初心者の頃は一度フルマラソンを走ると疲労困憊、身体中が痛いし、気力も無くなって
「もうしばらくフルマラソンはいいや…」
と、1ヶ月でも2ヶ月でもレースの間隔を空けたくなりますよね。
少し日にちが経って心身ともに回復してくれば
「よ~し、次こそはッ!」
ってなるのがランナーお決まりのルーティーンではあるのですが(笑)
でも、フルマラソンに何度も参加しているうち、レースを走っても
「あれ?さほど疲労感が強くないかも」
って感じて、あまり間隔を空けなくても再びフルマラソンを走れるようになるのは、熟練のランナーの皆さまであれば経験済みだと思います。
ツワモノになってくると、2~3週間で次のレースを入れていたりしますし、2週連続・3週連続でフルマラソン、レジェンドクラスになると100kmを何週か連続で…なんていう鉄人も少なからずいらっしゃるようです^^;
先日ヤフーニュースでは、47都道府県全てでサブ3を狙っている、大阪府の50歳の男性が紹介されていました。
2001年に初サブスリーしてから17年間で277回のサブスリー。単純計算しても月に1回以上、17年も毎月フルに出てサブスリーしてるというのだから、恐れ入ります。
サブスリーギリギリの走力だと、こういう芸当はまず無理。サブスリーを遥かに凌駕する走力をお持ちなのでしょう。
で、レースの間隔について。
ベテランランナーでも、さすがに全力でフルマラソンを走って、翌週や2週間後に再びレースという事になれば、疲労抜きしても全く抜けきらないイメージがあるのでしょう。
なので
「3週間後なら大丈夫かな?」
って思って、レースを入れる方が多いのかもしれません。
どちらのレースも、ないしはどちらか一方が「ファンラン」であれば、さほど問題ないでしょう。
調整について、検討の余地があるのは
「どちらのレースも全力で走りたい」
「2レース目が本命!」
という場合でしょう。
(それが健康的かどうかは別の問題でw)
残念ながら、ダニエルズ先生が「中2週」でフルマラソンを再び走るためのプランを立ててくれてはいません。
なので、自分でアレンジするしかありません。
目次
どちらのレースも頑張りたい!
結論から言うと
2レースとも頑張るのは、あまりオススメは出来ません。
「1レース目でPB達成!2~3週間後の2レース目でさらにPB達成!!」
そんな経験を持つランナーもいらっしゃるでしょう。
でもそれは、1レース目でタイムを伸ばしきれなかった原因があると思います。
コース的にアップダウンがキツかった、暑かった、調子が悪かった、怪我の影響があった、PBとはいえタイムを伸ばしきれなかった要因は様々だと思います。
で、2レース目でいくつかのマイナス要因が解消されて、再びPBを出せた。
そんな感じではないでしょうか。
なぜなら、中1週や中2週で走る2レース目のフルマラソンは、ガチで走ってPB達成した1レース目の疲労が、身体の芯に確実に残っているハズなんです。関節の炎症も治りきっていないかもしれない。
もし2レースとも同じような条件で両方PBを出せたとすれば、走力的には2レース目でのPBよりもさらに高いレベルの走力を有している可能性が高いです。疲労残りでPB出せるのですから。
「どちらも頑張りたい!」
という気持ちで走ると、普通2レース目は疲労残りで苦しむレースになりますし、怪我のリスクも高いです。いや、そもそも身体に超悪い(笑)
疲労や痛み・違和感などを抱えたまま、練習やレースを継続する事は、ランナー人生を確実に縮めます。
でも走れちゃうんですよね。元気なうちは。
「ヤバかったんだ」と分かるのは、数年~10数年後に取り返しがつかなくなってからだから怖い。
先日記事にさせて頂いた、下のような事と同じになってしまいます。
「全力を尽くしたレース後、すぐに練習を再開する」
「ポイント練習で頑張りすぎる」
「痛くても走る、走って治す」
「月間500kmとか600kmを超える距離を年中走る」
そんなランナーは、みんないなくなったって言うんです。
どちらかを「手抜き(足抜き?w)」した方が、心身ともに負担は少ないでしょう。
・1レース目は2レース目のための練習レース
・1レース目でPB狙い、2レース目は風景やエイドを楽しむファンラン
特に1レース目を練習レースとして、ある程度抜きながら走れたなら「超回復」した2レース目で良い結果を得る事も多いので、「ここぞ!」というタイミングであればオススメ出来ます。
「レース3週間前の仕上げのロング走」
と同じ効果ですね。
でも、レースだつい頑張っちゃう事も多いので、要注意です。
それでも
「んな事は分かってんだよ!あえて両方とも挑戦したいんだ!」
というランナーもいるでしょう。分かります。そんな私も中1週で両方ガチレース、やった事がありますから(笑)
私の場合は全然ダメで、2レース目は途中で「ヤバい」と感じてファンランにしました^^;
そんなチャレンジャーのための練習例です。
レース2週間後に次のレースがある場合の練習メニュー例
レースの2週間後にまたレースだと、14日しかありません。
レースから1週間は、やってもジョグを2~3日(通常時の半分の距離で充分)、とにかく疲労抜きするだけの週。
翌週水曜日に少し刺激入れして、4日後の日曜日に本番。…あっという間!
ほぼ何も出来ません(笑)
とにかく、疲労だけは可能な限り抜いて2レース目に臨むのみ。
レース3週間後に次のレースがある場合の練習メニュー例
レースの3週間後に再びレースの場合。21日あります。
2レース目の3週間前に1レース目なので、3週間前の仕上げのロング走的な感じにはなってますが、そこは何と言っても「PBを狙って全力で走ったレース」。
その後の1週間は疲労抜きメインで、やっても2~3日のジョグ(通常時の半分~8割ほどの距離)でしょう。
2レース目・2週間前の週末も回復メイン、10kmジョグやEペースなどで充分。
翌週はジョグ2~3回(通常通りの距離か、疲れていれば少なめの距離で)+水曜日、レースから10日後にポイント練習。
芯に疲労が若干残っているものの、フルマラソンを何度も走っているランナーであれば、ポイント練習が出来ると思います。
閾値走やIペース走(5本)など、スピード練習を実施。疲労が残っている感じがあれば、ペースは少し落として。刺激入れとフォームを確認するくらいの気持ちでも良いと思います。
レース1週間前。通常の調整練習では10km~12km走が多いですよね。
身体の状態にもよりますが、出来るのであればレースペースか、それより少し速いペースで。
疲れているようであれば、20分の閾値走、それも無理ならEペースで。
レースまでの最後の週は、ジョグ2回ほど(通常時の半分の距離)と、水曜日に軽めの刺激入れ(閾値ペースで2~3kmやIペース1000m×2本など)
私がフルマラソンのあと、3週間後に再びフルを走る時は、そんな練習をして臨んでいます。
最後にもう一度だけ。
身体の強さは人それぞれ違います。
「アイツはよくレースの3週間後にフル走ってるから、オレも大丈夫だろう」
と思わないでください。周りの人に
「いやぁ、全然イケるでしょ!」
って言われても、流されないでください。
無理や無茶をしても大丈夫な人はいるかもしれませんが、あなたはあなたが思ってるほど強くないかもしれない。
カラダって「ある一定のレベル」までは傷ついても割とすぐ回復しますが、デッドラインを超えると戻るのに数ヶ月~数年、いや、ずっと戻らなくなってしまった人もいます。
「ランニングはおっかない」
それだけは忘れずにいてくださいね。