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【解説動画】ハーフマラソン1時間40分切り(100分切り)のための練習のコツは!?最も大事な事は?
ブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
ハーフマラソンで1時間40分を切る、サブ100を達成する事を目標に頑張っているランナーは多いと思います。
フルマラソンと比べて距離が半分という事もあって、※閾値走(Tペースランニング)に近いスピードで走るため、脚が売り切れるような心配よりも、ゴールまで速いペースを落とさずに走り切れるかどうかの不安が大きいのではないでしょうか。
※閾値走について詳しい記事はこちら。
※Tペースランニングは、長距離種目の選手が行うトレーニングの中でも、きわめて効果の高い練習である。閾値ペースでのトレーニングは、充実した練習でありながらオーバートレーニングを防ぐこともできる、継続しやすい練習である。
ハーフマラソンで1時間40分を切るには、VDOTで46程度の走力が必要となります。
スピードタイプのランナーであれば、フルマラソンサブ4前後の記録の方でも
「あと少しでサブ100!」
という方もいらっしゃる事でしょう。
しかしハーフ100分切りを達成出来れば、ロング走への取り組み次第でフルマラソンのサブ3.5を達成する事が現実的になってきます。
スピード的に考えれば、それほどのレベルになってきます。
1時間40分切りに必要な平均巡航ペースは4’44/km。
ハーフ100分切りの平均ペース
4分44秒/km
かなり速いペースで巡航する事が求められる、ハーフのサブ100。
ハーフを平均4’44/kmでゴールまで走り切るための練習について考えていきます。
1時間40分切り、サブ100を達成する為のトレーニング
ハーフマラソンを走る力をつけるには、10kmやマラソンのレースを走るだけで十分である。~中略~
この考えに間違いはないが、ハーフマラソンに最も適したトレーニングとは、10kmとマラソンのトレーニングの中間にあると、私は信じている。
このブログで再三登場しているダニエルズさんは、ハーフマラソンでサブ100を達成する為の日々の基本練習について
マラソンと同じような練習で十分である
と記載しています。
VDOTのレベル的に考えると、サブ3.5達成に向けたマラソントレーニングと同じような練習になりますね。
ただVDOTは各ランナーで異なりますので、必ず自分のVDOTを確認し、適切なペースで練習するようにしてください。
しかし「ハーフマラソンに最も適したトレーニング」は、ハーフマラソンのレース前にハーフ用のアレンジを加えた練習をしていく事になります。
特に「ハーフマラソンに力を入れたい!」「次のハーフに賭けてる!」というランナーは参考にしてください。
ハーフマラソン向けのアレンジとは
ダニエルズのランニング・フォーミュラではフルマラソンでもハーフマラソンでも「フェーズ」と称する「期分け」をして、練習内容が記載されています。
ハーフでは、1フェーズを6週間として、4フェーズ。つまり24週間・6ヶ月のハーフマラソン向けプログラムになっています。
「期分け」は徐々に練習強度を上げていって、無理のないように練習に取り組めるプログラム。
フルマラソン向けの練習の場合、個人的にはレース前3ヶ月間の中で自分の練習計画に合わせてフェーズのような期間を設けて徐々に練習強度を上げていき、レース3週前に仕上げ、その後は疲労抜き・テーパリングの一連の流れを重要視していますが、ここでは基本的な「4つのフェーズ」に沿ってご紹介します。
フルマラソン向けの練習はTペース走やMペース走が比較的多かったりしますが、ハーフマラソンはRペース走やIペース走など、もう少し速いペースの練習が多めになっています。
詳細は書籍を手元に置いて、都度触れて確認して欲しいと思いますが、大まかな練習方法についてご紹介します。
フェーズ1
フェーズ1ではEペースランニングの他には、軽いウィンドスプリント(WS)だけになっています。
このウィンドスプリントのスピードについて、書籍内では「1マイルのレースペースで10~15秒走る」とありますが、私達市民ランナーは欧米人じゃあるまいし1マイル走なんてやらないですし(笑)1500m走をやる機会も少ないもの。
という事で、ウインドスプリントは走り始めから急にスピードを出さず、徐々にスピードを上げていく感じで、全力走の8割ほどのペースまでペースを上げて徐々にスピードを落とし、50m~100mほど走れば良いでしょう。
本数は5本~10本、1本1本の間の休息時間は45秒と多めに取り、気持ち良く実施出来るようにしてください。
【週間48kmランナーの練習例】
月 ランオフ
火 ジョグ9km+WS2~3本
水 ジョグ9km+WS2~3本
木 ジョグ9km+WS2~3本
金 ランオフ
土 ジョグ9km+WS2~3本
日 ジョグ12km+WS2~3本
フェーズ2
フェーズ2ではTペース走と、強度の高いRペース走が加わります。Rとはレペティションです。
VDOT46であれば、R200mは46秒(3’50/km)・R400mは94秒(3’55/km)です。
Tペース走は4’33km、20分走るとしたら4.4kmほど走る事になります。
Rペースで走る距離は、週間走行距離の5%を限度とする事がオススメされています。
例えば月間250km、週間60kmほどのランナーであれば、Rペースで走れる距離は3kmです。
「3km!少なっ!」
と思うかもしれませんが、週に1度Rペース走を実施するとして3km一杯までやると…
R200m+ジョグ200m × 15本
R400m+ジョグ400m × 7本
というようなメニューが出来ます^^; 充分でございます。
また、ハーフマラソンのペースはTペースに近いので、TペースとRペースを組み合わせた練習も、少しプランに入れられています。
例えば
20分閾値走、R200m+ジョグ200×4本
などになります。
フルマラソンも見据えるのであれば、Tペースも定期的に実施した方が効果的です。
【週間50kmランナーの練習例】
月 ランオフ
火 ジョグ10km+WS3本
水 (R200m+ジョグ200m)×5本~10本、アップ・ダウンジョグ6km
木 ジョグ10km+WS3本
金 ランオフ
土 20分閾値走、(R200m+ジョグ200m)×3本、アップ・ダウンジョグ6km
日 ジョグ15km+WS3本
フェーズ3
フェーズ3では、フェーズ2で実施したRペースの代わりにIペース走が入ってきており、一番練習を積んでいくキツいフェーズです。Iペースとはインターバルです。
1回で走るIペースで走る距離は、週間走行距離の8%とされています。
上記と同様に月間250km、週間60kmほどのランナーであれば、Iペースで走れる距離は4.8kmです。
つまり
I1000m+ジョグ3分(180秒)×3~5本
というようなメニューが可能です。
VDOT46であれば、I1000mは4’12/kmです。
フェーズ3でもTペースと合わせた練習が入れられています。
例えば
20分閾値走、R200+ジョグ200m×6本
などになります。
【週間55kmランナーの練習例】
月 ランオフ
火 ジョグ10km+WS3本
水 (I1000m+ジョグ3分)×3~5本、アップ・ダウンジョグ6km
木 ジョグ10km+WS3本
金 ランオフ
土 20分閾値走、(R200m+ジョグ200m)×3~5本、アップ・ダウンジョグ6km
日 Eペース15km+WS3本
フェーズ4
フェーズ4ではIペース走を減らし、強度が比較的低めの10分Tペース走やジョグに重きが置かれ、本番に向けて徐々に身体へのダメージを減らしていくような練習内容になっています。
【週間60kmランナーの練習例】
月 ランオフ
火 ジョグ10km+WS3本
水 (T5分・休息1分ジョグ)×2,(I3分・休息2分ジョグ)×2、(R400m・休息400mジョグ)×2、アップ・ダウンジョグ6km
木 ジョグ10km+WS3本
金 ランオフ
土 T10分-E30分-T10分-E30分(15km前後)、ないしはE10分-M30分-T5分-M30分(15km前後)のなど、ペースを変化を持たせた変化走。アレンジは様々。
日 Eペース15km
まとめ
ハーフマラソンで1時間40分を切るためには、一般的なイーブンペースを狙うレース展開だとすると、少なくともスタートから4’40/km程度での巡航が必要です。
サブ3.5に必要な平均ペース4’58/kmより18秒/kmも速い。
ハーフのタイムを向上させるには、Rペース走やIペース走が肝の練習になりますが、5kmや10kmのレースに出場するのも効果的です。
5kmや10kmを限界で走るペースを経験すれば、ハーフのペースが少し楽に感じられるでしょう。
ご紹介したフェーズに分けた練習内容を参考にしつつ、自分の練習計画の中でRペースやIペースなどの練習をTペースに絡めながら実施し、スピードを付けてレースに臨んでください!
ハーフのサブ100を達成したら、次はフルマラソンのサブ3.5へ!