若い頃、カツアゲされた経験はないだろうか。オレは何度もある(笑)
生まれ育ったのは東京都目黒区碑文谷(ひもんや)。今では高級住宅街として有名な場所だけど、昭和の頃はボロ屋だって結構あったし、暗い道もあり、ちょっとアレな人も多かった。そんな目黒・世田谷界隈で、学生の頃はよく絡まれてたんだ。
特に夜中1人で出歩くのは危険な行為だった。
ある夜、用事があって自転車を漕いで家路を急いでいたんだ。
曲がり角を曲がった瞬間、5~6人のチンピラがたむろっていてつかまった。
「てめぇちっと待てや。おぅ、相沢先輩(仮名w)呼んできて、みんなでオモチャにすんか」
それはそれは恐ろしい場面でした^^;
日中でも危険な道に入ると、マズイ状況に陥る。
仲間3人歩いている時、道を間違えてしまい、入ってはいけない道に入ってしまったようだ。見るからにヤバそうなお方1人につかまり
「有り金全部出せや」
「帰りの電車賃が無くなってしまいます…小銭だけは何卒…」
っていう、マンガみたいなやり取りがリアルであったw
ゲーセンで身ぐるみ剥がされたのも良い思い出だ(良くは無いかw)
でも、社会人になると全くそういう事は無くなった。
もう二度とないとさえ思ってた。でも違ったんだ。
ある晴れた週末土曜日の早朝のことだ。気持ち良く朝の空気を感じながら、札幌の自宅の近くをジョギングしていたんだ。
まだ早朝。自宅の近くは大通りだから車の往来はそれなりにあるけど、人の往来は少ない。
そんな朝、向こうから3人組の若者が歩道に広がって歩いてこちらに来る。声がでけー。
「おぃおぃ、これはヤバい感じだな」
何度もカツアゲされて身についた嗅覚が敏感にそれと感じ取った(笑)
とはいえ、こちらはただのジョギングオッサン。昭和の時代は終わったし、さすがにランシャツ・ランパンでカネ持ってる風じゃないし、大丈夫だろーと、歩道に広がって歩いている3人を避けるように、隅っこの方を下を向きながら走って通り抜けようとする。
彼らと一番近づいた、その時だ。
「オラーーーー!!!」
急に若者の1人が声を荒げて威嚇してきた。
オレはびっくりして、30cmくらい「ピョンッ」って飛び上がったと思う(笑)
「ギャハハハーーーー!!」
3人は大笑いしている。
「うわー。久々キタ。この感覚」
若い頃にチンピラに絡まれた記憶が走馬灯のように蘇ってきた。
こういう時、自分のような弱者はおとなしくその場を立ち去るのが一番なんだ。
幸いオレは今、ランナーになっている。ジョギング中でもある。走って逃げてもジョギングしているようにしか見えないじゃないか。
一瞬はそう思ったんだ。
でも学生時代に絡まれてから30年近く経っているからか。何がオレを変えてしまったのだろう。何度もカツアゲされて身についた自己防衛の術は薄れてしまっていた。
少しジョギングしてチンピラ達と距離が出来た時、振り返って
「うるせーんだよ、馬鹿野郎!死ねやボケがーーーーー!!」
最もやってはいけないマズい対応だ。愚の骨頂と言っても良い。
でも叫んだら気持ちよかったんだ(笑)
と思ったのも束の間。
「何だとゴルァーーーーー!」
当然だ。
威嚇して大声を出してきたヤツが恐ろしい勢いで追いかけてきた。
オレは再び振り返って前を向き、全速力で逃げた。
こういう時は
「ヤツはチンピラ。体力的に長い時間追ってはこれないはず。キロ4で追いつかれない程度に抑えながら逃げよう」
とかには、ならないねw
とにかく持てる力、全力全開になる(笑)
とにかく夢中で走る。怖くて後ろなんか振り返れねーーw
200m~300mほどで限界を迎えるほどのダッシュをし、乳酸地獄に陥ったところで振り返る。
後ろを見ると、随分離れた場所でチンピラは追うのを諦め、膝に手をついてゼーハーしてた。
オレは冷静にキロ5に戻して逃げてった。
対応を間違うとガチでヤベェ。
何度もカツアゲされて身についた嗅覚は再び蘇り、それからは何をされても
「ひたすら耐え忍ぶ」
を貫いている。
でも二度とあの時間帯、あの場所は通れねーな。
再会したらボロ雑巾のようにされちまうぜ。
「おい!!相沢パイセン呼ばれて、それからどうなった!!」笑