星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン2019 レースレポ下【そして心は折れた】

星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン2019のレースレポ「下」です。

「上」はこちらの記事です。

野辺山ウルトラ2019 レースレポ 下

10km~20km【漠然とした不安】

57分18秒(5’11,5’28,5’24,5’14,5’52,5’40,5’38.6’10,6’40,6’50)

ひなたの日差しは強くても、時折吹く風は意外と冷たい。

「この高地で夕方、下手したら19時まで戦うならウェアリングが大事になるかもしれない。ジャケットは途中のドロップバックに入れず、腰に巻いたままにしよう」

サロマの終盤80km以降、極寒のワッカで散々な目に何度もあっている経験が、野辺山の風を受けて警戒感を感じた。

結果的にはそんな警戒感が役立つ前に、コース上から私はいなくなるんですけどね!(笑)

ゴール地点にずっと滞在していただけの感想でも、やっぱり夕方以降は気温が低くなってきて、ゴールするランナーの多くは寒そうだった。

まだ元気だから良いものの、野辺山にはフラットな場所なんて全く無いと言って良いほどアップダウンが続く。

序盤から登りで歩くランナーが目立つのは、野辺山の過酷さを知っているランナーだからだろう。

自分は野辺山初心者だけど、作戦は決めていた。

1stフルの区間・42kmまでは、登りもゆっくりで良いから走り続けようと。

終盤はおそらく、とんでもなくキツイ傾斜や疲労で、まともに走れなくなるはず。歩き通しになるに決まってる。

元気もあって、コース的にもまだまだ走ろうと思えば走れる序盤のうちに進んでおきたい。

ダメになった時に歩き通しでもゴール出来る状況まで持っていきたい、そんな風に思っていました。

1stフルの目標は4時間10分。

写真撮影やエイドストップを何度もした富士五湖とは気持ちを切り替え、あまり止まらないように、まずは42kmを目指していました。

18km…19km…20km、結構な登りが続く。脚に負荷がかかる。息が切れる場面もある。

ずっとこんな感じで、果たして100kmまでたどり着けるのだろうか。

漠然とした不安を感じ始めた。



20km~30km【これは…凄いコースだ】

1時間11分40秒(7’13,5’57,8’08,5’16,6’20,6’34,6’08,6’26,15’17,5’58)

20kmを過ぎてトイレに行きたくなってきた。大だ^^;

どこかで空いてるトイレがあったら速攻で入って用を済ませたかったが、どこも複数人が並んでいる。

しばらく我慢しながら巡航。

それにしても20km~30kmは頻繁に登りと下りが現れる、アップダウン地獄だ。

高低図を見ると、20km~30kmはさほどアップダウンがない、コース全体から見ると”多少フラットな区間”のような印象を受ける。

しかし、何と言ってもこの高低図の1メモリは100m。

この程度のギザギザでも実際に走ると、私のような平坦なロードに慣れたランナにとってはだいぶキツいアップダウンの連続。

「これは…凄いコースだ」

登りで脚をなるべく使わないように、下りで脚に衝撃を受けすぎないように、気をつけて走る。

しかし考えてみれば、この序盤で”凄いコース”なんて感じているようなロード専門のランナーでは、野辺山への挑戦は難しかったのかもしれない。

そして、トイレ問題。

「どうしよう。もう7~8kmほど我慢してるけど、そろそろ限界も近い。今回は大きいロスタイムを作りたくなかったけど、やむなしか…」

29.3kmのエイドに到着。

2機ある簡易トイレに並んだ。並び順は6番目だ。

結局並んだ時間と用を足した時間で9分ほどのロス。やむなし。

しかし、これは2ndウェーブスタートの影響が大きかったと思う。

20分先にスタートした1stウェーブでペースがゆっくりのランナーが思ってたよりも多かった。

来年出場するなら、1stウェーブで走りたいなー。どういう分け方か分からないのですがf^_^;

2ndウェーブスタートでも上位に入ってるランナーもいたんだよなー。

トイレロスがあったとはいえ、42km地点を4時間10分程度で通過するには丁度良いペースできている。予定通りで順調だった。



30km~40km【異変】

1時間11分11秒(5’32,5’34,6’15,12’03,10’40,6’52,7’53,5’58,6’09,10’41)

30kmを過ぎたころから、身体に異変を感じ始めました。

左手が痺れる。

指先を振っても、グーパーしても、良くはならず。
ウルトラマラソンでは経験の無い事態に、少しパニック。

たまにフルマラソンの終盤や、凄く追い込むスピード練習の時、酸欠が原因と思われる痺れは経験した事がある。

でも、ウルトラマラソンは酸欠になるほど追い込みはしないレースだし…

…ハッ!

高度?

1500m程度の高度で酸欠とか、ありうるのか!?

まさか高山病に注意しないといけないなんて思ってもみなかったから、何の情報もない。

(帰宅して過去に野辺山に参加した人のブログを調べると、軽い高山病の症状が出てる人は何人かいた)

だとしたら、35kmくらいまで我慢すれば、そこからは下りで標高は1000mまで下がる。
しばらく我慢して進んでいれば、何とかなるのかもしれない。

「そうだ。35kmのオニギリが出るエイドまで頑張って進めば、その先しばらくしたら下りだ。もうちょっと頑張ろう。」

そんな事を考えながら進んでいましたが、今度は腰や脚が80km地点のように痛くなってきて、一歩一歩苦悶の表情になってるのが分かる。

「これは…ここでこの疲労感と痛み。富士五湖のダメージが残っていたのかもしれない」

徐々に走れなくなってきて、あっという間にキロ12分など酷い状態に陥落。

「こんな序盤でまさか。どうしよう、どうしよう…」

「諦めるのは早すぎる。何とか進むんだ。
回復を、復活を待つんだ。いつものことじゃないか。」

35kmのエイドでオニギリなどの補給をしっかり取り、エイドを出てしばらく続く登りを歩きながら復活を待つ。

しばらくすると、下りが始まった。

下りでも一歩一歩に脚や腰に激痛が走る。

「この痺れと腰の痛み…これは高山病ではなく、もしかしたら坐骨神経痛か」

20歳代の頃に腰をやって1週間ほど寝たきりになってから、大きな疲労やダメージを受けると腰に強い痛みや身体の左側(脚やお尻など)に痺れを感じるようになった、坐骨神経痛持ちです。腰椎椎間板ヘルニア。

普通に生活している分には、少し症状が出てきた時に無理せず、2~3日休んでいれば症状は収まって元通りになる。

でも、今はレース中だ。マラソンを走っていて、こんな感じになるのは初めてだ。

もし坐骨神経痛だとしたら痛みを我慢して走ったり、ロキソニンで痛みを消したりしてこのまま走り続けるのはマズイかもしれない。

デッドラインを超えて悪化したらそれこそ動けなくなって、しばらく札幌に帰るのも難しくなる可能性だってある。

それはダメだ。仕事も家庭もある。

若い時に発症した強烈な腰痛と、全く動けなくなった記憶が蘇る。

20代前半に発症して動けなくなった時は、今の妻が一生懸命介抱してくれました♪(のろけはやめろw

再び妻に迷惑をかけるわけにもいかない。

この先も走って悪化したとしたら、すぐに治る保障は無い。

ランニングだって、半年や1年の休養を余儀なくされる事だってあるかもしれない。

色々な事、主にネガティブな事が頭に浮かんでくる。それはそれは無限に^^;

メンタルが非常に大事なウルトラマラソンでこうなると、もう無理だ。

今回リタイアした一番大きな理由、心を折らされた要因となってしまったのが、この

坐骨神経痛の恐怖感

でした。

恐怖感に支配されつつ、下りを少しだけ走ったり、歩いたり…

どうにか40kmに到着する頃には、

「無茶はダメだ。もう42kmのエイドでレースをやめよう」

としか考えられなくなっていました。



40km~リタイア【安堵】

13分26秒(9’36,3’50…リタイア)

40kmのエイドに到着。

スムーズにリタイアするために、あと2kmも進まなくてはいけないと考えるだけでガックリ。

それほど心はボキボキに折られてました。

痛みに耐えて少し走っては歩いて、多くのランナーに抜かされる。

下りなので歩いている人は極端に少ない。

そりゃそうだ。まだレースの半分も進んでないんだ。みんな元気だ。

なんで自分がこんなところで、しかも下りで歩いてるんだと思うと、悲しくなった。

ようやく42km地点、最初のバックパックを受け取るエイドに到着。

「やっと着いた…」

もうレースを続ける意思は皆無。

バックパックを受け取ってゼッケンを外し、リタイア申請。

こうして私の野辺山100kmは午前10時前、制限時間まで9時間以上も残して終わりを迎えました。

レースを終えた時の感想は、率直言って…

安堵感

これしかありませんでした。

ゴール出来なかったからと言って、悔しさとか残念とか、そういう感情は全くなし^^;

とにかくこれでもう走らなくて良い、痛みを押して無理やり歩かなくても良い、坐骨神経痛が悪化する事もなくなったという、全ての事に対する安堵感。

「チキショー!次こそは完走してやる!!」

という気持ちは、このタイミングでは芽生えるのに早すぎました。




今回の反省点とまとめ

野辺山の1ヶ月前、富士五湖118kmではミスも影響して撃沈、薄氷を踏むような完走でした。

今回もミスを犯して撃沈。立て直す事が出来ずに心を折らされてリタイアとなりました。

自分への備忘録として、今回のミスや今後の注意点について残しておきます。

1.ウルトラマラソンのレース間隔

富士五湖118kmから1ヶ月で野辺山に挑むという”レース間隔”について。

フルマラソンを始めた当初、1度フルマラソンを走るとダメージが酷く、練習再開まで2週間、普通に走れるようになるまで1ヶ月、そんな感じで疲労困憊でした。

2~3週間後、何だったら2週連続フルマラソンに挑戦する人などを見ると「超人や…」と思ったものです^^;

現在はフルマラソンでそこまで酷い疲労やダメージを受ける事はありませんが、やっぱりPBを狙うような死力を尽くしたレース後の疲労は大きい。

昨年、つくばマラソンでPBを出した3週間後に防府読売マラソンを走りましたが、レース中からハムが非常に痛くなりプチ故障、2月くらいまでたいした練習が出来なくなりました。

この原因として、つくばで受けたダメージが回復しきらないうちに、防府で再びPBを狙えるようなペースで走った事だと考えています。

ウルトラマラソンはペースがゆっくりとはいえ、100kmも走ろうとすれば必ずどこかで撃沈して、その後は全ての力を使うような走りをしないと完走すら出来ない。

つまりウルトラマラソンは、フルマラソンでいえばPBを狙うように全力を尽くしているという事だ。

そんなウルトラマラソンを1ヶ月間隔、しかも100kmを超える118kmを走った後に入れちゃあダメだ。

少なくとも自分には回復の時間が少なすぎた。もちろん問題無くいける人もいますが。

そこは個人の回復力によるところが大きいのでしょう。

…いや、フルマラソンで以前ほど大きなダメージを受けなくなったように、ウルトラでもたいしたダメージを残さないように鍛えれば良いのか?^^;

2.痛みが発症した場合のやめ時

今回42kmという早めの段階でレースから離れたので、数日で腰の痛みは無くなりました。

しかし、もしかしてあのままレースを続けていても大丈夫だったのかも、という思いは拭えません。

ウルトラマラソンはどっかしら痛くなるのは当然だし、トラブルはいくらでも発生する。

単純に

「オレは根性が無かっただけじゃないのか」

と、レースが終わってしまえば後悔ばかり。

しかし、今回はレース中に痺れも発症していて、今までレース中に感じた事が無かった”未経験”の感覚だったのは確実。

やめ時は難しいけど、今回はやむを得なかったと思う事にする。

3.野辺山のリベンジをするために

来年、必ず野辺山のリベンジを果たすために何をすべきか。

① 野辺山の1ヶ月前にウルトラマラソンなど、疲労が大きくなるレースを入れない

② 野辺山のタフなコースを走っても悲鳴をあげないような、トレイル仕様のような強靭な身体を作る

どちらも私にとっては、大事なポイントだと感じます。

早速ですが、来年の野辺山に向けてどのような練習やレースをクリアしていったら良いのか、考えています。

それはまた、今週末の記事にて。

最後に…

応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

レース後はだいぶ病んでいましたが(笑)、もうかなり復活して練習も再開しました。

本格的にマラソンのレースに参加しはじめてから何レースだろう…5kmから118kmまで全て含めて、40レースほどで初めてのリタイア。

今は有名な漫画のひとコマを思い浮かべながら、次に向かってリスタートしています。

今後も懲りずに頑張っていきますので、引き続き応援頂ければ嬉しいですm(_ _)m

ありがとうございました。

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コメント

  1. アバター あみちゃん♪ より:

    げんさん。こんばんは♪
    野辺山お疲れさまでした(*^^*)
    ブログ読ませて頂きました。
    富士五湖からすぐのレースなので
    疲労がとても心配でしたょ…
    腰のダメージもそこまで酷くなくて
    一安心ですね☆
    レースに関しては色々と想いがあると思いますが…完走の喜びは1年寝かせて(^^)/
    来年たっぷり~と味わいましょう(´V`)♪
    本当にケガなく帰ってきて良かったです。

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    • アバター げん より:

      あみちゃん、こんばんは!コメントを頂き、ありがとうございます♪
      富士五湖118kmから1ヶ月で野辺山をクリア出来ると思っていたなんて、ちょっと自信過剰にもほどがあります!(笑)
      42kmでやめたおかげか、腰も含めて身体のダメージはさほど酷くないのが幸いでした。
      リタイアって、本当に悲しい気持ちになります。
      でもそれだけリベンジに向けた気持ちを強くさせますし、もし来年完走出来たら凄い達成感になるんでしょうね。
      でも、ランニングはあくまで趣味。身体を大事にしながらやっていきます。

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