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【解説動画】マラソンには恐るべき罠があった!【セカンドウインド】地獄行きの列車に乗るな!
ブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
「フルマラソン、42.195kmを走ろうと思うと、道中に色々罠が仕掛けられてるんですよ」
なんて言ったら、マラソン初心者の方は身構えてしまうでしょうか^^;
多くのランナーが苦しむのは「30kmの壁」や「35kmの壁」です
しかし、もう少し初心者の方が陥りやすい罠は
セカンドウインドの罠
です。
「セカンドウインドの罠」とはどういうものか、罠にハマらないために心がけることは何か、考えていきたいと思います。
初心者のフルマラソン
一生懸命練習して、いよいよ迎えた初めてのフルマラソン。
「よ~し、今日は何としても完走を目指すぞ!」
そう意気込み、「42.195km」という距離に少しだけ恐怖感を抱きつつも、スタートラインに並んでいる。
ほどなくしてスタート。
少し混雑しているものの、練習通りにマイペースで巡航。焦りはない。
しばらくすると、若干呼吸が乱れてキツくなってきた。汗も結構流れてくる。
「いつも練習は夜ランだし、朝スタートのレースだと身体が温まってないのかな」
なんて考えながら、それでもペースを維持して進む。
そうやっているうちに8km地点。
急に走るのが楽になった感覚。さっきまで呼吸も乱れて汗もかいていたのに、全く息が乱れなくなって汗も流れてこなくなってる。
「あれ?身体が温まってきたのかな?走るのが凄く楽に感じる。今日は調子良いのかも!これはいける!」
気持ちが高揚していくのと同調するように、ペースも徐々にアップ。最高に気分良く走る。全く辛くなく、フルマラソンだって何だって、どこまでも走れるような気持ちだ。
15km地点。ちょっと疲れてきたような感じがする。事前に勉強したように、ゼリーを摂取しよう。給水もしっかり。でも、まだまだ大丈夫。ペースを維持していけそうだぞ。
20km地点。ヤバい。バテてきた…息が苦しくて脚も動かなくなってきてる。ゼリー効かねーじゃねぇか!(ゼリーのせいではない笑)
25kmを過ぎると疲労感は一層濃くなり、歩きが入り始める。
30kmを過ぎると脚が攣ったり、股関節や太ももなどが痛みだす。もう身体はボロボロ。
少し走っては止まったり、ずっと歩いたり…とにかくこのレースを早く終えたい気持ちでいっぱい。
ほぼ歩きで何とかゴールまでたどり着いたものの、結局タイムは制限時間ギリギリだった…
そんなフルマラソンのレース、よくあります。
セカンドウインドとは
練習でもレースでも、走り出してからしばらくの間は結構キツい。呼吸も荒れ気味で汗も流れてくる状態。
この状態を「デッドポイント」とか「デッドゾーン」って言います。
見るからに苦しそうなネーミングですよね^^;
そんな状態を我慢してそのまま走ってると、いつの間にか楽な状態になる。
この状態を「セカンドウインド」って言います。
身体が必要とする酸素量と摂取する酸素量のバランスが取れ、呼吸が静かになり、汗もあまり流れなくなる。
長距離のランニングで、走りだして15分ぐらいたつと心搏(しんぱく)数や血圧が安定して楽になる状態をいう。ランニングに限らず、激しい持続的な運動中に起こる。
デジタル大辞泉では「セカンドウインド」が「15分ぐらいたつと」って記載されてますが、
「うそ!15分!?そんなに早く楽になる人もいるのか!」
とビックリ(笑)
自分の実感では、レースがスタートしてから、どんなに調子が良くて早く楽になったとしても6.5km(25分前後)くらい、調子が悪いと12km~13km(50分前後)まで少し苦しい状態が続きます。大体は7km~8kmで「セカンドウインド」の状態になって、頑張らなくてもペースを維持していける「自動巡航状態」なります。
走っていて楽になっちゃう「セカンドウインド」はフルマラソンで良い記録を出すのに必要不可欠ですが、初心者の方やフルマラソンの経験が浅い方にとっては要注意ですよ。
セカンドウインドの罠
フルマラソンの経験が少ないランナーにとって、スタートしてしばらくすると、急に楽な状態になる「セカンドウインド」は、その身体的システムを知らないとリタイアにも直結するような危険性があるんです。
考えてみてほしい。
マラソンを走る時、身体に起こる現象を事前に知らないと
「今日は調子良いかも!!」
って思っちゃいますよね。
そんな罠にハマった時、ハーフを過ぎた地点辺りから疲れてきます。「もう走りたくない」…という状態に陥ってるかもしれない。
「調子良いと思ったのに…」
フルマラソンのハーフ地点で撃沈すると、残りの距離は地獄であり、修行以外の何物でもありません。
もうタイムは期待出来ない。風景やコースを楽しむ余裕も無くなった。あと20kmどうすれば良いのか…心をバキバキに折られます。
でも「序盤で楽になる時が来る」って知っていたらどうでしょう。
「あ、罠キタこれ。ここは頑張るところじゃない。同じペースでラクしよう」
って思えますよね。
マラソン上級者は
「いかに序盤~30km地点までラクをするか」
しか考えていません。
30kmから本当のマラソンがスタートするようなものだからです。
「セカンドウインド」は30km地点まで楽々巡航する為のアイテムだと思って、アイテムゲットしたら「いかに終盤まで楽に走れる効果を持続させるか」を考え、力を抜いて進んでください。
セカンドウインドが来ない時
注意するべきポイントが1つあります。
「セカンドウインド」が来ない時です。
8km過ぎても10km過ぎても楽にならない。呼吸は乱れて汗が流れ続ける。
そんな状態であれば、フルマラソンを走るには「オーバーペース」の可能性が高いです。
そういう時は楽に感じるペースまで少しペースダウン、呼吸を整えましょう。
しばらくすると走るのがさほど苦にならない「セカンドウインド」に似た状態になります。
残念ながら、その日・その時点では、落としたペースがあなたの「マラソンペース」という風に思ってください。
もしかしたら、少し落としたペースでしばらく落ち着いて走っていれば、再び少しペースアップ出来るタイミングが来るかもしれません。
私はそういう経験が何度かあります。
序盤のオーバーペースで脚や糖を使ってしまってピンチなのは変わりないですが、15kmで撃沈して途方に暮れるよりはマシです。
まずはマイペースを探って楽に巡航しましょう。
「あと25km」
と思うと心が折れてリタイアすら頭をよぎりますが、
「あと7km!」
など、残りの距離がヒトケタkmであれば、疲れていても頑張れたりもします。
どうにかそういう場所まで疲労を最小限にして、自分の身体を進めていきましょう。
まとめ
いつセカンドウインドがくるのかは個人差があるので、練習でペース走をする時などに各自で確認してください。
今日は7kmで楽になった、今日は10kmだった、何度か経験するうちに自分の特性が分かってくると思います。
それが分かれば
「今日のレースはセカンドウインドがきたから、適切なマラソンペースだ。これで終盤までいける」
と、自信を持ってレースを進める事が出来たり、
「全然セカンドウインドが来ない。これは危険だ。ペースを落とそう」
という具合に、
自分で自分の状態を把握して柔軟にレース展開をコントロールできます。
是非、普段の練習から「楽になるポイント」を意識してみてくださいね。