ウインドスプリント(流し)とは何か。その効果、やり方について

ウインドスプリント(WS:Wind Sprint、流し)とは、50m~100mの距離を全力の80%前後程度で気持ち良くスピードを出して走る練習です。

主に

★日常的なジョギングなどの練習の最後
★スピードを上げて練習する”ポイント練習”に入る前の準備

として実施します。

フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な練習は無...

Wind=風ですので、風のように短い距離を疾走するイメージですね♪

「42.195kmという非常に長い距離を走るスポーツに、50m~100mの距離を速く走る練習って意味あるのかよ」

と思うかもしれませんが、これが非常に重要な意味を持つのです。

今回はウインドスプリントのやり方や、その効果について解説していきます♪

ウインドスプリントの実施方法

ウインドスプリント(WS)は、軽く素早い動きで20秒間のランニングを繰り返す練習である(ダッシュではない)。このランニングの合間には毎回60秒間の休息を入れる

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 

ダニエルズのランニング・フォーミュラの中でウインドスプリント(以下WS)は、他のポイント練習(E・M・T・I・R)のように章や節などが設けられることなく、WSの実施方法や目的などの文言はごく僅か^^;

上記の文言は現行第3版のダニエルズのランニング・フォーミュラの108ページに記載されていますが、初心者向けの”ホワイト・スタート・プログラム”の解説での言葉。

中級者以上のランナーはあまり見ないページなので、なかなか見つけられない(笑)

実施方法としては、

20秒ほど(ダッシュではない)軽く素早い動きで何本か繰り返す

という事になります。

急発進・急停車は怪我の元ですので、力んで最初から猛烈ダッシュしないでください(笑)

走り始めから徐々にスピードアップをしていって疾走区間を疾走、徐々にスピードを落として止まってレストへ、そんなイメージです♪

休憩はたっぷり60秒。

止まってもジョグでも良いですが、レペティションと同様、しっかり回復してから次の疾走をしてください。

レペティショントレーニング(Rペース走・レペ)とは、I(インターバル)ペースよりも速いペースで、200m~400mを疾走し、...

疾走距離100mを20秒で走ると3分20秒/kmほどのスピードになり、80mだと4分10秒/kmほど。

それぞれのランナーのスピードに応じて20秒間×数本を実施するという事になりますが

「20秒やらないと意味は無い!」

という事でもないので、多少疾走時間が短くてもOKです(^^)

ウインドスプリントの効果

テンポ走の練習では、まず初めに十分なウォーミングアップを行う。10分間以上イージーランニングを行い、軽いウインドスプリントを数本行う。練習後のクーリングダウンでは、4~5本のウインドスプリント(1,500mレースペースで20~40秒間×4~5本)を行う。こうすれば、練習の10分後が実に気持ちよく感じられるだろう。

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 

上の文言だけ見ると

「おいおい、練習の10分後が実に気持ちよくなるためだけかいっ!」

と突っ込まずにはいられないかもしれません(笑)

でも大丈夫です。大きな効果がありますから。

このウインドスプリント、

★基本的にはレペティションのペース

であり、

★効果もレペティションに準じる

事になります。

効果を正確に測定するなら、WSはレペティション(主に400m)よりも短距離・短時間の疾走のため、能力アップの幅は少なめかもしれません。

ただ、日々の練習で毎回ガンガンに400mレペを実施するわけにもいきません。

以前

「WSよりも、日々のジョグの最後に1000mを全力で走る方が良いのでは?」

なんていうご質問をしてくださった方がいらっしゃいました。

日々のジョグの最後に、いつも400mレペ10本や1000m全力走を実施しても

「絶対壊れない」

という確固たる自信があれば、もちろん効果が上がるでしょう。

でも普通に考えて、いつ故障するか分からない練習を”賭け”のように毎日実施するのは難しい。

なので、安全に日々の通常練習を実施していくため

レペティションの簡易版としてのウインドスプリント(WS)

です。

常にランニングエコノミーをわずかずつ高める、自分にとって最適な、速く走るために必要なランニングフォームを自然に会得するための方法としてのWSなんです。

「楽に速く走れるフォームを身に付けたいのですが…」 「故障しがちなので、フォームを見直して故障知らずのアイアンボディになりたい...

スピードは速いですが短距離ですし、ジョグの途中や最後に実施するので身体は充分温まっていて故障のリスクは低め。(それでも着地衝撃は大きいので、土や芝の上での疾走がおすすめですが^^;)

なお土や芝の上でWSを実施すると故障リスク低減と共に、フルマラソン終盤でペースダウンを引き起こしやすい”蹴るような走り”が改善されて、蹴らずにハムの後ろやお尻の筋力で進むフォームに改善されていくという期待も出来ます。

土や芝の上で強く蹴るような走りをしようとすると、ズルッと滑って進みませんからね^^;

【ウインドスプリントの主な効果】

★ランニングエコノミーの向上(効果大)

★速く走るための、自分にとって自然で最適なフォーム構築(効果大)

★脚筋力(速筋)向上(効果中)

★心肺能力向上(効果小)

まとめ

ランニングエコノミーの向上、そして速く走るための、自分にとって最も効率の良いランニングフォームの獲得。

これは

フルマラソンを速く走り切るために、非常に重要

なんです。

フルマラソンと言えば短距離のスピードというより、とにかく終盤にペースダウンしないために30km走や3時間走など、長い距離や時間の練習が効果が高いと考えますし、実際に重要ではあります。

しかしマラソンは総合力の勝負であり、様々な方面からのアプローチが成長を加速させます。

ポーラ・ラドクリフさんの成長の理由

かつて女子マラソンの世界記録保持者であり、2003年に記録した2時間15分25秒をが現在でも世界歴代2位にランクされているポーラ・ラドクリフさん。

彼女は10代の頃(1992年)から世界記録達成時(2003年)まで、Vo2max(最大酸素摂取量)に関しては大きく伸びていませんでした。

出典:筑波大学陸上競技部【科学エッセー47 ラドクリフの生理機能追跡調査】より

しかしながら、ランニングエコノミーについては年々伸びていってました。

下記のグラフは1km走るために体重1kgあたり、どれ位の酸素を使うかの”ランニングエコノミー”の指標。

年々1km走るための酸素消費量が減っていってるのが分かり、驚くべき世界記録を達成した2003年に最もランニングエコノミーが高まっている事が分かります。

出典:筑波大学陸上競技部【科学エッセー47 ラドクリフの生理機能追跡調査】より

ラドクリフさんが世界記録を出した2003年のロンドンマラソンでは、前半ハーフが68分02秒、後半ハーフが67分23秒のネガティブスプリットでした。

ランニングエコノミーを向上させる事は、速いスピードでも少ないエネルギー消費で巡航する事が可能となり、レース終盤になってもペースダウンしにくいランナーになるという事です。

しかしこれは数週間、数ヶ月で大幅アップを狙えるものではありません。

日々コツコツと、わずかずつ漸増させていくしかない。

是非ウインドスプリント(WS)を日々の練習に取り入れ、少しでもランニングエコノミーを高めていく意識を忘れずに継続していきましょう♪



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