“ジョグに始まってジョグに終わる”というくらい、レベルの高いランナーほどジョグを大事にしています。
走る練習の中で大きなウェイトを占めるジョグ。
そんな日々のジョグですが、1回に何kmくらい走ってますか?
「いつも5kmくらいかな」
とか
「大体10kmほどで決まってる」
という方もいれば
「何となく、その時のフィーリングで。走りたい時はたくさん走る。毎回バラバラ」
そんな方もいらっしゃると思います。
ジョグをするのに適正な距離や頻度って、あるんでしょうか。
読者の方からの質問…というか、ツイッターで私のフォロワーさんがつぶやいていた事への回答という形で進めていきます♪
目次
【解説動画】日々のジョグって5km?10km?15km? ジョグの適正な距離ってあるの? そのジョグの距離に意味はあるのか!?
記事の内容は以下の動画でも解説しています!
【読者の方からの質問】ジョグに適切な距離や頻度はあるのかどうか
10㎞ジョグ
小雨で気温が低く走りやすかったです☔️ジョグって適切なペース(Eペース)はよく耳にするんですが、頻度とか適切な距離とか何か指針があるのかなぁ🤔 pic.twitter.com/lByGO5z7Ch
— マサキ (@Rs9h8CjlTrSBuLH) June 13, 2021
こちらの、何気ない疑問のツイートについてです。
この方は月間走行距離が少なめながらも、サブ3間近という大変高い走力を持っている方です。
ジョグの距離と頻度に関して”指針”みたいなものを求めていらっしゃるんですね。
このツイートを拝見した時
「あ~、なるほどな」
と思いました。
何故なら、ジョグって
「1日に何キロ走るのが最適」
とか
「週に○回走れば完璧です」
というものって、ないですよね。
月間走行距離の話はよく聞きますが、単品でのジョグについて”最適”とか”最も良い”というのは、あまりない。
なぜか。結論からいきましょう。
★結論★それぞれのランナーの走力・状況によって大きく違うので、共通の頻度・距離は出せない^^;
あるランナーにとっては適正である走行距離が、ほかのランナーにとっては不十分であったり、逆に過剰であったりすることもある。初心者がベテランランナーのトレーニングプログラムを真似てはならないのは当然である。トレーニング内容については、1日単位、1週間単位で考えることはもとより、4~5週間単位、または1年単位でも考えなければならない。
「当たり前じゃねーか!バカ野郎!」
と、ブログを閉じないでくださいね(笑)
これからお役立ち情報、出てきますからね。
ダニエルズさんも、上記の文言を意訳すれば
「個人個人で適正な距離なんて違うんだから、自分に合った距離でやれよ」
という、突き放し状態(笑)
でもそりゃそうですよね。
初心者にいきなり毎回10km~15kmのジョグをやろう!っていうのも無理な話だし、サブ3ランナーに初心者のように
「ジョグは1回5kmでいいよ」
なんていうのもおかしな話。
ランナーそれぞれのレベルや状況によって、大きく異なるのは当然。
ただこの結論だけで終わると、この記事は無価値になります(笑)。
なので今回は、フルマラソンのタイムを短縮したいランナーにとって、練習の質はもちろん大事だけど、どれ位の距離をジョグで走るべきなのか、少し掘り下げて解説していきますね♪
【解説】ポイント練習を怪我なく普通に積み上げる事が出来る”ジョグの量”があった!
フルマラソンで同じようなタイムを持つランナーを比較した場合、月間走行距離は結構バラバラです。
参考:ランニングクリール2020年10月号
上記はサブ3.5達成者の月間走行距離をグラフで表したものです。
100km未満の方から331km以上の方まで広く分布が見られます。
という事は、ジョグの距離や頻度もランナーによって大きく異るはずですよね。
「じゃあやっぱりジョグの距離も頻度も”これっ!”っていうのは無いんだ」
と思ってしまうかもしれませんが…
上のグラフには出てきませんが、サブ3.5ランナーの中でも怪我の多いランナー、怪我が皆無のランナー、いらっしゃると思います。
マラソンランナーの土台を作る、という視点から考えてみましょう。
ポイント練習をしても良い人、しちゃダメな人の差
よくジョグは
ランナーとしての土台を作る
そんな風にも言われますが、一体どれだけ走ったら土台が作られるのでしょうか。
“土台”の有無は目に見えないから、分かりづらいですよね^^;
ダニエルズのランニング・フォーミュラの書籍後半に掲載されている”マラソントレーニングプログラム”では、初心者向けのプログラムを卒業すると週間走行距離64km~(月間270km前後以上のランナー対象)のプログラムが始まります。
月間270km以下のランナーは、この時点で対象外。門前払い^^;
参加する権利すら得られないという。
「え~、そうなの?」
「月間200kmとかで、普通に閾値走とかインターバルやってるけど」
そんな方、いらっしゃいませんか?
だから怪我するんですよ。
(月間)走行距離を増やすのは、ときどき行うポイント練で故障しないように(by ハシルコトげん)
めちゃくちゃ腑に落ちた。月間走行距離を増やしても速くなれるわけではない、とよく言われるけど、こうしてちゃんと「目的」をはっきりしておけば話は別だ。目的が明確な練習は意味がある。
— くさがみりん@交流モード (@kusagamirin) July 5, 2021
普通に週1とかでスピ練しても、単発で決められている閾値やインターバルの上限ボリュームを守っても、その練習を怪我なく何年も継続出来ない。
ちょいちょいどっか痛めて、練習継続が難しい状況に陥る。
ジョグが足りてないんですよ。
「身体が弱いのかな…」
「走り方が悪いのかな…」
違います。オンラインフォーム診断とか実地のフォーム改造講座か何かで、余計な金銭を払わなくて良いです^^;
全体の走行距離に対するスピード練習の割合が多きすぎる、つまりジョグ不足です。
マラソンが速くなるために即効性があると感じる”ポイント練習”に心を奪われて、月間200kmとかでジョグをおざなりにして、スピ練の比率を大きくしないでください。
ジョグの効果は、考えているより遥かに大きいんです。
最初のうちは軽症で、ちょっと休んで復活出来ても、そのうち蓄積されて大怪我しますよ。
どっか切れますよ。
ランニングは、おっかないんです。
一流選手ほどジョグを大事にします。
何故なんでしょう。
「月間150km、1年でサブ3した!」
とか、自慢になりません。
「10年、大怪我なく徐々に右肩上がりで成長し、その過程でサブ3も出来ました^^;」
市民ランナーとしては、よっぽど尊敬出来ます。
強度を考えながら、ジョグを重視して10年大怪我無くやってこれた方であれば、次の10年も(加齢で記録は下がるかもしれないけど)楽しくランニングライフを過ごせる可能性が高いです。
ダニエルズさんの書籍を読み込めば
「まずは初心者プログラムで土台を作り、本格練習に移行しても怪我や疲労のリスクが高くならないように鍛えておけよ」
「そのためには月間270km位は走れよ」
そう言われているように思えませんか?
今回、一番大事なのはココですからね。
距離を増やす際の注意点
仮にダニエルズのプログラムを使わなくても、走行距離を増やすルールとして一般的なのは
10%ルール
です。
私たち市民ランナーはレースが決まってやる気が溢れてくると、急激に距離を増やしがちです^^;
今週50km走ったら、来週は55km(10%ルール)まで。
そして一度距離を増やしたら3週間様子を見て、どんどん増やさない。
一定の走行距離を、少なくとも3週間以上は継続してから距離を増やすこと。これだけの時間があれば、身体がその練習量に適応し効果を得てから、より厳しい練習に移ることが出来る。
土台を作っていくために、10%ルールに沿って練習の量を増やしていく。
その中である程度の月間距離の目安を決めてポイント練習とジョグのバランスを計画する事で、自然と週何回、ジョグを何km実施して、何日ランオフするかは決まってくると思います♪
なお10%ルールに従っているからと言って、3週間ごとに際限なくどこまでも距離を増やしていって良いかというと…そんな事はないですよね^^;
500km、600km、700km、普通の身体である一般市民ランナーがそれほどの距離を走れば、ジョグだけでも故障してしまう可能性が高くなります。
例えば、目標、練習時間、故障の有無などを考慮した結果、自分に最も適した走行距離は週間72kmだという結論が出るかもしれない。そうなると、3週間後に走行距離を増やすのは適切ではない、ということになる。
徐々に距離は増やして土台を強固にしつつも、やはり自分の感覚や身体の状態を判断し、過剰な負荷をかけないする事がポイントです(^^)
まとめ
ジョグは個々人の様々な状況で適切な頻度・距離は変わります。
初心者やダイエット目的なら週3回・合計10km~15kmで気持ち良くやれば良いでしょう。
ただランナーの土台を作るなら、ランナーとして強く、そして速くなりたいのであれば、ジョグで積み上げる距離にも気を配らないといけません。
特にサブ3.5やサブ3などマラソンランナーとして高い目標を掲げているなら、ダニエルズ的なランナーとしての土台の目安
月間270km前後を目指すのは必須
と言っても良いんです。
これが出来ないならポイント練習しないほうがいい
とさえ思います。
ジョガーとして、楽しくファンランしたほうが安全で良いです。
回復不可能な怪我を負う、人生が変わってしまうかもしれない、趣味にそんなリスクまで抱える事になっても良いのでしょうか。
仕事でなかなか平日は走れない。でも速くなりたい。
そんな方もいらっしゃるでしょう。
本当に平日にジョグするのが不可能なら、個人的にはファンランナーが良いと思います。
大怪我したら思いますよ。
「ファンランナーとして、ただ楽しんでれば良かった」
「走れるだけで儲けものだって、走れなくなって分かった」
って。
「どうにか時間を作って、平日2~3回30分ずつでもジョグ出来るかもしれない」
そう考えて、何とか走る時間を”努力”でこじ開ける。
そういう人はマラソンランナーとして、安全に、楽しく高みを目指していくにふさわしい。
ダニエルズさんは、私たち市民ランナーにそんな提案をしてくれているように思えてなりません。
質問者さんのおっしゃるジョグの距離や頻度の「指針」となるかどうかはわかりませんが、日々のジョグはそれだけ大事な意味を持っているんです。
軽視しては、絶対にいけません。
ランナーとしての土台を作るにふさわしいジョグの頻度や距離、そしてポイント練習を含めた週間走行距離や月間走行距離。
このような事を意識して、練習計画を立ててくださいね(^^)
コメント
いつもお世話になってます!
なるほどですね。私には270km/月はぜったい無理ですw
たぶん、270mk/月を超えた月は自己ベスト出した3か月前の一度だけだと思います。
今はもうさらに回復遅いので、げんさんが年寄りになるのを待とうと思いますw
あつしさん!いつもコメントありがとうございます!
あつしさんは270kmなんて、走らなくていいです(笑) 元々陸上部のバリバリランナーなんですから^^;
それでもベストを出したあの時、月間270kmいってたんですね~。
私もすぐに年寄りになって、あつしさんとの温泉ランが趣味になるかもしれません(笑)