ゆるやかなペースダウンに抑えられるだけのスタミナ・筋持久力が必要です。

サブ5やサブ4.5であれば、途中多少歩いても達成可能ですが、サブ4はゴールまでの道のりの大部分を走らないと達成出来ません。

しかしサブ4を目指して失敗してしまうランナーの多くは、30km前後くらいの距離から大きくペースが落ちてしまう事が多く、中には歩いてしまう方もいらっしゃいます。

強い疲労感、膝や股関節・足裏などの痛み、脚がつる、胃がおかしくなって補給食も取れない…フルマラソンの終盤に訪れるトラブルは枚挙に暇がありません。

何故でしょう。

水分不足、塩分不足、膝や股関節が弱い、脚がつりやすい体質…ではないですよ。

フルマラソンの距離を走るスタミナ・筋持久力が圧倒的に不足しているからです。

サブ4を達成するために一番重要なこと。

それは「ロング走」や「時間走」を何度も重ねることです。

ロング走や、ゆっくりペースでも良いので3時間走などを重ねることにより「長い距離や長い時間走る事」に慣れると、強い疲労感、膝や股関節の痛み、脚がつる、などのトラブルが無くなったり、軽減されたりします。身体が強くなります。

42km以上の距離があるフルマラソンを快走するには、日々の練習で10km~20km走ってるだけでは出来ません。

それでは次のレースも終盤に大きくペースダウンしてサブ4は達成出来ないでしょう。

私もそうでした。

サブ4挑戦に失敗した、問題のある練習を継続したランナー。 それは私でございます(笑) 過去の黒歴史、あるいは恥部を晒すよ...

普段短い距離だけ軽くジョグって、本番だけ42kmを楽々快走する奥義を知りたい!という方は、残念ながらこのブログに「奥義」は書いてありませんし、そんな方法は存在しません。

それを踏まえた上で、サブ4達成のための練習メニューを考えていきます。



サブ4達成するためのトレーニングについて

スピードタイプのランナー向け

まずは下の表を見てください。

この表はダニエルズのランニング・フォーミュラという書籍に掲載されている、走力の異なるランナーごとに最適な練習強度の「ものさし」を与えてくれる「VDOT」の表です。

VDOTについて詳しいのは「VDOTとは」という記事です。VDOTをご存じない方は、こちらの記事をご覧ください。上記の表にある「E,M,T,I,R」の練習内容についても、出来るだけ簡単に説明しています。

VDOTとは VDOTとは「現在の走力のものさし」です。 ジャック・ダニエルズ氏が著書「ダニエルズのランニング・フォ...

サブ4に必要なVDOTは「38」となります。

そしてサブ4に必要とされる、フルマラソンより短いレースにおけるスピードは

5km 25分12秒(5’02/km)

10km 52分17秒(5’13/km)

ハーフ 1時間55分55秒(5’29/km)

と記載されています。

あなたの各距離のレース記録(各距離のレースに出た事の無い方は、練習でタイムトライアルをした記録など)を表に当てはめてみてください。

「サブ4を目指す!」

という方、各距離のタイムはサブ4の基準であるVDOT38のレベルをクリアしてる方も多いのではないでしょうか。

例えば…

このような感じの右肩上がりであれば、あなたは

「スピードタイプ」です。

悪い言い方をすれば、フルマラソンを走るには「スタミナや筋持久力が不足している状態」ですが…

例えば上記の例で言えば、5kmのタイムで換算するとVDOT42、つまりスピードはフルマラソン3時間40分レベル。スタミナさえ付けば、ポテンシャルはすでにフル3時間40分のレベルにあります!

「スピードがある」という事は「潜在能力が高い」という事です。自信を持ってください。

フルマラソンを走り切るためのスタミナと筋持久力さえ付けば、私がサブ4未達から一気にサブ3.5したようにフルマラソンのタイムは急速に伸びます。

2014年の能登和倉万葉の里マラソン、私がフルマラソンのPBを4時間から3時間29分に一気に更新したレースレポ、サブ3.5を目指す方...

そんなスピードタイプランナーにとって最重要な事は、たったの1つ。

最重要ポイント

月に2~3回のロング走を実施する事!

これに尽きます。

「ロング走!」っていうと気が重くなるかもしれませんが、6’00/km~6’30/km位でゆっくり走るペース走や時間走、仲間とゆっくり楽しんで走るような「マラニック」でもOKです。

フルマラソンに出来るだけ近い距離や時間を何度も経験して、心と身体に「長距離」「長時間」の負荷を覚えさせる、慣れさせることが42.195kmを攻略する上で非常に大事です。

余裕があれば、持ち前のスピードを維持・成長させるために、平日に1回閾値走などのスピード練習を入れると盤石です。

フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な...

【スピードタイプのランナーがサブ4を達成するための練習例】

月 休養

火 ジョグ30分~60分

水 閾値走20分間+ジョグ2~3km

木 休養

金 ジョグ30分~60分

土 ジョグ30分~60分

日 ロング走30km(5’30/km~6’30/km) or 20km走(5’10/km~5’20/km)

私のラン友さん(スピードタイプの女性ランナー)がVDOTを指標にしてギリギリサブ4を達成した、レース3ヶ月前からの練習内容を公開した記事はこちらです。

サブ4達成直前3ヶ月間の練習内容 今回は私のラン友さんに協力して頂き、3ヶ月間ロング走と閾値走で一生懸命練習を積み、見事2016年11月の...




スタミナタイプのランナー向け

逆にVDOTに自分の各距離のレースタイムを当てはめると、平行か右下になるランナー

このような感じの右肩下がりであれば、あなたは

「スタミナタイプ」です。

フルマラソンを走るスタミナ・筋持久力をすでに持っているランナーですが、絶対的なスピードが不足しているためにサブ4が出来ないという状態。

どちらかというと、女性ランナーに多いと思います。

そんなスタミナタイプランナーにとって最重要な事は、たったの1つ。

最重要ポイント

練習でフルマラソンのペースより速く走れ!

スタミナタイプのランナーは、ただジョグで長い距離を走って月間走行距離を増やしてもダメ。サブ4を最短で目指す効率的な練習ではありません。

大事なのは、フルマラソンの巡航ペース(5’30/km~5’40/km)よりも速いペースで走る”スピード練習”をやる事。

そうすると、フルマラソンで巡航出来るペースを速くする事が出来ます。

例えば、20分間の閾値走やWS(ウインドスプリント)、速いペースでのミドル走などのポイント練習です。

なお、ポイント練習には頻度や実施場所などで注意点がいくつかあります。

実施する前に、ポイント練習について詳しく書いたこちらの記事を読んでから実施してください。

フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な...

例えば、前述の表のようなランナーの場合、ハーフとフルの記録からするとVDOTは37。

しかし、VDOT37のTペースは5’25/kmとなり、5kmのレースペースとほぼ同じ。

このような場合、閾値ペースは「レースで50分~60分間維持できるペース」という指標があるので、10kmのベストタイムである54’44(5’28/km)を20分間閾値走の基準として実施すれば良いでしょう。

その場合、

3.66km 20’00(5’28/km)

という閾値走になります。

「閾値走って何だ?」 「閾値走ってたまに聞くけど、本当に効果があるのか!?」 「Tペース走でフルマラソンが速くなるのか!...

スタミナタイプのランナーが、閾値走をVDOT38のレベルである5’19/kmまで上げる事が出来れば、サブ4の可能性はかなり高まります。

加えて、ミドル走はマラソンペースより少し速いくらいのペースで長めの距離を走ります。

そうする事で、速いペースで長く走る「スピード持久力」が鍛えられ、より速く長く走れるようになります。

スタミナタイプのランナーがサブ4を達成するための練習例

月 休養

火 ジョグ30分~60分

水 20分閾値走+ジョグ5~6km

木 休養

金 ジョグ30分~60分

土 ジョグ30分~60分

日 20km走(5’30/km~5’35/km)



本番でのレースプラン

サブ4を目指すために適切なレース展開は「イーブンペース」を目指す作戦です。

スピード・スタミナ共に自信があれば、前半より後半のラップを上げていく「ネガティブスプリット」でも可能ですが、イーブンペースを目指して走り、終盤ゆるやかにペースダウンしながらゴールするのが、最も目標達成をたぐり寄せやすいです。

サブ4に向けて練習で鍛えてきたのであれば、まずは5’30/kmでの巡航、問題ないはず。

少なくともハーフの地点までは5’30/kmで、可能であれば30kmまではペースを維持していきたいところです。

理想は30km地点を2時間47分(5’34/km)で、ある程度の余裕を持って通過すること。そのために日々の練習をしてください。

そうすれば、残り12.195kmを1時間13分以内(平均5分59秒/km)で走れば良いので、平均ペースが徐々に落ちていって最後はキロ6まで落ちてもサブ4達成。

そう思えば、多少疲れてペースダウンしていっても「まだ大丈夫だ。いける」と、モチベーションを維持しやすいです。

フルマラソンの終盤に自分のメンタルをいかに繋ぎとめておくか、レース前によく考えておくのは効果的です。

目標達成に向けて「もう無理だ…」と希望が無くなった瞬間、身体の機能は止まります。

逆に「まだいける!」と思えれば、限界だと思っても進めるものです。

「フルマラソンのレースが近づいてくると、誰だって距離に対する不安が出てくるんだ」 って言ったら、初心者の方は驚くでしょうか。 ...

仮に前半どこかの地点から少しずつペースダウン、30km地点を2時間48分(5’36/km)で通過すると、残り12.195kmを5’54/km平均で走ればサブ4達成。

フルマラソン終盤の疲労度を考えると、このあたりがサブ4達成の可能性を残す、ギリギリのラインかもしれません。

もし30km地点を2時間50分(5’40/km)で通過すると、残りの12.195kmを5’44/km平均までしか落とせないので、サブ4の可能性は消えないまでも、かなり苦しくなります。

イーブンペース狙いで終盤ゆるやかなペースダウン、という作戦の場合は

理想は30km地点を2時間47分、当落選上は30km地点を2時間48分、ゴールまでほぼイーブンペースでの巡航が可能であれば、30km地点を2時間50分というところです。

サブ4を達成するためのペース配分について、さらに詳しく考えた記事はこちら

フルマラソンでサブ4をするために、どのようなペース配分で走ったら良いのか。 サブ4達成のための練習メニューを考えるの中で「イー...

まとめ

日々しっかり自分に合った内容の練習を継続していけば走力は必ず上がっていき、サブ4は達成出来ます。

しかし、日々の練習を順調に積めない事もあります。疲労や怪我です。

「あれ、おかしいな」

とか

「ちょっと脚が痛いかも…」

という時は、無理せず予定を変更して休むのもサブ4に向けた練習のうちです。

走れなくても、自転車を漕いだり、体幹トレーニングをしたり、走力維持の方法はあります。

違和感が出た 今週は 日 37km 月 17.5km 火 14km 水 20.5km と走ってきたところで、...

でも、走力以外の部分も決して「ないがしろ」には出来ません。

例えば、レース3ヶ月前からしっかり練習を積んでいても、レース3週間前からの疲労抜き(テーパリング)がうまくいかず、本番当日に力を発揮出来ないことなどがあります。

本命レースに向けてどのように自分の疲労を抜き、体調を整えていけば良いか悩んでいるランナーは多いのではないでしょうか。 日々の練習は大事...

疲労が抜けてきても、レースまでの1週間、そしてレース当日の調整に失敗してサブ4を逃すこともあるかもしれません。

フルマラソンを間近に控えたランナー、レースまでの大事な1週間をどうやって過ごしていくかによって、本番での結果が大きく変わってくる可能性がある...

日々の練習やレースで履くシューズの選択も重要なポイントですよね。

初めてフルマラソンに挑むランナーが選ぶべきランニングシューズについて、シューズ沼にハマって今まで様々なシューズを散々履いてきた私がお...

坂の多いレースに挑戦する場合は、アップダウンの走り方・コツもマスターしておいた方が良いでしょう。

このブログで逐一ご紹介している「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」では、ランニングエコノミーの改善について 「腕振り、特に...

フルマラソンは総合力の勝負。

様々な事を想定して準備し、本番に全ての力を発揮出来ますように!

頑張ってください!

フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な...

サブ4達成したら、次はこちら!

サブ4達成後、大きな目標を成し遂げたあと 「次はどうしよう…」 と思ってるランナーも多いのではないでしょうか。 ...
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コメント

  1. アバター RH より:

    サブ4を目指しているランナーです。
    ダニエルズさんの本を読んでみてもなんとも難しく、どう練習にいかそうかと思いながら検索してたところコチラのブログに辿りつきました。
    大変参考になる記事を発見できてやる気に満ちております!
    少しだけ詳しくお聞きしたいのですが、
    スピードランナー向けのトレーニングプランの中で平日走るジョグはダニエルズさんの言うところのEasyランのペースでしょうか?

    突然の質問になりますが、よろしくお願いします。

    0
    • アバター げん より:

      RHさん、はじめまして!コメントを頂き、ありがとうございます(*^^*)
      ダニエルズさんの本、少し読みにくいですよね^^;
      ブログではダニエルズさんの理論を噛み砕き、簡単に日常の練習に反映出来るように説明しているつもりではありますので、是非ご参考になさってください♪

      さて、平日に走るジョグについてです。
      ダニエルズさんがマラソン向けの練習としてプログラムを組む場合は「質の高い練習以外はEランニングであり…」と、書籍に記載しています。
      しかしながら、私たち市民ランナーが全てをEペースで実施するのは、若干キツい場合があります。

      なぜならEペースとして設定されているペースが、意外と速いからです。

      ジョグの日もバカにしてはいけないですが、全ての練習日を頑張ると大変です。燃え尽きたり、怪我や疲労のリスクが上がる可能性もあります。

      私の場合、現在VDOTから導かれるEペースは4’42/kmですが、日常的には5’00/km~5’30/km程度のスピードで楽に気持ち良くジョグをしています。もっとペースが遅い日もあります。
      しかし、もしかしたらEペースが丁度良い、気持ちの良いペースと感じるランナーもおられるでしょう。
      そこはガチガチに考えず、自分の感覚で”丁度良いな”と思えるペースで良いと思います。

      一番多くの時間を費やす”ジョグ”。
      ジョグは自分の身体やコンディション、そしてランニングライフに合うような形で柔軟にやっていくと、より長く・楽しくランニングを楽しめると思います(*´∇`*)

      ただし走力をバッチリ上げたいのであれば、質の高い練習日は気持ちを切り替えて。
      閾値走はしっかり20分頑張って走リ切る、インターバルは出来るだけ3~5本はやり切る、ロング走も予定の距離をなるべくこなす、ポイント練習ではそんな気持ちが大事だと思います。

      頑張ってください♪

      0