市民ランナーが登山やトレイルランニングをはじめるために。リスクとマナーを知ろう。

が終わって春が訪れて暖かくなり、花が咲いて緑が映えるようになってくると

「今年は登山や、トレイルランニングに挑戦してみようかな!」

と思うランナーの方も、いらっしゃいますよね!

私も数年の間、季節が春になって暖かくなる度に

「山で自然と触れ合えるトレラン、是非やってみたい!」

なんて思っていましたが、何となく不安に感じていた事があって1歩を踏み出せず…

その何となく感じていたことというのは、おおまかに3つ。

トレランの壁

1.山は危険で危ないイメージ

2.装備やシューズがいまいち分からない

3.ハイカーとのトラブルがちょっと怖い…

こんな感じでした。

山に詳しいトレイルランナーのお友達がいてアドバイスを受けられれば早いのでしょうが、そんな友達はおらず^^;

ここでは、そんな私のような

「山に登ったり、ゆくゆくはトレランやりたいけど…一歩が踏み出せない^^;」

という方のために、ランナーが山に登る、そしてトレイルランニングを始めるための基本的な知識と準備についてご紹介します。

トレイルランニングとは

レイルランニングとは、林道や山域などの未舗装路を縦走するスポーツの総称です。

縦走(じゅうそう)とは登山の方法のひとつであり、一般的には山頂に立ったあと下山せずそのまま次の山へ向かうことを指す。出典:Wikipedia

分かりやすく言えば

山を走る=トレラン

と考えて差し支えないでしょう。

最初から登りをガンガン走るというのも難しいですので、初めはトレイル用のシューズや装備をしつつ、歩いて登る”登山”という感じで、下りで余裕があれば少し走る…そんな感じになると思います。

いずれにしても、何となく自宅から走り出しても特に問題が発生しにくいロードでのランニングと異なり、トレイルランニングでは山での様々なリスクを考慮して準備や装備を考えなくてはいけません。

山に入るにあたって知っておくべきリスクとは、どのようなものがあるのでしょうか。

トレイルランニングを楽しむために知っておくべき山のリスク

天候や気温・風のリスク

は天候が変わりやすく、スタート時点では快晴で暖かい気候であったとしても、突然気温が低下して風が強まり、雨に晒される事も少なくありません。

真夏の登山であっても、準備に心の隙間があると大変な事になりかねません。

そういった場合に備え、常に防寒や防水の機能を備えたシェルなどを携帯しておく必要があります。

ジャケットやミドルレイヤー(ミッドレイヤー)について

ウルトラマラソンやロングトレイルを走るランナーに定評のある防水透湿ウェア(ゴアテックスやフューチャーライトなど)として、

1.コスパで考えるならモンベルのトレントフライヤージャケット

2.デザインも大事、走るために一層特化した機能性の高さも求めるなら

ノースフェイスのGTXトレイルエンデュランスジャケットや、

FL(フューチャーライト)トレイルピークジャケット

 

あるいは

3.デザインも大事だけど、ある程度コスパも…であれば、

サロモンのBONATTI TRAILノースフェイスのストライクトレイルジャケットなどがあります。

 

「高っ!こんな装備、いらないんじゃね?」

「夏山で、過剰な心配をしすぎなのでは…」

とお考えのあなた。

たしかに多くの夏山登山やトレイルランニングでは、2000m・3000m級の山でも使うことなく下山することは多いかもしれません。

しかし100回・1000回と山に出かけても100%・確実な生存率で下山することが、その準備を整えておくことが最も重要なことです。

1000回のうち1回死亡するリスクがあるとして、その1回が次の山活かもしれないんですから。

夏山でも気温一桁・雨・風速20m以上・体感マイナスの低体温症で凍死のリスクを伴う状況は、かつていくらでもあります。

そういう際に◯ニクロやワー◯マンなどの格安ジャケット、あるいはノースフェイスなどのメーカーでも防水機能のない安いライトジャケットだと、ずぶ濡れで体温を奪われます。

防水透湿・シームレスを備えたジャケットでジャケット内を濡らさず、さらに言えばミドル(ミッド)レイヤー(ジャケット内部の着用着・例えばノースフェイスのマウンテンバーサマイクロジャケット)もしっかりしたものがあれば、生存率はもちろん、下山するまでの辛さや難易度が大きく変わります。

 

なおジャケットの性能として知っておきたいのは、例えば…

ノースフェイスのストライクトレイルジャケットの性能を解説すると

→耐水圧20000mm透湿性40,000g/m2-24h、という高機能を維持しながら115g(Lサイズ)という軽量、そしてランニング向けに作られている製品なので動きを妨げること無く(反面ペラペラで防寒という意味では少し弱いですが^^;)快適…

という感じなのですが、この耐水圧と透湿性については、少し知っておいた方が良いです。

1.ジャケットの耐水圧

耐水圧というのは、例えば耐水圧20,000mmであれば、生地の上に1cm四方の柱を立て、柱の中に水を入れて20,000mm(20m)までの高さに入れた水の水圧に耐えられるということになります。

一般的な目安では

20,000mm-嵐

10,000mm-大雨

2,000mm-中雨

(2,000mmは百均のカッパレベル)

300mm-小雨

傘の耐水圧-250mmほど

となります。

2.ジャケットの透湿性

透湿性とは、蒸れにくさ。

24時間でどれだけの汗(水蒸気)を排出できるかの目安。

ベトベトになりにくさは最低でも10,000g以上、できれば20,000gは欲しいところ。

ただ透湿性が高いと防寒性能は低くなりがち。

ノースフェイスで言えば防水透湿ジャケットの素材として”ゴアテックス”と”フューチャーライト”がありますが、ゴアテックスは透湿性が低めではあるものの防寒性は高め。

フューチャーライトは透湿性が高めでランニングには適しているものの、防寒性は低め。

それぞれのシーンに合わせたウェアリングを考えるのも、快適な山活動のポイントです(*^^*)

野生動物との遭遇や虫のリスク

北海道の山の多くにはヒグマ、本州以南の山にはツキノワグマが生息しています。

私は札幌在住ですので

「熊が怖いから、あまり山には行きたくないな」

という気持ちがありました。

対策としての基本は熊鈴を持参する事です。

 

私は実際に熊鈴を持参して山に入るようになったのですが、ヒグマのものを思われるフンを見かけたり、獣臭がするような場所があって怖くなった事もありますが、鈴のおかげか?運良く鉢合わせになった事はありません^^;

熊以外にも山にはイノシシがいたり、鹿がいたり、蜂が襲ってきたりする事がありますし、それ以外にも山中では転倒したり、不測の事態が発生する可能性はあります。

そのような時に応急処置が出来るよう、自分で携帯用の救急セットを揃えたり、すでに必要なものが揃って販売されている”ファーストエイドキット”を購入して備えておきましょう。

私はファーストエイドキットを、いつもバックパックに入れてあります。

 

なお、近年では熊鈴の効果に疑問符を付ける考え方も広まりつつあります。

なので私ほどのビビリになりますと、いざ熊が出てきた時のために熊スプレーを持参しています。

 

ただこの熊スプレー、扱いに気を付けないと地獄を見る事になりますので…

その”地獄”の詳細が気になる方は、私が山での出来事を書いている”YAMAP”のサイトにて。

ゲスな記事になっていますので、女性は決してリンクから飛んで記事を見てはいけません(笑)

熊スプレーの恐怖

補給についてのリスク

ロードであれば手ぶらでロング走に出かけたからと言って、財布や電子マネー・クレジットカードなどがあればコンビニで補給が出来ますよね。

しかし、山の中は当然ながら自販機もコンビニもありません。

自分が何時間山に滞在して、どれ位の水と食料が必要なのかを理解した上で山に入らないと、危険な状態に陥る可能性が出てきてしまいます。

山で水や食料が無くなる事は、ロードでのそれとは訳が違います。

私も一度、大雪山系の山々を縦走する際に水分量を間違えてしまい、えらい目に合いました^^; 

水分の枯渇・喉の乾きの極限状態は、お腹が減るのとはキツさが段違い。

道迷い遭難と水不足

水分は重いですし行動食もかさばる事がありますが、必ず余裕をもって携行しましょう。

目安として1時間あたり100~200kcalの行動食、10km当たり最低500mlは必要だと思ってください。

なお、食べた後のゴミは必ず持ち帰りましょう。

トレイルランは水・食料・ウインドシェル・ファーストエイドキットなど、必携のものが多いですので、トレイルランニング用のバックパックも用意してくださいね。

モンベルのクロスランナーパックは走っている際に揺れにくく、左右のショルダーハーネスにチェストポケットが搭載されており、ペットボトルなどを差し込めて給水がしやすく便利です。

手が届くサイドポケットに補給食を入れておく事で、こちらも迅速に補給が可能になります。

出典:モンベル公式サイト(画像のリンクはモンベル公式サイトのクロスランナーパックのページへ)

普段のマラニックでも使いやすいですし、ハイドレーション対応なので初心者がトレイルランでの使用するには充分使える優れもの。

モンベルらしく他メーカーの機能的なバックパックと比べてもお手頃な価格といえます。

7Lと15Lがありますが、私は7Lを使っています。

山中での走路についてのリスク(シューズ)

ロード用のシューズとトレイルランニング用のシューズでは何が違うと思いますか。

トレラン用のシューズを改めて買おうとすると、値段的にもそれなりにするので躊躇するかもしれません。

走力のあるランナーが低山で比較的短時間のアクティブ、天候が安定して問題が発生しないような状況であれば、ロードシューズでも走破出来るでしょう。

しかし、もしも前日や数日前の雨が残っていて土が濡れていたらどうなるか。

また、トレラン中に雨が降ってきて路面が変化したらどうなるか。

使ってるロードシューズのアウトソールの形状によっても異なりますが…

恐ろしく滑るようになって、特に下りは歩くことすらままなりません。

私が実際に試して経験したので、間違いないです(笑)

ロードシューズとトレランシューズの違い、こちらの写真をご覧ください。

最初の画像(左)がロード用のシューズ、次の画像(右)がトレイルランニング用のシューズです。

全くソールの凹凸が違うのが分かると思います。

ツルツルで地面をしっかり掴まないロード用のシューズで濡れた土やドロドロの斜面を走ったり歩こうとすると、とんでもなく滑るようになり、特に下りは数秒もまともに立つことすら出来なくなり危険です。

立っては滑って、立っては滑っての繰り返しです^^;

たとえ雨が降っていなくても、アップダウンが多く砂地や岩場など路面状況がめまぐるしく変化する状況に耐えうるシューズというのは、やはりグリップ力の高いトレランシューズが必須です。

私が最初に購入したトレランシューズは、トレラン界では誰もが知るメーカー・サロモンのSENSE RIDEシリーズ。

足への優しさと確かなグリップ性能、結ぶ必要ないのでほどける心配もないシューレース。

それでいて、比較的安価。

比較的長い距離のトレイルレースである「大雪山ウルトラトレイル」や「十勝岳トレイル」などで、全く違和感なくゴールまで連れていってくれました

大雪山トレイルジャーニー、70kmの部に挑戦してきました! レースレポ【上】です♪ 大雪山トレイルジャーニー70km 挑戦の...

 

トレイルランナーとしてのマナー

登山やトレイルランを楽しむ市民ランナーが増えてきて、様々な問題が出てきています。

ハイカーさんとのトラブルや、登山道を外れて走る事による植物へのダメージ、ゴミやトイレの問題です。

山中を軽装&スピードを出して走るトレイルランナーに向けられる目は厳しくなりがちです。

たとえ歩いていても

「あんなカッコで山に入るなんて」

と思われがちなんです。

こんなカッコ。ほら、何かムカつくでしょ?(笑)

他のハイカーさんや静かに野鳥を観察しているような方への配慮が一層大事になりますので、以下のようなマナーを知って安全にトレイルランを楽しみましょう。(チャラい格好の、オマエに言われたくねーわ、ですよね笑)

山では登りが優先

基本的には山では登りが優先となりますので、スピードを緩めずに気持ち良く下っていきたいところですが、登ってくる登山者がいれば止まって道を譲るのがマナーです。

下山するほうがその日の行程を早く終わらせることができ、事故の危険性が低いからです。

また、登っている方が身体の状態はキツく呼吸も荒いですので、下山者が登山者に道を譲らせるのはモラルとしていかがなものかと思います。

しかし、ここでもう一歩踏み込んで。

私たちのような体力があって走り回れるランナーであれば、

たとえ登山中であっても、下山してくるハイカーさんなどに道を譲る気遣いがあれば、より一層他の入山者とのコミュニケーションを円滑にしてくれるでしょう。

すれ違い、追い越しは「歩き」「声かけ」を

トレイルランナーとは違い、重い荷物を背負って頑張って登っているハイカーさんにとって、急に現れて突然自分の身体の近くを駆け抜けられるのは驚きと恐怖を伴います。

驚いて転倒させてしまったり、滑落させてしまう危険すらあります。

歩いている他の入山者に出会った時は走るのをやめ、歩いてすれ違ったり追い越すのが大原則です。

声かけも相手を驚かせないよう、少し離れた場所から「こんにちは」などと挨拶をするなどの配慮をする事が気遣いと言えます。

入山者同士のあいさつ

それぞれが様々な目的を持って山に入っていますが、お互いが気持ち良く山で過ごせるように、出会った人には「こんにちは!」と挨拶をするのがマナーになっています。

挨拶をすることで、お互い何かトラブルがあった時に助け合う事も自然に出来ます。

先行者に、この先の道に関する情報を頂ける事もあるでしょう。

筆者は山中の登りで落とし物をしてしまったのですが、ご挨拶を交わした女性に拾ってもらっており、下山中に再びお会いして落とし物を渡して頂けました。

ご挨拶もマナーもない無愛想なトレイルランナーであれば、見向きもされなかったかもしれません。

ゴミは全て持ち帰る

ゴミの持ち帰りは基本中の基本ですが、山に入ると意外とゴミが散見されます。

特に食べ物の残りや食べ物を包んでいた包装紙などが残っていると、熊などの野生動物を引き寄せてしまう危険性を生んでしまいます。

例えばランナーであれば、補給用のジェルを開封した小さい切れ端ですらニオイが付いていますので、注意を払う必要があるのです。

ゴミは必ず全て持ち帰りましょう。

登山道から外れない

登山道から外れることは、希少な植物を踏みつけてダメージを与えてしまう事になるほか、熊や鹿・ヘビ・ハチ・マダニなど野生動物と遭遇する危険性も大きくなります。

山中で用を足したくなる事は誰にでもあり、つい登山道から外れて繁みで用を足したくなりますが、可能な限り所定の山小屋を事前に把握して、計画的に済ませましょう。

もしどうしても無理であれば、沢や水辺などの近くを避け、使用したティッシュは持ち帰るなどの配慮を忘れないように。

まとめ

トレイルイルランニングを初めてやってみよう!と考える人にとって、知っておくべき山のリスクとマナーについてご紹介しました。

リスクを知って装備を整え、マナーを理解して配慮の心構えが出来れば、もうバッチリ。

身近にある低山での登山道・ルートを確認して予定を立てて、トレイルランニングを楽しんでください。

最初は登山のように歩きメインで楽しんでも良いですし、もし仲間がいれば一緒に行ってもらうのも良いでしょう。

木漏れ日差し込み、緑や紅葉で季節を感じ、川のせせらぎや小鳥のさえずりが聞こえる山の中で気持ち良く楽しんできてください♪

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ありがたい事に大…

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