サブ3.5に必要な月間走行距離ってあるのか

月間走行距離。サブ4、サブ3.5、サブ3、どの目標を目指すにあたっても

「月間どれ位の距離を走れば良いのか」

「その距離を何ヶ月(何年)続けたら達成出来るのか」

というお話はよく話題にのぼります。

サブ4は月間200km以上、サブ3.5は250km以上、サブ3は300km以上、なんていう事も、まことしやかに言われます。

サブ3.5を初めて達成した!という人の中には月間150kmで達成した人も月間350kmもの距離を走って達成した人もいるでしょうけど、大体平均的に250km前後というところになるので、サブ3.5=250kmという「平均的な指標」が語られるのだと思います。

サブ4でもサブ3.5でもサブ3でも、目標に到達するまでに走った「月間走行距離」は、人それぞれ異なるので少しやっかいであり、アドバイスも十人十色だったりします。

「サブ3.5は150kmも走れば余裕だよ」

「インターバルなどのスピード練習も重要じゃない」

とお話してくれる方がいらっしゃるし、違う人はまた自分の経験談で

「300km走れば確実だよ。スピード練習もしっかりやった方が良いよ」

と、親切心でアドバイスしてくれる方もいます。

どっちなんだと(笑)

自分はどうすれば良いのか。結局、月間何km走れば良いのでしょうか。

月間走行距離という数字に隠れている、練習の中身・質について

サブ3.5を目指そうというランナーは、すでにランナーとしての「土台」はある程度備えていると思います。

フルマラソンを何度か経験してるでしょうし、ロング走やスピード練習もある程度実施しているでしょう。

そんな「土台」を備えたランナーであれば、日々の練習、月々の練習もある程度積めており、すでに月間150km~200km程を走っている方も多いのではないでしょうか。

けど、その練習の中身は人それぞれだと思います。

例1:スピードタイプのランナー

「スピードの上限を上げ、サブ3.5を達成するために必要なペースの余裕度を高め、30km以降もペースダウンしないようにする」

そんな気持ちで平日のスピード練習、週末も短距離~中距離を速く走る、スピ練大好きなランナー。月間走行距離は200km~250km。例えば以下のような週間メニュー。

月 休養

火 ジョグ10km

水 インターバル5本+ジョグ5km

木 休養

金 ジョグ10km

土 15kmビルドアップ走(5’30/km~4’30/km)

日 ジョグ15km

週間60km、月間250km

上記のように、自分の好きな練習を自由にやるスタイルだと、どうしても「42.195kmを走るための練習」としては偏ってしまっていて、効果的ではありません。

「ハーフマラソンのための練習」に近いです。

同じ月間250kmなら

月 休養

火 休養

水 閾値走※5km+ジョグ5km

木 休養

金 休養

土 30kmペース走(5’00km)

日 2時間ジョグ(20km)

週間60km、月間250km

※閾値走についてはこちらの記事で

スピードタイプのランナーであれば、平日ランオフが多くても、週末に「苦手」「やりたくない」と思えるような、長い距離を走り込んだ方が「フルマラソンのための練習」になり、サブ3.5を達成するには効果的だと言えるでしょう。

下の練習表は、スピードタイプの私が初めてサブ3.5を達成する2ヶ月前に実施していた練習内容です。

赤枠はロング走、青枠はスピード練習、あとはジョグです。

平日はスピード練習をそこそこにして疲労をためないようにし、週末や時間の取れる平日に可能な限り30km走を実施しました。スタミナ不足の自分には、それがサブ3.5へ近道だと考えたからです。

サブ3.5達成する前、3ヶ月間の詳しい練習内容はこちらです。

初サブ3.5達成前の練習内容 2014年3月23日に開催された”能登和倉万葉の里マラソン”で初サブ3.5を達成しました。 ここでは2...



例2:スタミナタイプのランナー

「ゼィハァとスピードを出すのが苦手…」

そんな気持ちが強めな方も多い「スタミナタイプ」のランナー。

月間走行距離は230km~280km。例えば以下のような週間メニュー。

月 休養

火 ジョグ10km

水 100m坂ダッシュ5本+ジョグ5km

木 休養

金 ジョグ10km

土 30kmジョグ

日 10kmジョグ

週間65km、月間270km

サブ3.5に必要なマラソンペースより速いペースで走る頻度・距離が非常に少ない状態。このような練習も「マラソンを速いペースで巡航する」という練習が欠如しています。

サブ3.5を達成する為に必要な本番のペースを楽に感じる為にも、マラソンペースより速いペースで練習を重ねる事が大事です。

同じ月間270kmなら

月 休養

火 ジョグ10km

水 閾値走5km+ジョグ5km

木 休養

金 ジョグ10km

土 10kmペース走(4’40/km~4’45/km)

日 25kmジョグ

週間65km、月間270km

スタミナタイプのランナーであれば、水曜日に「苦手」「やりたくない」と思えるような、スピード練習、週末も速めのペースでの練習を1回入れるなどすると、サブ3.5を達成するには効果的だと言えるでしょう。

サブ3.5を初めて達成したランナーの練習例

サンプル1(スピードタイプ)

月間距離ポイント練習ジョグ備考
前々月214km135km79km
前月182km105km77km
レース当月165km61km62km+42km(本番)
総計561km301km218km54%:46%

月間平均187km、ポイント練習とジョグの平均比率は54%:46%

ポイント練習は30km走を月に2~4回と、平日に閾値走。


サンプル2(スピードタイプ)

月間距離ポイント練習ジョグ備考
前々月212.1km81.1km131km
前月192.6km114km78.6km
レース当月205.4km36km127.4km+42km(本番)
総計610.1km231.1km337km38%:62%

月間平均203km、ポイント練習とジョグの平均比率は38%:62%

ポイント練習は30km走を月に2回、平日にビルドアップ走。


サンプル3(スタミナタイプ)

月間距離ポイント練習ジョグ備考
前々月204km27km177km
前月259km124km135km
レース当月195km35km118km+42km(本番)
総計658km186km430km28%:72%

月間平均219km、ポイント練習とジョグの平均比率は28%:72%

最もマラソンペースより速く走る「ポイント練習」が少なかったタイプ。

しかし、スピード練習をやる時は「5kmタイムトライアル×2」など、スピード不足解消を目指して必死に追い込んでいた。


サンプル4(スタミナタイプ)

月間距離ポイント練習ジョグ備考
前々月204km82km122km
前月314km218km96km
レース当月202km85km75km+42km(本番)
総計720km385km293km53%:47%

月間平均240km、ポイント練習とジョグの平均比率は53%:47%

ウルトラマラソンに強いランナー。スピード不足解消の為、1000mインターバルや、10km~15kmをマラソンペースより10秒~15秒速いペースで走るポイント練習を何度も積んでいました。


サンプルは少ないですが、こうやってみるとサブ3.5達成するランナーは、それぞれに必要と考える「苦手な練習」を繰り返し、しっかり実施している事がわかります。

まとめ

サブ3.5達成に必要なこと。

1.すでにある程度マラソンを走る土台は備わっている。

2,自分に不足している部分を補う練習に積極的に取り組み、かつ月間200km~250km以上の距離を走る。

3,それを3ヶ月継続する。

マラソン練習で何より大事なのは「練習の継続性」です。

ポイント練習で追い込み過ぎず、睡眠と栄養をしっかり取り、無事にレース当日を迎えてください!

各ランナーのレベルに合わせた練習内容については、VDOTの記事で詳しいです。

【解説動画】練習の基本 VDOT 初心者にもわかりやすい ブログの内容は、以下の動画でも解説しています! VDOTとは VDO...

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