サブ4達成のためのペース配分

フルマラソンでサブ4をするために、どのようなペース配分で走ったら良いのか。

サブ4達成のための練習メニューを考えるの中で「イーブンペース」によるレース展開はご紹介しましたが、序盤をゆっくりしたペースで入って後半ペースアップする「後半型」や、前半20kmまでに貯金を作る「前半型」については記載していませんでした。

改めてイーブンペースでのレース展開を含め、前半型や後半型でのサブ4攻略方法について考えてみます。

【解説動画】サブ4完全攻略!ペース戦略 ランナータイプ別レース展開

ブログの内容は、以下の動画でも解説しています!

前半型のペース配分

男性でスピードタイプのランナーであれば、

「遅いペースで走っても、どうせ30kmも走ればクタクタに疲れてしまう」

そんな理由から

「元気な前半のうちに貯金を作るぜっ!」

と考える方は多いかもしれません。

そんな作戦、私は全く否定しません!(笑)

むしろ35km以降の終盤に貯金と少しの元気があれば、ゴールまでモチベーションを切らさずに目標達成出来る可能性が高いです。

ですが、前半型を選択するランナーが陥りがちな罠にだけは気をつけてください。

それは…

飛ばしすぎ

です。

サブ4を達成するには、レースの平均ペースを5’41/km以内にする必要があります。

逆に言えば…5’41/kmで充分なんです。

前半型といっても、5’20/km~5’25/km程度のペースで走れば、どんどんタイムの貯金は出来ます。

それを5’00/km~5’20/kmのようなハイペースで序盤を走ってしまい、道中も自分の限界が訪れるまでペースダウンせずに頑張ってしまうので、気付いた時にはキロ6分すら維持出来なくなって心が折れ、ついには歩いたり止まったりになってしまいます。

例えば以下のようなラップ

前半は4分台/kmを見るほど非常に速いペースで巡航、中間地点は1時間50分台。単純に倍すると3時間42分でゴール出来るほどのペース。

しかし、その後はキロ6分以上かかってしまうようなペースに落ちてしまい、サブ4を逃しています。

まさに序盤「飛ばしすぎ」というレースです。

このようなラップを刻んでしまうような方は、ペースコントロールを覚えればサブ4達成は現実のものとなります。

序盤は楽すぎてジョグよりも楽な”徒歩”のような呼吸、何ならアクビが出ちゃう位が丁度良いんです(笑)

30kmまでは「寝ていけ」「瞑想ラン」「ただの移動」色々な表現方法はありますが、とにかく息を切らせていけないんです。

頑張り厳禁!

前半型とはいえ、序盤は速くても5’20/km~5’25/km位のスピードにとどめ、貯金を作りすぎて終盤に全て貯金を吐き出して借金!という事のないようにいきましょう。

参考ラップは以下のようになります。

※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています

ラップペース通過タイム
ロス02'0002'00
5km26'405'20/km28'40
10km26'405'20/km55'20
15km26'405'20/km1'22'00
20km26'405'20/km1'48'40
ハーフ1'54'40
25km27'305'30/km2'16'10
30km28'205'40/km2'44'30
35km29'105'50/km3'13'40
40km30'006'00/km3'43'40
ゴール14'006'10/km3'57'40

前半型のレースプラン、まずは20kmまで5’20/kmのペースを維持して巡航してください。

20kmまで余裕を持って到達出来れば、まず第一段階はクリア。

ここからは温存しながら、徐々にペースダウンしてもいいんだ、という気持ちで進みます。

まだ頑張ってはいけません。

20km~25kmは5’30/km、25km~30kmは5’40/km。どんどん楽なペース設定になります。

特に20km~30kmの区間で頑張ると30km以降で強い疲労が押し寄せますので、30kmまではとにかく楽をする事です。

少し頑張ればペースを維持出来るかもしれませんが、あえてわずかずつペースを落としても良いんだという気持ちを持って、気負わずに。

30km地点をある程度の余裕を持って2時間47分ほどで到達出来れば、サブ4達成がハッキリと見えてきます。

35kmまでの設定ペースは5’50/kmですが、ここからは少し頑張ってもOKです。

ペースの維持が可能であれば、頑張って5’40/kmでいきましょう。そのペースで35kmまで行ければ、もう勝利は目前。

35kmを通過すれば、40kmまではキロ6で大丈夫。

ここも何とかペースダウンを抑えられれば、頑張ってペースを維持して!

40km地点を3時間43分前後で通過出来れば、よっぽどの事がない限りサブ4濃厚。

あとは全ての力を振り絞ってゴールに辿り着いてください!

イーブン型のペース配分

サブ4を目指すにあたって、最も一般的なレース展開である「イーブンペース」。

「イーブンペース」と言っても、前半わずかに速いペースで少しずつ貯金をしながら、終盤ゆるやかにペースダウンする事を想定したレースプランです。

イーブン型でメインとなるペースは5’30/kmです。

スタートから30km地点まで5’30/kmをキープして巡航する事が必要になります。

参考ラップは以下のようになります。

※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています

ラップペース通過タイム
ロス02'0002'00
5km27'305'30/km29'30
10km27'305'30/km57'00
15km27'305'30/km1'24'30
20km27'305'30/km1'52'00
ハーフ1'58'00
25km27'305'30/km2'19'30
30km27'305'30/km2'47'00
35km28'205'40/km3'15'20
40km29'105'50/km3'44'30
ゴール13'106'00/km3'57'40

30kmまでは淡々と、静かに5’30/kmをキープして到達してください。

イーブン型はこれが出来ないとサブ4狙えません。

30km以降は、わずかずつペースを落としても大丈夫ですが、可能な限りペースを維持する気持ちで頑張ります。

なお、ペースアップは不要です。ゴールまで身体が持たなくなる可能性があります。

「まだ身体は大丈夫だ!」

と思って早すぎる段階でペースアップすると、急にガクッと身体が動かなくなったりします。

そうすると一気にペースダウンの幅が大きくなり、折角ここまで大事に運んできた、サブ4達成間近のレースを壊してしまいます。

当ブログで紹介している、サブ4を達成した私のラン友(女性)も、イーブンを狙ったプチ前半型と言っても良い、以下のペース配分で攻略しました。

詳しくはこちらの記事で。

サブ4達成直前3ヶ月間の練習内容 今回は私のラン友さんに協力して頂き、3ヶ月間ロング走と閾値走で一生懸命練習を積み、見事2016年11月の...

後半型のペース配分

後半型とは「ネガティブスプリット」を刻むという事。

ネガティブスプリットとは、前半の21.098kmより後半の21.098kmを速く走るということです。

世界のトップ選手達の間では主流になっているネガティブスプリットですが、市民ランナーがネガティブスプリットを狙うのは、なかなか難易度が高い。

あるレースではフルマラソン完走者のうち、ネガティブスプリットでゴール出来たのは全体の10%以下だったとのこと。

まず、7654人全員を対象にしたときの結果です。

ネガティブスプリット 691名(9%)
ポジティブスプリット 6963名(91%)
※カッコ内は比率

参照:The Brave Penguin Lab.

やはりフルマラソンの終盤、誰もが苦しい場面でペースを維持・アップさせる事がいかに難しいかという事です。

私も何度か挑戦した事がありますが、どちらかと言えば失敗の方が多く^^;

抑えて走っても、終盤はやっぱり疲れてペースを上げられない…なんていう事が往々にしてありますので、失敗レースにも繋がりやすいかもしれません。

でも、成功した時は終盤他のランナーをごぼう抜きする爽快感、ゴールしてからの達成感は素晴らしいものがあります。

2015年5月の洞爺湖マラソン、ネガティブスプリットで初めて3時間15分切りを達成しました。 フルマラソン3時間15分切りを目...

そんなネガティブスプリットに挑戦するための、参考ラップは以下のようになります。

※最初の5kmはスタートロス2分をプラスしています

ラップペース通過タイム
ロス02'0002'00
5km28'455'45/km30'45
10km28'455'45/km59'30
15km27'555'35/km1'27'25
20km27'555'35/km1'55'20
ハーフ2'01'30
25km27'555'35/km2'23'15
30km27'555'35/km2'51'10
35km27'305'30/km3'18'40
40km28'205'40/km3'47'00
ゴール12'505'50/km3'59'50

10kmまではサブ4達成のための基準となるペース5’41/kmよりも遅い5’45/km。

10kmを通過したところから5’35/kmに上げて30kmまで淡々と進む。

30kmに到達したところで気合いを入れてペースアップ!5’30/kmでレース最速区間!

35km~40kmは少し落ちてもOKの5’40/km。

40kmまで到達出来てもサブ4はギリギリ。なるべくペースを落とさないようにゴールまで。

終盤にあまりペースを落とせないプラン、考えただけでキツそうです(笑)

まとめ

前半型、イーブン型、後半型、3つの代表的なレースプラン・ラップについて考えてみました。

スピードタイプのランナーほど、前半型・イーブン型が馴染みやすく、スタミナタイプのランナーほど後半型がやりやすいと思います。

自分がスピードタイプなのかスタミナタイプなのかを判断したり、サブ4を達成するための練習内容についてはこちらの記事に書いていますので、良かったらどうぞ。

サブ4とは、フルマラソン(42.195km)を4時間未満、つまり3時間台で走り切る事を言います。 ジョギングから始めたランニングラ...

本番でどのようなレースプランを選択するかによって、日々の練習も戦略に合わせたものにすると効果的だと思います。

ロング走を実施する時も、前半型なら30km走を20kmまでは速いペースで、残り10kmは少しペースダウンして余裕を残して終わる。

イーブン狙いなら、最初から同じペースで30kmまで走る。

後半型なら最初の10kmはゆっくり入り、徐々に上げていく「ビルドアップ」をしてみる。

そんな感じで練習も工夫しながら、サブ4達成に向けて頑張ってください!

サブ4挑戦に失敗した、問題のある練習を継続したランナー。 それは私でございます(笑) 過去の黒歴史、あるいは恥部を晒すよ...

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ありがたい事に大…

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