目次
時間走とは何か
時間走とは、距離ではなくて走った”時間”を目安に練習をすることです。
このブログをご覧になっている方にとってはおなじみの”閾値走”も、20分間という”時間”を目安に走る時間走という事になります。
しかし今回は閾値走などの短い時間の”時間走”ではなく、長い時間を走る”時間走”について掘り下げていこうと思います。
【解説動画】距離じゃなく時間で走る意味って?【時間走】だから35kmで失速してたのか!!
ブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
距離走と時間走の違いは何だろう
1.距離走と時間走、明確に効果が変わる時ってどんな時?
一般的にフルマラソンに挑戦するためのスタミナ練習といえば、30km走などの
距離走
をメインに考えている方が多いように思います。
閾値走など20分を目安に走るスピード練習なども含めて、距離で換算して考えて
閾値走=4kmや5km
インバータル=1km
レペティション=400m
ビルドアップ=10km~20km
ロング走=25km~30km
などにしている方は意外といらっしゃるのではないでしょうか。
すみません、実は私がそうでした^^;
でも結局その設定時間(閾値走だったら20分)をしっかり走ってますし、効果に大差は無いと思いますよね。
その通りです!(はっ?笑)
それだと記事が終わってしまいます^^;
実は距離走と時間走ですが、上記のようなスピード練習では大差は無いのですが…明確に効果が変わってくる場面があるんです。
それは…
フルマラソンで走る時間と距離の関係です。
2.距離だけを目安にロング走をする弊害
トレーニングの3原理・5原則という中に「特異性の原理」というものがあります。
原理・原則を知らない!という方は、詳しくは以下の記事か動画にて詳しく解説していますでの、ご覧になって頂くと良く分かると思います♪
「特異性の原理」によって、最もフルマラソンの練習で効果的なのは、最も目指す目的に近い動きになりますので
42.195kmをMペース(レースペース)で走る
という事ですよね。
しかし一般市民ランナーが頻繁にそんな事をやると、故障したり疲労でダウンしてしまいます。
なので、フルマラソンを走るためのスタミナ養成を継続的に実施するためには、効果はしっかり上がった上で怪我とリスクを最小限に抑えた”最低強度”でやるのがコツでした。
強度として望ましいのは、練習目的を達成できる最も負荷の低い強度である。
という事で、一般的な市民ランナーがスタミナを養成しつつ怪我と疲労のリスクを抑えながらどうにか継続的に実施出来る、良い距離が30kmという事になっているんです。
実際私も30km走を何度も重ねていって、フルマラソンの終盤に徐々に強くなってはいったのですが、大変に時間はかかりました。
フルマラソンをほぼイーブンで走れるようになったのは、30km走を始めてから1年1ヶ月後。30km走の回数は26回になっていました。
しかし、この時は”セット練”の概念や”時間走”の考え方が私に無かったため、30km走の翌日は確実にお休み(ランオフ)してました^^;
なので、イーブンで走れるようになるまで日数がかかってしまったのです。
気になる方は、サブ3.5を達成する前の練習内容などを見て頂ければ分かります。
30km走は概ね2時間30分~2時間40分(5’00/km~5’20/km)で走り終えていたのですが、時間走はしていませんでした。
その結果、どうなったか。
これです。
4’50/kmで進むと、36km~37km地点です。
棒になる前から少しずつペースを維持出来なくなりますので、32km~33kmくらいからはペースダウン。36km~37kmで完全に脚が止まる、というやつです^^;
それでもサブ3.5は達成出来るレベルに到達する事は出来て、無事サブ3.5ランナーになったのが30km走を始めて半年後の能登和倉万葉の里マラソンでした。
3.フルマラソン最終盤の落ち込みを回避するために
このペースダウンを回避するために必要な事は何かを調べたり、考えたりしていました。
(30km走じゃなくて、35km走や40km走にしたら良いのか…)
という事も考えましたが、毎回1度にそれほどの距離を走って怪我と疲労のリスクを取るのは得策ではありません。
そこで導き出した結論が、
(走ってる時間が足りないのではないか)
という事でした。
この段階で、自分がフルマラソンにかかる時間は3時間20分~30分。
単純に距離を伸ばすのは1回1回の練習が高リスクになるので、いかにこの”時間”を走り続けられるか。
やろうと決めた練習は、
セット練習と時間走
でした
セット練習については、こちらのブログ記事か、記事内にある動画解説にて。
フルマラソンの終盤に強くなる!セット練習のやり方と効果、注意点(ブログ記事)
時間走単体(1日)練習なら、出来るだけフルマラソンで走る”時間”に近づけた練習をする。(3時間走~3時間半走、この時は北海道マラソンなどのレースを利用して、目指すレースペースよりずっと遅く3時間半走るなどを実施しました)
セット練習なら、1日目に頑張ってグリコーゲンの減少や疲労が残り、回復し切らない状態で2日目を迎えられるので、2時間走を出来る限り実施する。
そこまでの元気は無くても、せめて1時間走ったり、自転車を漕いで休まない。
それまで”ランオフ”していたロング走の翌日に、確実に動いてスタミナ養成をしようと努力していました。
上記の練習を実施したところ、あっという間にイーブンで走れるようになりましたので、高い効果があったと感じています( ´ ▽ ` )
まとめ
実は最近もこの”時間走”の重要性に気づいた時がありました。
雪のある時期は毎週末に20km~25km走、雪が無くなってから毎週末に25km~30kmをやっていたのですが、主にペースは4’50/km~5’00/kmほど。
長くても2時間30分ほどの走行時間でした。
そんなランニングライフでしたが、急にバーチャルUTMFに参加する事になり40kmオーバーのランニングをする必要に迫られたので、ゆっくりランでボチボチいきましょうか~という軽い気持ちでキロ6~5’30/kmほどでテクテクと。
しかしどうでしょう。まだ30km手前、27kmで脚が棒に。
時計を見ると走行時間は2時間30分を少し過ぎていました。
距離は30kmを走っていたにも関わらず、いつも走っている走行時間(2時間30分)を過ぎたら脚が悲鳴を上げ始めたのです。
まさに”距離走”ばかりで、ゆっくり長く走る”時間走”をしていなかったツケだと感じます^^;
「マラソンを速く走りたいなら、速く走るしかない」
「LSDに効果は無い。もっと速く走らないとフォームが崩れる」
などの諸説も多々ありますが、先人たちが経験則で築き上げてきた”距離を踏む”とか”時間で走る”なども、ないがしろには出来ませんよ。
マラソン練習は色々やってみて、自分に合うものを取り入れていくのも速くなる大事な要素です。
是非”時間走”にもチャレンジしてみてください♪