ランニングで受けたダメージからの早期回復 走ってるとき以外の過ごし方

ランニングで受けたダメージからの早期回復 走ってるとき以外の過ごし方

私たち市民ランナーがマラソンのタイムアップを目指そうとすると、どうしても

・月間走行距離はどれくらい走ったほうが良いのか

・スピード練習のメニューは何が良いのか

・ロング走のペースや頻度は、どれくらいが良いのか

などなど、そういう事に興味がいきますし、そういう”走ること”に興味を持って勉強して実際に自分の練習に落とし込んで実施する事で、大きな走力アップが期待出来るのは確かです。

しかしながらフルマラソンのタイム短縮を目指す練習であれば、1日のうちに走る時間は、ジョグやスピード練習なら1時間前後、ロング走だって長くて2~3時間でしょう。

あとの時間は”休憩時間”です。

練習時間より圧倒的に長い、休憩時間。

その”お休みタイム”に何をするかによって、ある意味練習で何をするかよりも大きな違いが生まれてくる事は容易に想像出来ます。

体幹トレーニングや筋トレをして、走る時以外にも鍛えていく意識の高い方もいらっしゃると思いますが、今回は“回復”についてです。

回復をおろそかにすると、蓄積していく疲労によって練習の質が低下しますし、いずれ怪我にもつながっていくでしょう。

怪我や疲労で練習が積み上げられないと走力が伸びなくなって面白くなくなり、やがてランニング自体をやめる事にもつながります。

「なんであのランナーは週に3回も4回も強めの練習をしてるのに、元気いっぱいなんだ」

そう思うことはないでしょうか。

元々の身体の強さ・ランナーとしての土台の強固さもあるのですが、その上で、いかに早く身体を回復させて次々とポイント練習を積んでいけるかに配慮している人も多いんです。

今回はその辺りについて勉強していきましょう(^^)

【解説動画】基礎編 回復の早さは走力の高さに直結!素早い回復をするために

記事の内容は以下の動画でも解説しています!

走ったあとの回復【基本編】

1.クールダウン

ハードなランニングのあとに行うクーリングダウンの目的は、身体が運動前の状態に戻るように促すことである。これは高強度のトレーニングやレースから回復するために欠かせない最初のステップである。クーリングダウンをしっかり行えば、血流が増えて回復が促進される。血流が増えると、乳酸と老廃物がよりスピーディーに筋肉や血液から除去される。

アドバンスト・マラソントレーニング 第3版

ジョグをした後などは必要ないですが、スピード練習などの負荷の高い練習を実施した後は”ダウンジョグ”のようなクールダウンが有効であると言われています。

近年はネットでも様々な意見があり

「クールダウンは必要ない。距離稼ぎにしかならない」

とか

「どうせ乳酸は時間が経過すれば除去されて戻るから意味無し」

など、クールダウン不必要論があるのも確かです。

しかし様々な書籍での記述や、世界や日本の一流選手を始め多くのランナーがクールダウンを実施しているのを見る限り”全く意味無し”という事はないと考えています。

クールダウンの生理学的な効果については、まだ不明瞭な部分も多いのです。

人間の身体に関する事は、まだ分からないことがたくさん。

自分で実際に実施してみた感覚で「いる」「いらない」の判断をするのも、大事な選択肢の中の1つかもしれません。

実施方法

クーリングダウンではまず、イージーランニングを10~15分間行う(疲れて走れない場合は同じ時間だけ歩くか、軽いクロストレーニングを行う)。クーリングダウンのランニングを最高心拍数の60~75%程度の強度(要するに、心地よく楽な強度)で始め、最後の5分間をジョグかウォークにすると、乳酸、アドレナリンなどが最大限除去される。

アドバンスト・マラソントレーニング 第3版

最高心拍数の60~75%程度というのはEペース程度ですが、歩いたり軽いクロストレーニングでも良いという記載です。

他の書籍でも、おおむね同じような記載になっています。

トレーニングセッションの直後に、低強度のクールダウンの時間はしっかりととるべきである。クールダウンの目的は、運動によって骨格筋に溜まった血液を中心循環に戻すことである。ウォームアップと同じように、クールダウンの長さはトレーニングの性質や環境によるが、約10~20分間である。

パワーズ運動生理学 体力と競技力向上のための理論と応用

つまり、一般的に私たち市民ランナーも実施されている、クールダウンの方法

ジョグ2~3km、ないしはウォーク10~15分程度

で充分OKなのが分かりますね♪

2.アイシング

冷水浴をハードな練習の直後に行うと、DOMS(※)や疲労感の軽減につながる。冷水浴の効果を得るには、筋肉の温度が下がるまで十分な時間浸かっている必要がある。最も効果的な水温は約11~15℃である。~中略~入ったときには非常に冷たく感じるが、5~15分間浸かるようにしたい。

アドバンスト・マラソントレーニング 第3版

※DOMS=Delayed onset muscle soreness、遅発性筋肉痛のこと

激しい運動は筋肉の損傷と筋温の上昇をもたらします。

その後は超回復が引き起こされ運動前よりも強化される事になるのですが、運動後に冷風呂に入ると血管が収縮して損傷した部位に溜まった老廃物が流されます。

風呂から上がって再び筋温が上がると新鮮な血液が流れ、治療を促進するのです。

浸かっている時間が短いと筋肉の温度が下がりきらないので、出来れば10分ほどは浸かっていたいところです。

私は自宅の浴槽に水を貯めておき、ポイント練習をした後は10分ほど浸かっています♪

11℃~15℃ほどの水に10分前後浸かる

3.マッサージ・ストレッチ

すでに実証されているマッサージ療法の効果としては、マッサージした部位への血流量の増加、筋弛緩の促進、筋肉と周囲の結合組織の可動性と柔軟性の向上、全身のリラクゼーション、瘢痕組織(訳者注:損傷を受けた組織が治癒する仮定で見られる硬い組織)の分解、ケガにつながる可能性のある硬化した部位の特定が挙げられる。

アドバンスト・マラソントレーニング 第3版

一流選手のように専属トレーナーがいて日々マッサージを受けられる環境が整っていれば最高ですが、そんな市民ランナーはいません(いたらごめんなさい笑)。

なので基本的には自分で”セルフマッサージ”を実施したり、静的ストレッチをする事になるかなと思います。

ちなみに運動前に静的ストレッチは厳禁です。

運動前は必ず動的ストレッチで。

そして運動終了後は静的ストレッチで身体を整えます。

運動後のマッサージも静脈血やリンパ液の環流の促進、筋中に蓄積した疲労物質や老廃物を除去することで疲労を回復させるだけでなく、疲労した筋や関節の過緊張やけいれん、張り、痛みなどを改善する効果がある。

新・スポーツ生理学

静的ストレッチは以下の動画が分かりやすく、ランナーに人気です。

“やれば無条件で疲労全回復!次の日に間違いなく快走できる!”というわけでもないのですが(そこはYouTubeで人を惹きつけなければいけないサムネという事で笑)、是非参考にして、疲労回復に役立ててください(^^)

強度の高い運動後は、出来るだけ静的ストレットを実施

4.食事(適切な補給)

運動後にクールダウンして、アイシングして、マッサージやストレッチをしても、適切な補給をしなければ、全ては水の泡になりかねません。

それほど自分の身体の中に何をどれだけ入れるか、なぜそれを食べるのか、そういう事を意識するのは“回復”を考える際にも非常に大事です。

あなたの身体は、あなたが食べるものから出来ているのです。

「ただの市民ランナーだし、そこまで色々と気を使うのは面倒だよ」

と思う気持ちは本当に良く分かりますし、私もそうです^^;

なので、一流ランナーのような非常に細かく気を使った栄養補給というよりは

走って失った栄養素を加工食品ではなく、自然な食品から安全・確実に摂取して回復を早める

という事を意識すれば充分だと思います♪

ランナーにとって基本的に必要な栄養素/1日としては

1.炭水化物(摂取エネルギーの55%~60%を炭水化物から)

2.たんぱく質(体重1kgあたり1g~2g)

3.脂質(総エネルギーの20%~25%)

4.ミネラル(特にカルシウム1800~2000mgと鉄20~25mg)

5.ビタミン(B1,B2,Cを意識的に摂取)

という量になるのですが、考えながら摂取し続けるのはなかなか難しい^^;

大原則は、加工食品ではなく、自炊した以下のような食事をしっかり摂ればOKです♪

ランナーにとっての補給の重要性は、以下の記事・動画でも詳しく解説しています♪

スピード練習やロング走などの強い練習を終えたあと、どんなものを食べたり飲んだりしていますか? 「いやぁ、まずはビールでしょ!」 ...

大原則は、バランスの取れた食事から適切な補給を!

走ったあとの回復【発展編】

ここからは個人によって必要量や数値が異なるもの、しかし回復には非常に重要な要因になり得るものを解説していきます。

1.睡眠

トレーニングから回復し、プラスに適応するには、夜間に質のよい眠りを確保することが重要だ。 ~中略~ マラソンに向けてトレーニングしている期間は、十分な睡眠を確保すべきである。そうしないとパフォーマンスは落ち、免疫系の機能も抑制され、ケガをしやすくなる。

アドバンスト・マラソントレーニング 第3版

ロングスリーパー、ショートスリーパと呼ばれるように、人によって必要とする睡眠時間は異なります。

これはランニングで受けたダメージの修復にかかる睡眠時間が異なるのも同じ。

自分がどれくらいの睡眠時間を確保すれば、次の日や次のポイント練習までに良い状態になるのか。

そして「すごく良く寝られた!」「質の良い睡眠が取れた!」と感じる事が出来た時はどのような状況だったのか。

マラソン練習におけるトレーニング記録や日記が走力アップのために非常に重要であるのと同じく、自分にとって何時間寝て、どのように入眠したら質の良い眠りが出来るのかを「記録」ないしは「分析」する事は、回復における【発展編】であり【上級者編】です。

交感神経・副交感神経の切り替えを勉強し、就寝予定時間の90分前に入浴して良い入眠に備える。

夜遅い時間帯に練習しない(交感神経優位になりやすい)。

寝る前に、いつまでもテレビやスマホを見ていない。

そんな一般的な事項を出来るだけ守りつつ、自分に合った睡眠の質を上げる工夫を研究する事で回復が早まり、結果的に良い練習が次々に積めて強くなれるのです♪

起床時心拍数の記録

体調がいいと安静時心拍数は低くなります。逆に、朝の心拍数が高いのはトレーニング過多か、病気の初期段階の症状の可能性があります。多少の増えかたならば、1,2日は練習を軽めにしましょう。けれどもかなり増えていたら(5拍以上)、正常に戻るまで数日休みましょう。私は安静時心拍数に注意することで、何度も本格的な風邪やウイルス感染を防いできました。

HOW TO RUN ポーラ・ラドクリフのランニング・バイブル

日々何km走ったか、練習内容はどうだったか、そしてその時の気持ちやその日の疲労度などを練習日誌に記載しているランナーは多いと思うのですが、もう1つ

「起床時心拍数の記録」

をオススメしたいです。

「え~、そんなの面倒くさい」

と思われるかもしれませんが、この項目は【発展編】です。

レベルが上ってくると特に、マラソンにおいて自分の身体的特性を知っておくというのは、大変重要なのです。

疲れている日や病気の兆候がある時は朝から心拍数が高い。

そんな日は食べるものを少し変えたり、練習量を落としたり、休んだり。

完全に回復する前に負荷を高めてしまう事がなくなり、適切な調整が出来ます。

疲れていないと思っても意外と心拍数が多い日もあったりするので、感覚だけではない、客観的なデータも利用すると精度が高まります。

まとめ

ランナーとして強くなるために、次々とポイント練習を実施して速くなっていくために、ランナーとしての土台を強固なものとし、身体を強くしていくのも当然大事。

土台を強固なものとするには、日々のジョグを充実させていく。

"ジョグに始まってジョグに終わる"というくらい、レベルの高いランナーほどジョグを大事にしています。 走る練習の中で大きなウェイトを占め...

そして同時に

トレーニングで壊された筋肉をいかに早く回復させるか

という“ケア”による回復を促すのも、同じくらい重要。

フルマラソンを完走された皆さま、お疲れさまでした! 目標達成した方、残念ながら終盤失速してしまった方、途中でリタイアしてしまった方、結...

1回のポイント練習でオールアウトしない、全力を出しきらないという事も、忘れてはいけない大事なポイント。

単純に言えば、週に1回10点のポイント練習を積むより、週に3回・1回で4点獲得出来るような(週に12点)のポイント練習を積み続けた方が、長期的には大きな差がつきます。

今回は読者の方からご質問を頂いたので、その質問にお答えする形の記事です。 閾値走をやっていて 「あ、キツい。でもこのまま...

「あまり回復は意識してこなかった」

というあなた!

そこは伸びシロがバッチリということです(^^)

これから回復に意識を向ければ、大きく飛躍出来るチャンス!

是非取り組んでみてください♪

+8

フルマラソンのための、個別練習メニュー作成について

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