サブ3.5を目指すための30km走のペース

サブ3.5を目指すために取り組むべき30km走のペースは、どれ位が良いのか。

「そんなの、レースペースに決まってるでしょ」

という考え方のランナー、結構いらっしゃると思います。

かつての私もそうでした。

とにかく4’50/km~5’00/kmでのロング走を重ねる事で、サブ3.5を引き寄せられると思ってました。

逆に

「ゆっくりでも30kmや40km愚直に走っていれば、フルマラソンの終盤に強くなるはず」

という考え方のランナーも、同じようにいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、どちらが正しいと思いますか?



サブ3.5を目指すための30km走のペース

レースペースでの30km走

【リクス:高  継続性:低 練習効果:高】

サブ3.5を目指すためには、レース全体の平均ペースを4’59/kmで走りきらないといけません。

従って、サブ3.5を達成するためのロング走も4’50/km~5’00/kmで実施するのは一見合理的で正しいように感じます。

しかし、

レースペースでのロング走は練習強度が高く、怪我や疲労のリスクが高まります。

練習で1回良い内容のものが出来たからといって、フルマラソンは速くなりません。

練習は”点”ではなく”線”で考えるべきです。

ポイントは

いかに怪我せず、ある程度効果の高い練習を継続的に出来るかどうか

です。

月に2~3回実施するような日々のロング走を全て4’50/km~5’00/kmで実施出来るランナーであれば、本来はもう少しレベルの高い目標を掲げても良い”スピードタイプ”のランナーである可能性が高いです。

例えば5kmや10kmはVDOT50前後あるけど、フルだけVDOT42~43という場合です。

VDOTについての詳しい説明はこちらにありますが、簡単に言えば”走力のものさし”、つまり走力のレベルの事です。

VDOTとは VDOTとは「現在の走力のものさし」です。 ジャック・ダニエルズ氏が著書「ダニエルズのランニング・フォ...

そういう方はスタミナが不足していて、速いペースでの巡航に不安があると思いますので

「楽に感じるペースでスタミナを付け、まずはサブ3.5をしっかり切りたい」

という事であれば、キロ5でフルマラソンのベースとなるスタミナ作りをするのは良いと思います。

それ以外の方であればレースペースでのロング走を実施するのは負荷が高いですので、レースペースでのロング走は

・日々の練習では、やっても月に1回程度

・レース本番の2ヶ月前~3週間前までに数回

実施する位で充分です。

じゃあ、通常時のロング走のペースはどうするか。

Eペースです。

Eペースでやるべき理由についての詳細は、後述します。



ジョグでの30km走

【リクス:低 継続性:高 練習効果:低】

世の中には様々なマラソン練習方法や考え方があり、ロング走についても

LSD(Long・Slow・Distance、長い距離をゆっくり走る)という練習方法も良く知られていますし、書籍も出ています。

実践されている方もいらっしゃるでしょう。

LSDに取り組む事で、フルマラソンの終盤に強くなった方は大勢いらっしゃいます。

しかしサブ3.5を目指すランナーにとって、6’00/kmより遅いペースで走るロング走は”セット練”の2日目にやるのであればまだしも、

サブ3.5を狙う”ポイント練習としてのロング走”のペースであるならば、遅すぎます。

セット練習とは何か セット練習とは2日連続で負荷が高めの練習をする事です。 すでにフルマラソンのタイムを短縮するために練習してい...

「ロング走を継続的にしているのに、いつまでたってもフルマラソンの終盤で脚が棒のようになり、ペースダウンする」

「どうしても35km以降に足が”つる”などのトラブルが発生する」

そんな悩みを抱えているランナーは、普段のロング走のペースが遅い方やスピード練習が不足している方に多いです。(ただ、身体的につりやすい体質の方はいらっしゃいます)

何年も何年もかければ、いずれ4分台/kmでの巡航でもヘタれないスタミナや筋持久力を獲得出来るかもしれません。

でも、

短期間に効率的に走力を上げたいのであれば、適切なスピードで走るべき

です。

じゃあ、どれくらいのペースが”適切なスピード”なのか。

Eペースです。

理由は次の”Eペース走での30km走”で述べます。



Eペースでの30km走

【リクス:中 継続性:中 練習効果:高】

レースペースでのロング走が大事だと思っていたランナーにとっては

「え、Eペースのような速度でサブ3.5のスピードに対応出来るのかよっ!」

と不思議に思う方がいらっしゃるでしょう。

ジョグでのロング走でフルマラソンの終盤に強くなれると思っていたランナーにとっては

「げっ!いつも速いペースでロングを走るのはキツいな…」

と、すでにイヤになってる事でしょう(笑)

しかし、フルマラソンのレース終盤に問題のあるランナーが大きくペースダウンせず、ゴールまでしっかり走り切れるようになりたいという場合は

Eペースのロング走を継続的に実施していく事が、面倒で遠回りのようですが、確実で最短のルート。

※コース(フラット、ないしはアップダウンが多いなど)や身体の状態、ロング走を実施する時間帯(早朝か夜かなど)によっては、Eペース±10秒/km~±20秒/kmでも可。毎回キッチリEペースという感じで無くても大丈夫です。

Eペースでの実施がオススメな理由

1.レースペースの30km走は疲労とダメージが大きく練習の継続性に難あり

2.ロング走はEペースでもMペースでも生理学的な効果は同じ

よく勘違いしてしまうのは

「同じ距離なら速いペースで走るほど、練習効果は高いだろう」

「ゆっくりでも40km、50km走る方がフルの終盤に効果的ではないか」

という考え方。

同じ30kmをレースペース(Mペース)とEペースで走る違いについて、ダニエルズ先生はこのように申しております。

Mランニングの主な効果は、メンタル的なもの、つまり設定したペースで走る自信を高めるものと言ってもいい。生理学的な効果はEランニングとまったく変わらない。

出典:ダニエルズのランニング・フォーミュラ

逆に、Eペースよりもずっと遅いペースで走る長い距離の練習はどうか。

例えば

「(キロ6’30/kmだけど)練習で50km走りきった!」

「100kmウルトラマラソンを完走した!これでフルマラソンなんて短く感じるはず!!」

と思うかもしれません。

確かに、メンタル的にはそうなるかもしれません。

しかしサブ3.5を目指して5分/kmを切るようなペースで42.195kmを走るフルマラソンと、ごくゆっくり走る50kmや100kmウルトラマラソンは、誤解を恐れずに言えば

全くの別競技

と言っても過言ではないくらい違います。

走り方や使う筋肉など、必要とされる能力が大きく異なります。

100kmを走るようなランナーにとって、フルマラソンの30km地点なんてメンタル的には

「まだ30kmだ」

と思うかもしれませんが、レースペース(Mペース)で走っていればそんな思いとは裏腹に脚は無くなりつつあり、呼吸も乱れてくるでしょう。

100kmも走れる身体でも、Mペースで走れば30kmでキツくなるのがフルマラソンです。

そこからの粘りは、いかにフルマラソン向けの練習をしてきたかどうか。

サブ3.5を目指すランナーにとって6’30/kmより遅いペースは、

別競技の練習をしている

というのに近いです。

フルマラソンのサブ3.5に必要な能力(スピード持久力や筋持久力、スタミナなど)はEペースで養成するのが最適であるという事を是非覚えておいてください。

適正ペースは、それよりも速い(あるいは遅い)ペースと比べて練習効果が高い、ということを忘れてはならない。

出典:ダニエルズのランニング・フォーミュラ



まとめ

気をつけて頂きたいのは、Eペースは

自分のVDOTに適合したEペース

という所です。

サブ3.5を狙う男性ランナーやスピードランナーは、すでに5kmや10kmではサブ3.5を大きく上回るようなタイムを持っている人もいるでしょう。

例えばこんな感じ。

5kmや10kmのタイムは速いですが、ハーフやフルになると急にタイムが悪くなるスピードタイプ。

これは、私の2013年のVDOTです(笑) ロング走不足が甚だしい^^;

こういうランナーのEペースは、最も高いVDOT47のEである5’34/kmですからね。

なのでロング走をする時は、5’34/kmを目安に実施するべきです。

スピードを持ってるランナーが自分のVDOTに適合したペースでロング走をする事によって得る効果は非常に大きいです。

スタミナが付いたらあっという間にサブ3.5のレベルを凌駕する記録を出せますし、スピード練習も合わせて実施していけば3時間前半の記録も近い将来狙えます。

でも

「そうか、よし。じゃあ本番までずっとロング走はEペースで練習しよう」

という事にならないのが、マラソン練習の難しいところ(笑)

レースが近づいてきたら、しっかりレースペースでのロング走もやる必要があります。

サブ3.5を狙うようなランナーであれば、スピード練習もロング走も実施しているとは思いますが、自分の弱点を補うような練習を中心にバランス良く練習計画を立てて実施していってくださいね。

フルマラソンを速く走るにはどうしたら良いか。 初心者の方にとっては「日々のジョギング」という練習以外、定期的にやっている特別な...

まとめると、

ロング走の大原則としては、日常のロング走はEペースです。

イージーランニング、ロング走、マラソンペースランニング(一部のランナーに限る)はすべて、重要な生理学的特性を向上させる効果がある。その効果は持続するが、獲得するのに高い強度は必要ない。

ダニエルズのランニング・フォーミュラ

レースが近づいてきたらペースを速めていき、最終的にはレースペース(4’50/km~4’55/km)での30km走を実施しましょう。

レースペースのロング走1人でやるのは精神的にキツい場合もあるので、レースまで日にちのあるタイミングでハーフのレースにエントリーしてMペースで走ったり、フルのレースにエントリーして30kmまでMペースで走るのも良いでしょう。

Mペースでかなり長い距離を走ると、きつい練習になりがちである。~中略~

Mペースで走ることのできるハーフマラソンや、途中でやめることのできるマラソンのレースを探してみよう。ほかのランナーと一緒に走れば、この練習もずっと走りやすくなる。

ダニエルズのランニング・フォーミュラ

そしてレース3週間前までにMペースの30km~35km走をある程度の余裕を持って出来たならば大きな自信になりますし、サブ3.5の達成はかなり濃厚です。

あとは本番までしっかりテーパリング(疲労抜き)してレース当日まで体調に気をつけていけば、3時間20分台を示す掲示板を見ながらゴール出来るはずです(*^^*)

本命レースに向けてどのように自分の疲労を抜き、体調を整えていけば良いか悩んでいるランナーは多いのではないでしょうか。 日々の練習は大事...
いよいよフルマラソン本番まであと少し、という方にとって、レースまでの過ごし方について不安な方も多いと思います。 今まで...
18+
スポンサーリンク
スポンサーリンク



ブログをメールで購読

メールでブログ購読が出来ます♪

メールアドレスを記入して購読ボタンを押すことで、更新記事を逃さずメールで受信できます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする