ランナーと貧血 スランプの原因は”鉄欠乏性貧血”かも

※私は医師でも医療従事者でもありません。自分が経験した事や勉強した事を、少しでも市民ランナーの皆さまのお役に立てるように記事にしています。実際の原因特定・治療などに関しては、専門医の指導の元で行ってください。

【動画解説】

記事の内容は、以下の動画でも解説しています!

ランナーと貧血

1.スランプに陥る原因

走り始めた最初の頃は何をやっても記録が伸びますし、たまに脚が痛くなったりするものの、元気に楽しくランニングに取り組める時期だと思います。

しかし、長くランナーをしていると自分の思っているように走れなくなってしまったり、記録が停滞することがあります。

“スランプ”と言っても良いかもしれませんね。

記録が停滞してしまって

「もう自分の力はこんなものなんだろう」

「能力的に天井だ」

そんな風に感じてしまうのは、主に”勉強不足”。

新しい方向性やトレーニング方法、自分に不足している部分を補う何かを見つけられない時です。

記録が伸びなくなったタイミングでランニングが面白くなくなって、やめてしまう人も結構います。

これは意図的に練習で自分の不足している能力を伸ばしてきてこなかった、何となく練習してきたランナーが意外と早くぶつかってしまう壁だったりします。

しかし記録の停滞ではなく、記録はずっと更新中、乗りに乗って本番に向かう最中の練習で

(あれ…いつものペースが苦しくて全然走れない…)

(ロング走の予定なのに、10kmで止まって走れなくなった…)

(これはスランプに陥ってしまったのか)

これは非常に深刻です。

今まで走れていたペースや距離が、全く走れなくなる。

気のせいではなく、確実に息が上がるし走れない。

そんな時は

「根性が足りないんじゃ!!」

「気合でいけ!!」

という事を言いたいわけではありませんので、ご安心ください(笑)

今回は、そんな時に疑うべき原因についてお話していこうと思います。

2.ランナーが陥りがちな”鉄欠乏性貧血”とは

貧血とは血液中の”ヘモグロビン“が減少して起こります。

ヘモグロビンの役割は、体内での酸素の運搬です。

これが少なくなるといくら酸素を取り込んでも体内に行き渡らないので、走るとあっという間に苦しくなる。

ランナーの貧血の多くは、体内の鉄が少なくなってしまう状態の”鉄欠乏性貧血”です。

私たち市民ランナーは日々走ってるので、よく汗をかいて鉄が流れ出ていってしまいますし、ランニング後は尿で排泄する鉄量も増加するので、失う鉄が多くなります。

また、着地の衝撃で足の裏で赤血球が壊れてしまう場合もあります。

女性ランナーであれば生理での出血もありますし、より一層”鉄欠乏性貧血”になりやすいと言えますね。

ランナーであれば誰でも貧血になりやすいのですが、その事を知らないでいると

(なんでこんなに苦しんだろう…)

と、原因が特定出来ずに苦しみます。

「あれ?おかしいな?」

と思ったら、まず貧血を疑って原因特定のために動くのは良いことかもしれません。

3.異変を感じた時は、まず採血

異変を感じた時に真っ先にやるべきことは、現状の確認です。

そのためには

採血

が必要です。

その時のコツは

ヘモグロビンだけではなく、フェリチンも調べてもらう

ヘモグロビンは前述の通り、体内で酸素を運搬するのに不可欠なもの。これが不足すると貧血になります。

フェリチンは…

「なにそれ?」

って思いますよね^^;

フェリチンは身体に貯蔵されてる鉄です。

ヘモグロビンが少なくなると、貯蔵されているフェリチンの鉄が使われて、ヘモグロビンが作られるのです。

出典:ファンケル

一般的な採血だと、ヘモグロビンしか検査されない事があります。

なので行こうとしている病院に、フェリチンも調べてもらえるかどうかの確認は必須です。

ヘモグロビンの値は正常値でも、フェリチン(貯蔵鉄)が非常に少ない枯渇状態という場合は、ランナーにとって頻繁にあります。

そういう場合、フェリチン(貯蔵鉄)を調べてもらえてないと、対処が必要であっても対処してもらえない可能性があるんですね。

謎の医師「うん、ヘモグロビンは正常値だから大丈夫だね」

で終わる^^;(いや、ほんとに)

私は定期的に採血を行っていますが、ヘモグロビン(血色素量とも表示されます)が正常値であっても、フェリチンが正常値の下限に近い時は鉄剤(飲み薬)を処方してもらってます。

走れなくなってしまった状態になっても、鉄剤の処方を頂いて2~3週間経過すると、驚くほど以前のように走れたりします(^^)

なお、ひどい貧血の場合は鉄剤注射という方法もありますが、食事でダメ・内服の鉄剤で副作用がある・それでは追いつかない、などの理由がある場合の”最終手段”という位置付けです。

気軽に選択するのは”鉄中毒”の可能性もありますので、留意してお気をつけください。

突然症状が出た場合は検査の上で医師からの鉄剤の処方による治療でOKですが、貧血治療の基本はあくまでも

朝昼晩の食事

です。

まずは日々の食事改善。これが最も大事な部分ですので、次の章で少し解説していきます。

4.貧血予防に気をつける食事のポイント

①タンパク質の摂取

貧血予防=鉄の摂取

と考えがちですが、ヘモグロビンを作る要素として鉄の他に大事なものがあるんです。

それは、おなじみの

タンパク質

です。

タンパク質が足りないと、いくら体内に鉄があってもヘモグロビンを作ることが出来ないんです

これは私が知った時、衝撃的でした。

鉄だけ意識してれば良いのかと思ってた^^;

なので、ランナーとしては体重が気になって糖質制限や炭水化物を少なめにする時もあるかもしれませんが、貧血予防の再優先事項として

充分なエネルギー摂取

を心に留めておいてください。

ごはん・パン・麺類などの炭水化物をしっかり食べるという事です。

ランナーは

体重1㎏当たり1日5~10gの糖質の量

が推奨されています。

幅があるのは、その日の練習内容・強度で必要な量が異なるからです。

仮に60kgのランナーが10km程度のジョグをしたのであれば

60kg×6g=360g

ご飯は1杯(150g中)で糖質は約55g、おかずなどその他にも摂取する食材を朝・昼・晩の合計で、少なすぎることのないようにしましょう。

糖質は「悪」みたいなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、適切な糖質摂取は生きるために、走るために必要不可欠ですからね^^;

ただし、ある程度バランスを取れた食事をしていれば、1000kcalの食事でおよそ6mg前後の鉄は摂取出来ます。

月間走行距離500km以上とか、ポイント練習を週に2~3回ガンガンやる、というような超ガチランナーでない限りは、通常の食事をしっかりすることで必要な鉄はある程度確保出来ますよ♪

②鉄分摂取

そして貧血予防としてはもちろん、鉄分の摂取にも気を配るのは大事ですよね。

血液検査の結果がイマイチだった、貧血の症状が頻発する、ロング走やポイント練習をガンガンやる、あるいは女性ランナーは、通常の食事に加えて鉄分の摂取も積極的に検討した方が良いですね。

ここで注意点が1つ。

食品に含まれる鉄には、吸収率の異なる2種類が存在します。

ヘム鉄と非ヘム鉄があります。

大丈夫、難しくないです^^;

ヘム鉄:主に動物性の食品に含まれ、比較的吸収されやすい

非ヘム鉄:主に植物性の食品に含まれ、吸収されにくい

上記に”ひじき”が入っていますが、2016年に日本食品標準成分表が改訂されて、ひじきに含まれる鉄はこれまでの1/9の量に改められたため、貧血に推奨出来る食品では無くなりました^^; カルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分は変わらず豊富に含まれているので、栄養の良い食品である事に変わりはないですが。

ヘム鉄は胃腸障害を発生させにくく、過剰摂取も起こりにくく、吸収率も良いので、貧血対策にはうってつけです。

鉄分を摂取する時の2つのコツ
順位食品名成分量100gあたりmg
1アセロラ(酸味種)1700
2青汁/ケール1100
3アセロラ(甘味種)800
4グァバ220
5赤ピーマン170
6黄ピーマン150
7キウイフルーツ140
8ブロッコリー120
9アセロラ(10%果汁)120
10すだち110
11レモン100
12トウミョウ79
13にがうり(油いため)75
14青ピーマン76
15甘がき70
16キウイ69
17ドライマンゴー69
18いちご62
19ほうれんそう60
20カリフラワー53

ヘム鉄を摂取する時はもちろん、吸収率の悪い非ヘム鉄を摂取する時は特に

1.鉄の吸収率を高めるビタミンCも摂取する

事が大事です。(上記の表はビタミンCを多く含む食品表です)

2.食事中や食後30分以内にコーヒーや緑茶は厳禁

コーヒーや緑茶に入っている”タンニン”という成分は鉄とくっついて、吸収を阻害します。せっかく摂取した鉄分や栄養素が吸収されないで体外に排出されるのはもったいない。

なるべくコーヒーや緑茶・紅茶などタンニンが多く含まれる飲料は、食中・食後30分以内は避けましょう。

まとめ

何も貧血対策をしておらず突然不調に陥ってしまった、走れなくなった場合は、すぐに専門医を訪ねて採血→治療という事になります。

そうすることで貧血から回復して、あっという間に復活出来ますので覚えておくと良いと思います(^^)

まだ貧血になった事がない、あるいは貧血になった事はあるけど今は大丈夫という方は、日頃から食事に少しだけ注意を払って、しっかり栄養摂取をして、吸収を阻害するものを食中・食後すぐに摂取しないことです。

私はスピード練習やロング走を実施したあとは、しっかりと補給や給水をするのはもちろんですが、市販されている鉄剤(医師処方の鉄剤より鉄の含有量が少ない)を飲むようにしています。

コーヒーが大好きですが、鉄分などの栄養が吸収阻害されてしまうのを意識して、少なくとも食後30分間は飲まないようにしています。

そんな小さな事をするようになってから、もう何年も”走れない…”という状態になる貧血にはなっていません。

「面倒だから対策はせず、貧血になったら速攻で鉄剤処方か注射だな!」

と思うかもしれませんが、一度貧血になると少なくとも2~3週間は貧血から脱出できず、圧倒的にパフォーマンスが落ちる可能性が高いです。

その間にレースなどの本番があれば致命的。

是非日頃から少しだけ食べるものや栄養の吸収について気をつけて、貧血とは無縁のランニングライフを楽しんでくださいね( ´ ▽ ` )



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