初めてフルマラソンに挑むランナーが選ぶべきランニングシューズについて、シューズ沼にハマって今まで様々なシューズを散々履いてきた私がお伝えさせて頂きます(笑)
厳密に追求していくと、人それぞれ足型・着地・※プロネーション・走力・脚の強さ、全て違うので
「個々人に合ったものを選んでください」
という結論で終わりそうです^^;
フルマラソンに挑もうというランナーですので、もしかしたらすでにジョギングシューズは持っており、そのシューズで日々練習を積んだ上で
「フルマラソンはどんなシューズを履けば完走出来るか」
あるいは
「いかに良いタイムで走れるか」
と考えているかもしれません。
結論から言うと
「日々の練習シューズでフルマラソン挑むのもアリ」
だと私は考えています。
いや、むしろ慣れ親しんだ練習シューズが、フルマラソンという長い距離を走るには問題が発生しにくく、最も楽に速くゴール出来る「最適なシューズ」の可能性が高いです。
実際私もサブ4達成を目指している頃から3時間20分を切るまで、練習で使っていたシューズとレースで使っていたシューズはいずれも同じシューズで、ミズノの「ウェーブライダー」でした。
ただ私は同じシューズを、練習用と本番用で2足持ってました。
どうしても日々練習で使うシューズは消耗してしまいがち。
一般的なランニングシューズの耐用距離は600km~800kmほどと言われます。
本番は「シューズの性能」をしっかり発揮できる、新しめのものを使っていました。
走る慣れているシューズ、長い距離を走っても問題が発生しないと分かっているシューズが一番良いと個人的には思っています。
であれば、日々のジョグシューズ選びが、大事なフルマラソンのレース結果を左右する、最も大事な選択という事になります。
日々の練習で走りやすく、かつレースの42.195kmを共に走って最後までサポートしてくれる相棒を探す、というイメージの方が良いかもしれませんね。
以下「レースシューズ」は「日々のジョギングシューズ」と同じ意味合いで考えてもOKです。
目次
初心者が選ぶレースシューズ、2つのポイント
初心者がフルマラソンのレースシューズを選ぶ時に最も大事な事。それは
2.「走りやすいこと」
です。
1.「問題が発生しないこと」とは
「問題」というのは履いた時に違和感がない、走ってみてどこか痛くなるような事がない、レースの終盤でもトラブルを発生させない、という事です。
特に、シューズの軽さやソールの薄さを意識してわずかなスピードを追い求めるより、いかにフルマラソンの終盤で身体のダメージを少なく、脚が無くならないようにするかが最重要であり、最も苦しまないで、かつ速くゴールするために大事なポイントです。
ジョギング中でも、フルマラソンのレース中でも、トラブルが発生したら大変な目に合います。
2.「走りやすいこと」とは
「走りやすい」というのは「問題が発生しない」という前提があった上で、その先の個々の感じ方になります。
例えば、私が今でも日々のジョギングで愛用しているミズノ ウェーブライダー。
私は走りやすくてこのシューズで日々走り、フルマラソン3時間20分を切るまでレースでも使っていました。
でも、このシューズが誰にでも”走りやすい!”となる事はありませんよね。
走りやすいシューズは、誰かに教えてもらえる事ではありません。自分でシューズに足を通して走ってみて、初めて分かるものです。
是非、色々なシューズを試してみて頂きたいですが、「走りやすい」という条件の前に大事な「問題が発生しないこと」について少し掘り下げます。
走力に合ったシューズ選び
初マラソンに挑むランナーでも、幅広い走力差があります。
初フルマラソンでのサブ3を達成するランナーは少なからずいますし、サブ3.5(3時間30分切り)やサブ4(4時間切り)をするランナーは、さらに多くいるでしょう。
しかし、ここではもう少しゆっくりと完走を目指すランナー寄りに、4時間30分~制限時間一杯を使って走る方むけのお話です。
ソールについて
ソール(靴底)が薄いシューズは、フルマラソンのような長い距離を走るのに向いているとは言い難いです。
身体や脚にダメージを受けやすく、フルマラソンの終盤に問題が発生する可能性が非常に高くなります。
私は一応サブスリーランナーですが、サブスリーランナー向けと言われるソールの薄いシューズを履くと、ハーフマラソンでも足裏が燃えるように痛くなります^^; (例:ターサージール、匠戦、ウェーブエンペラー等)
各メーカーは「シューズチャート」のような「走力別おすすめシューズ」を提示してくれています。
「サブ3.5を目指すランナーが選ぶべきレースシューズについて考える。」でも記載したのですが、フルマラソンのレース中にシューズに求める性能によって、シューズ選びは変わってきます。
でも「フルマラソンを何とか完走したい!」という方であれば、多くの方はスピードの不安よりも距離の不安感の方が大きいと思います。
であれば、やはりシューズのソールが厚い方が、脚や身体に受けるダメージは確実に少ないですし、フルマラソンの終盤でもしっかり身体をサポートしてゴールまで進むことの出来る可能性が高まります。
「ソールが厚いと重さが気になる…」
という方もいるかもしれません。
しかし完走を目指すランナーであれば、ある程度の重さ(250g~300g前後ほど)で日頃も練習していれば、本番でもさして気にならないと思います。
ナイキ厚底シューズについて
設楽悠太選手や大迫傑選手が使って日本記録を出した事でブレイクした感もある、ナイキの厚底シューズ。
先日(2019年10月12日)には、キプチョゲ選手が非公認とはいえ、人類初のサブ2を達成するために使ったシューズとしても話題になりました。(動画は音が出ます)
HISTORY! pic.twitter.com/qjLfofhL5s
— Eliud Kipchoge – EGH🇰🇪 (@EliudKipchoge) October 12, 2019
「初心者はソールが厚い方が良いなら、ナイキのズームフライやヴェイパーフライ4%でも良いのでは?」
という方もいらっしゃるかもしれません。
確かに厚底によって身体のダメージが少ないのは確かです。
しかし、機会があればズームフライを実店舗で試着してみてください。
「なんだか走りづらい…」
と感じる方が多いと思います。
これは、走った時の着地が足裏の真ん中(ミッドフット)や母子球の辺りで着地する(フォアフット)ランナー向けのシューズだからです。
ヴェイパーフライ4%など、ただ立つだけで不安定です^^;
制限時間をいっぱいまで使って完走するランナーの方は、主にかかと着地(ヒールストライク)になります。
ナイキの厚底シューズであれば、エピックリアクトやオデッセイリアクトが、かかと着地でも走りやすい、完走を目指すのに適したシューズだと言えます。
私は2018年のサロマ湖100kmウルトラマラソンでエピックリアクトを履き、シューズのお蔭で終盤までダメージが少なく感じられ、初めてサブ10(9時間56分14秒、平均5’58/kmペース)する事が出来ました。
プロネーションを考慮したシューズ選び
出典:https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/running/road
プロネーションとは、走る時の動作の一連の流れの事です。
足裏で着地する際、外側から着地して内側に倒れ込んでいき、衝撃を吸収する動作です。
内側に倒れ込む際に倒れ込み過ぎる場合を「オーバープロネーション」、
通常の倒れ込みであれば「ニュートラルプロネーション」、
外側に倒れ込み過ぎる場合は「アンダープロネーション」と言われています。
これはなかなか自分では判断しかねるので、専門店でアドバイスをもらうのが良いですが、O脚の人、まっすぐ立った時に外くるぶしが外に出っ張っている人、シューズの踵の外側が削られたように減る人は、オーバープロネーションの可能性があります。
片足にだけトラブルが発生する方。鵞足炎やシンスプリントなど。
そいういうランナーは、片足だけオーバープロネーションという可能性もあります。
左足だけ問題が発生しやすい私のことです(笑)
オーバープロネーション用のモデル、ニュートラルプロネーション用のモデル、いずれもラインナップされていますが、インソールでプロネーションに対応するのも一般的になってきたため、あえてシューズにはプロネーションについての記載をしないモデルも多いです。
ただ、実業団で走るような速いランナーでもオーバープロネーションのまま走っている人も結構見受けられます。
脚に問題が発生していない状態であれば、特に気にして考えるほどではありません。
試着時の注意点
ランニングシューズを選ぶ時、実際に履いてみて、納得の上で購入するのが一番です。
その際の注意点として
1.サイズ感
自分の足のサイズをザックリと知ってる方は多いと思いますが、一度しっかりランニングシューズを扱う専門店でサイズを計測してもらうのがオススメです。
この時、カカトからつま先までのサイズだけでなく、足の幅(足囲・ウィズ)も確認しましょう。
同じタイプで複数のウィズを展開しているシューズがあります。
メーカーによって異なりますが、ワイド・レギュラー・スリムという表記や、E~4Eという表記で表示されています。
2.試し履きの時間
普通の靴を選ぶ際には夕方が良いとされていますが、夕方は足がむくんで大きくなっている事が多いです。
100kmウルトラマラソンで使うシューズなどを選ぶ際は、レース中に足がむくんでくるので夕方の試し履きをしたり、ワンサイズ大きめのシューズを選ぶ事があるのですが、ジョグシューズ・フルのレースシューズを選ぶ際は、足がニュートラルな状態の午前中が望ましいです。
むくんでいる状態の足でシューズを選ぶと、いざ午前中のレースで使う際に「ブカブカだ…」という事にもなりかねません。
3.出来るだけ走る時の状態で試し履きを
分かっていても、ついついラン用ソックスを履いてこなかったり、片足だけ試し履きして「OK!」ってしちゃいがちです。
試し履きをする時は、出来る限り走る時に近い状態にする事で、より正確にフィットするシューズを選ぶ事が出来ます。
4.様々なメーカーのシューズに足を入れてみる
シューズ選びは機能とサイズ感が大事ですが、様々なメーカーのシューズに足入れすると分かる事があるかもしれません。
「足入れが柔らかくて履きやすい」
「しっかり足を守ってくれそうだ」
「履いたら意外とカッコ良かった(笑)」
などなど。
デザインも様々ですので、色々と試してみてください。
フルマラソン完走するための、オススメシューズ
で、結局フルマラソンを完走するために選ぶべき、オススメのシューズは何か。
まずはこの四大メーカーから選べば間違いは無い!という中から、ご紹介します。
1.アシックス
日本のマラソン界を黎明期から支えた、ランニングシューズメーカーを代表する存在。
1953年(昭和28年)に「マラソン足袋」の第1号を発売、以来国内のマラソンシューズ界ではトップシェアを誇ります。
そんなアシックのランニングシューズチャートはこちら。
この中でも「GT-2000」は多くの初心者ランナーをフルマラソンのゴールに導いてきた、世界で最も売れてると言われるランニングシューズ。
海外のレースではGT-2000でサブ3しているランナーも見受けられるほど、上級者でさえ愛用者が多いです。
私が所属しているチームで走力の高いランナーがGT2000を履いていますが、全く敵いません^^;
私も一番最初に購入したシューズは「GT-2000 」でした。
おにゅーのシューズで
ランニング💨【GT-2000 7】
安心と安定のGT-2000シリーズの
履き心地でした😊ニューアイテムは
モチベーションが上がりますね⬆#ASICS#GT2000 #ランニング pic.twitter.com/JAAzbJTpJR— ゆっしー@長野マラソン (@yusyrun) 2019年1月8日
2.アディダス
ドイツ発祥の世界的スポーツメーカー、アディダス。
アディダスの前身である「ダスラー兄弟商会」が1920年に発足、日本に知られるようになったのは1960年代後半から。現在では三本ラインのアディダスシューズはお馴染み。
そんなアディダスのシューズチャートはこちら。
出典:https://shop.adidas.jp/running/chart/
アディダスは「LONG RUN」のカテゴリー内にある、厚めのブーストが入ったシューズの中から選択する事になりますが、人によっては厚すぎるブーストが「沼地をズブズブ走ってるようだ」という感想を持つかもしれません。
…あ、私が「ウルトラブースト」を履いて、そういう感想を持っただけですが^^;
シューズショップで何種類か試しに履いてみて、合うものを選択して頂きたいですが、個人的にはエナジーブーストやグライドブーストが、ズブズブ過ぎない程度にクッション性があり、お値段的にもある程度の手頃感があるかな、と感じました。
3/11:朝ラン。毎日用に新調した、アディダスエナジーブースト。#アディダス #ランニング #エナジーブースト #ガーミン #朝ラン pic.twitter.com/Fkk1vbR6Im
— ktzm (@kitajima7777) 2018年3月11日