いよいよフルマラソン本番まであと少し、という方にとって、レースまでの過ごし方について不安な方も多いと思います。
今まで一生懸命やってきた練習の成果を余す事なく発揮するには、レース前日と当日の過ごし方が超大事です。
逆に言うと、レース前日と当日の過ごし方次第では、今までやってきた練習が少なからず無駄になってしまう、大きくゴールタイムが変わってしまう可能性を秘めているという事になります。
培ってきた走力を存分に発揮して、目標達成するために必要な「マラソン本番のための最後の2日間」について考えていきます。
目次
マラソン本番前日
レースに向けて1週間前の練習と過ごし方については以下の記事で詳しく記載しました。
その中でレース前日と当日について少し記載しましたが、もう少し詳しく掘り下げていきます。
まず、レース前日にやってはいけない事について
【動画解説】いよいよフルマラソンのレース前日!頼む!これだけは絶対やるなよ~ いままでの苦労をぶち壊さない3つの掟!
前日にやってはいけない事は、以下の動画でも見ることが出来ます!
1.前日に走らないで
フルマラソン前日はおろか、数日前からランオフ(走らないこと)しても全く問題ありません。
エリートランナーや、自分の調整方法を確立しているハイレベルorベテランランナーの方以外、
私達のような一般市民ランナーは、レース前2~3日は走らない方が良いです。
私も以前はレース3日前(日曜が本番なら木曜日)や2日前(金曜日)、なんなら前日(土曜日)にもしっかり走ったりしていました。
そんな調整方法を、試しにレース4日前(水曜日)に軽くスピード走で刺激入れをして、その後レースまでの3日間を連続ランオフで本番を走ったところ、通常練習では感じたことのないくらい非常に身体が軽く感じられ、速いペースでも楽に巡航出来てPBを出せました。
それ以来、PBを目指すようなフルマラソンのレース前は、レース5日前(火曜)か4日前(水曜)に短い距離のスピード走(閾値かインターバルペース)で刺激入れをし、あとはランオフか、走っても2日前に4~5kmジョグする程度にしています。
少なくとも、レース前日は走らないようにしましょう。
2.いや、むしろ歩くのもやめて
で、最後にちょっと技術的なこと。前日受付会場などで動き回らないこと。立つ&歩くは走るよりはるかに脚にダメージを残します。翌日に競技種目(出番)のあるオリンピック選手は一生の晴れ舞台にもかかわらず、開会式に出ませんよね?絶対に出ませんよね?走りさえすれど絶対に開会式には出ませんよね?どうしてだかわかります?立つ&歩くはもの凄いダメージだからです。アナタがもし、北島康介より浅田真央よりカール・ルイスよりQちゃんよりレジェンド葛西よりも強靭だったら許します。いくらでも歩き回って疲れ果ててください。
練習しない、という事に派生しますが、レース前日や当日に歩き回るのも厳禁です。
上記の記事はウルトラマラソンに挑むランナーに贈られた岩本氏の言葉ですが、フルマラソンに挑戦するランナーにとっても同じことが言えます。
地元で開催されるレースであれば、本番前日はずっと家に引きこもってゆっくりしているのが最高のレース準備です。
遠征の場合は前日に移動する事が多いので歩かない訳にはいきませんが、移動はサンダルやヒールなど疲れる履物は控え、疲れにくいランニングシューズを履き、なるべく疲れないように移動する事を心がけてください。
3.油っこいもの、生モノ、飲酒を控える
前日の夜の食事は、お酒・油っこいもの・生モノは控えた方が良いです。
カーボローディングだ!って思って、ドカ食いしてしまうのもお腹の調子を崩す原因になるかもしれませんので、やめた方が無難です。いつも通りが一番。
レース前日の夜にカレーを食べて、レースで気持ち悪くなった仲間がいました。
消化の悪いものを食べると翌日まで影響が残ってしまい、走りに影響が出る可能性があります。
また、生モノも万が一当たってしまった時の事を考えると怖いです。
以前私は「ししゃも」の焼き加減を誤り、少し生焼けだったせいでお腹を下し、本番でも複数回トイレに駆け込んだ経験があります^^;
そしてお酒。
前日に飲酒しても福岡国際のレベル(2時間30分)で走るランナーもいます。
アルコールを飲むにしても、その量に気をつけること、脱水対策をするというのがベターです。
アルコールの脱水作用によって失われる分を補てんするため、水分を余分に摂ること。ビールの場合は30mlにつき水を30ml、ワインの場合は30mlにつき水を90ml飲む。これはロング走の前夜も同じである。
個人差が大きいので何とも言えませんが、お酒があまり強くない人にとっては、前日の夜に飲酒すると翌日午前中のレースでは心拍数が少し高めになり、いつものレースペースでも息が切れて苦しくなる場合があります。
また脱水症状にもなりやすいので、レース前日の飲酒はあまりオススメは出来ません。
年配のランナーにとってアルコールは味方にならない。なぜならアルコール摂取すると、脱水につながるだけでなく、睡眠を阻害し、エンプティカロリーにもなるからである。さらに、肝臓にも影響を及ぼすため、回復も遅れる。ベテランシリアスランナーを自称するなら、アルコール摂取は最小限にとどめたほうがいい。
レース前日の夕食は、ご飯・うどん・そば・パン・和菓子(カステラ・羊羹・饅頭)などを選び、仮にパンでも、パンに塗るバターやマヨネーズなど脂質が多く胃腸に負担になりそうなものは食べないように気をつけましょう。
4.マッサージや整体はレース後に
いつもやってるマッサージや整体ならともかく、レース前日にやった事の無いマッサージや整体を受けるのはやめた方が良いです。
思わぬ部位に揉み返しが発生したり、調子を落とす可能性があります。
レースが終わって一息ついたら、存分にやってもらってください。
マッサージのあとの筋肉には疲労感がある。よって、マッサージはトレーニングのあとに受けるのがふつうであり、ハードな練習やレースの前日のディップマッサージも、通常は避ける。
5.レースの準備と睡眠
レースの為の準備は、チェックリストを参考に。忘れ物がないようにしてくださいね。
睡眠に関しては6時間~8時間取れるに越した事は無いですが、遠征だと慣れないホテルのベッドで眠れない、また、レース前は緊張や興奮から眠れないという人も多いと思います。
「レース前に2~3時間しか寝れなかった…」
「ベッドでゴロゴロしていたら朝になった…」
と落胆しないでください。
1日位の睡眠不足は、レースに影響ありません。
私はフルマラソンのレース前、いつもあまり眠れませんが、それでパフォーマンスが落ちたと感じた事は一度もありません。
マラソン本番当日
【解説動画】さぁ、本番!いざレースへ!絶対に失敗しないためのフルマラソン当日・鉄壁ルーティーン!快走するためのコツ・その最重要ポイント
本番当日の解説は、以下の動画でも見る事が出来ます!
続いて、レース本番当日に気を付ける点についてです。
1.起床時間と入浴
スタート時間の4~5時間前には起きてレースの準備をしましょう。
目覚ましに熱いシャワーをサッと短時間で浴びるのは問題無いですが、入浴は疲れてしまうので厳禁です。
フルマラソンは体力・スタミナ勝負。少しでも温存するために、シャワーだけにしておきましょう。
2.朝食の時間と食べるもの
朝食はスタートの3時間~4時間前に食べるのが良いと思います。
個人差はありますが、一般的にはスタートの3時間前に朝食を食べるとスタートする頃には食べたものが消化され、お腹は空っぽでエネルギーは満タン!という状態で気持ち良く走り出せます。
レース当日の朝食として適しているのは
和食派:ごはん(オニギリ)・味噌汁・鮭・納豆・うどん・餅・果物など
洋食派:パン(バターはダメ、ジャムやハチミツならOK)・シリアル・バナナ・100%オレンジジュースなど
・脂肪の多いものは消化に時間がかかるので控えてください。
・食物繊維の多いサラダより、糖質を含んだフルーツがオススメです。
遠征でホテルに宿泊、朝食で上記のようなメニューが無い場合は、前日の夜にコンビニなどでオニギリやパンなどを事前に購入しておきましょう。
3.カフェインは控える
本番の何日も前からカフェインの摂取を控えているランナーもいると思います。
しかし、特に意識していない方でも、せめて本番当日の朝だけはカフェインの摂取を控えた方が良いです。
やはりコーヒーやお茶・栄養ドリンクなどのカフェインが多く入っている飲み物を飲むと、利尿効果抜群^^;
レース会場の仮設トイレは混雑している事が多いので、何度もトイレに行きたくなると面倒ですし、レース中に我慢できずにトイレに入ると、当然タイムに影響してしまいます。
4.初めて使うアイテムは控える
フルマラソンの本番で初めて使うシューズやウェアなどはありませんか?
レースで使う装備品は、全て事前のロング走などで試しておくのが鉄則です。
特に問題なくゴールまでたどり着けるかもしれませんが、万が一本番の道中で違和感や痛みを感じてしまった場合、地獄のレースになってしまう可能性があります。
大事なフルマラソンの本番。慎重にいきましょう。
5.スタート時間まで
補給と給水
スタートの1時間前にカステラやバナナ、補給ジェル、経口補水液などを摂取しておくのも大事です。
フルマラソンを4時間で走るランナーの場合、朝食からレースのゴールまで7時間もあります。
通常生活でさえ、7時間も何も食べていないとお腹が減ってきます。
レース中にエネルギー切れにならないためにも、さほどお腹が減ってないかもしれませんが、軽く食べておきましょう。
ウォーミングアップ
フルマラソンのレース前に激しいアップは不要です。
たとえ汗をかいても15分もすれば元通り。大事な脚を使ってしまい、疲れただけになってしまいます。
そもそも、たいていはスタートしてからしばらくの間、混雑してスピードは上げられません。我々一般市民ランナーは、充分なアップをして最初の1kmからレースペースに乗せるようなエリートランナーではありません。
スタートから1~2kmの混雑時にジグザグ人を縫うように走って消耗するのでは無く、アップジョグのつもりで身体をほぐしながら、ゆったりとした気持ちでスタートしてください。
しばらくそのまま走っていれば、徐々に混雑も解消されてきますし、身体も温まってくるので調子良く走れるようになるはずです。
私はフルのレース前、走るアップはしません。動的ストレッチや上半身、肩甲骨や骨盤周りのストレッチを多少やるだけです。
マラソン前のウォーミングアップはマイナスに働くこともある。マラソンの課題の1つは、グリコーゲンが枯渇しないうちにフィニッシュラインに到達することである。 ~中略~ ウォーミングアップでは脂肪と一緒に糖質が燃焼されるため、貯蔵されたグリコーゲンは若干減少する。したがって、スタートからレースペースで走りだすための、必要最小限のウォーミングアップを割り出すこと、そして、これから走る42.195kmのためにグリコーゲンをできるだけ多く温存することが、鍵となる。
まとめ
レース前日と当日の食事や心構え・準備は、レースのタイムに大きく影響を及ぼす可能性がある大事なポイントです。
折角練習を積んで上げてきた走力、3週間前から徐々にテーパリングして疲労を抜いてきた努力を最大限生かすためにも、本番の前日と当日は慎重に過ごしてください。
そうすれば、きっと自分の持てる力を全て発揮出来るレースになるはずですよ。