3時間10分切りの為の練習を考える

フルマラソンで3時間10分を切ること。

3時間ヒトケタへの挑戦は、男女共に節目となるタイムではないでしょうか。

男子であれば、念願の「サブ3」達成のためにクリアしておきたい、ステップとしての大事なポイントでありますし、3時間一桁を生涯ベストとして達成したい方もいらっしゃるでしょう。

女子であれば、大阪国際女子マラソンへの参加資格を獲得・国際ランナーとなるためのボーダーラインであり、かなりのハイレベル。(2021年はコロナの影響で参加者を絞り込むため、参加基準が2時間50分でしたが^^;)

3時間10分を切るレベルになると、レース全体の平均ペースを4’30/kmで走りきらないと達成出来ません。

いよいよ、フルマラソン4分20秒台/kmでの巡航です。

イーブンペースで終盤ゆるやかにペースダウンするような一般的なレースプランであれば、少なくとも4’25/km前後での巡航が必要。

「30kmまでは4’25/kmでいけたとしても、そこから大幅ペースダウンしてしまう」

「4分30秒台/kmならまだしも、4’25/km前後での巡航は結構キツい…」

そんなイメージを持っているような方と共に、3時間10分切り(サブ3.10)に向けた練習を考えたいと思います。

4分25秒/kmで無理なく巡航するために

記事の内容は以下の動画でも解説しています!

通常のレースプランで3時間一桁を狙うには、4’25/km前後で、少なくとも30kmまではペースダウンせずに巡航する走力が必要です。

VDOT的に3時間一桁を狙える、他の距離の目安を見てみると

VDOT51が3時間10分切りの目安となります。

5km 19’36/km(3’55/km)

10km 40’39(4’03/km)

ハーフ  1’30’02(4’16/km)

各距離で必要とされるタイムは上記です。

VDOTについて詳しい記事はこちら

【解説動画】練習の基本 VDOT 初心者にもわかりやすい ブログの内容は、以下の動画でも解説しています! VDOTとは VDO...

各距離で必要とされるタイムに達しているかどうかで、取り組む練習の内容は変わります。

すでに3時間15分を切っているランナーが対象となりますが、全ての基準をクリアしているようなランナーは「スピードタイプ」になるでしょう。

ハーフだけは基準に達している、ハーフと10kmは達している、他の距離はいずれも基準に達してはいないけど、フルだけは3時間15分を切っている、などの方は「スタミナタイプ」になるでしょう。

私は3時間10分切りに挑戦した時は

5km 18分30秒

ハーフ 1時間27分台

のスピードタイプ、練習としては

Tペース 3’55/km、インターバル3’45/km

で実施していました。

スピードタイプ・スタミナタイプ問わず、各距離のPBで一番高いVDOTとなる基準で練習のペース・メニューを決めて実施してください。

私が3時間10分を目指していた時の練習内容はこちら

3時間10分切り達成直前3ヶ月間の練習内容 2015年11月に開催されたつくばマラソンで初めて3時間10分切りを達成しました。 ここ...



スピードタイプのランナーが3時間10分を切るために

スピードタイプのランナーとはいえ、3時間一桁を目指すようなレベルになってくると、これまでにロング走を数多く実施してきているかもしれません。

それでも4’25/kmで30km以上ペースを維持するのは大変なこと。

なぜなら「スピード持久力」が必要とされるから。

レースペースでのペース走でも、少し気を抜いたり、わずかに疲れてくると4分30秒台/kmに落ちたりしないでしょうか。

「トップスピード」「瞬発力」があって、5kmや10kmだと筋力でどうにか押し切って走れても、フルは速いスピードで長い距離を耐え抜く力が必要。

そこを鍛えましょう。

30km地点までペースダウンせずに走る「スピード持久力」を鍛えるためには、ジョグやEペースでの30km走・35km走、速いペース(4’10/~4’15/km)での20kmやハーフ走、レースペースである4’25/kmでの30km走を実施していきましょう。

もちろんその先に「サブ3」を見据えるなら、引き続き閾値走やインターバルなどのスピード練習も継続実施していくことです。

それがこれから3時間10分、3時間5分、もしかしたらサブ3だって比較的容易に越えられる、スピードタイプのランナーにとってベースの走力、将来の伸びシロにもなります。

私はこの頃、岩本氏が提唱する「ソツケン」と呼ばれる15kmビルドアップを練習に取り入れて実施していました。

岩本式15kmビルドアップは5km単位での3段階式ビルドアップ。

1.最初の5kmは本番のレースペース。

【3時間10分なら22分05秒(4’25/km)】

2.次の5kmは最初の5kmより1分/5km速いペース

【3時間10分なら21分05秒(4’13/km)】

3.最後の5kmは直前の5kmより、さらに1分30秒/5km速いペース

【3時間10分なら19分35秒(3’55/km)】

10kmもナイスペースで走ってから、ラスト5kmが閾値走かそれより速いペースで走る事になるので地獄(笑)

でも、このビルドアップを本番の10日前に達成出来たら、本番での目標達成はかなりの確率で可能だと、岩本氏はオススメしています。

非常に負荷の高いポイント練習になるので、岩本氏は「他の6日は岩本式ビルドアップのためにある」とまで言っています。

ちなみに私は岩本式ビルドアップの実施を「3時間10分切り」を目指していたこの時以来、やめました。レベルが上がってくると、最後の5kmペースが速すぎると感じたからです。

サブ3を目指すとすると、設定は

20’50(4’10/km)-19’50(3’58/km)-18’20(3’40/km)

2時間55分で

20’20(4’04/km)-19’20(3’52/km)-17’50(3’34/km)

全く出来ません(笑) ヘタすると最後は5kmタイムトライアルより速くなる設定という^^;

こちらの書籍に岩本式ビルドアップなど、岩本氏の提唱する練習内容が詳しいですので、気になる方はどうぞ。

<スピードタイプ向け、3時間10分切り参考基礎構築期メニュー>

月 休養

火 ジョグ~Eペース60分~90分+WS(or坂ダッシュ)数本

水 閾値走20分+ジョグ5~6km、インターバル、ガチゆる走など

木 ジョグ~Eペース60分~90分+WS(or坂ダッシュ)数本

金 休養

土 ロング走30km(ジョグ~Eペース)、ミドル走(4’15/km~4’25/km)

日 セット練でのジョグ20kmや時間走(2~3時間)

水曜日ポイント練習 参考例

テンポ走(ペース走)40分閾値走

10km~15kmビルドアップ(5’00/km~3’50/km)

400mや500mのレペ×10本~15本

週末ポイント練習 参考例

15km~20km走(4’15/km~4’25/km)

駅伝・5km・10km・ハーフのレースを練習代わりに

<スピードタイプ向け、3時間10分切り参考本格練習期メニュー>

月 休養

火 ジョグ~Eペース60分~90分+WS(or坂ダッシュ)数本

水 閾値走20分+400mレペ3本、ジョグ5~6km、などなど

木 ジョグ~Eペース60分~90分+WS(or坂ダッシュ)数本

金 休養

土 ロング走30km(Eペース上限~Mペース)、変化走30km※1

日 セット練でのジョグ20kmや時間走(2~3時間)

水曜日ポイント練習 参考例

閾値走20分+10分、1000mインターバル3本+400mレペ3本、閾値走10分+1000mインターバル2~3本

ガチゆる走や10km~15kmビルドアップ(5’00/km~3’50/km)・変化走

週末ポイント練習 参考例

※1変化走30kmは様々なバージョンがあります

2km+1km、3kmを1セットとして10セット

4km+1km、5kmを1セットとして6セット

などなど。ペース設定の基本は

疾走区間:Mペース前後

レスト区間:Mペースから5%~10%落としたペース



スタミナタイプのランナーが3時間10分を切るために

スタミナに自信があるものの「4’25/km」というスピードが「厳しい」と感じるランナーは、4’30/kmでの完全イーブン、ないしは4’40スタートのネガティブスプリット狙いでも可能性はあります。

3時間10分切り達成のためのペース配分表

 一般型完全イーブン後半型
0km~5km22'00(4'24/km)22'30(4'30/km)23'20(4'40/km)
5km~10km44'00(4'24/km)45'00(4'30/km)46'40(4'40/km)
10km~15km1'06'00(4'24/km)1'07'30(4'30/km)1'10'00(4'40/km)
15km~20km1'28'00(4'24/km)1'30'20(4'30/km)1'32'30(4'30/km)
20km~25km1'50'00(4'24/km)1'52'30(4'30/km)1'55'00(4'30/km)
25km~30km2'12'00(4'24/km)2'15'00(4'30/km)2'17'30(4'30/km)
30km~35km2'34'30(4'30/km)2'37'30(4'30/km)2'39'10(4'20/km)
35km~40km2'57'50(4'40/km)3'00'00(4'30/km)3'00'50(4'20/km)
~42.195km3'08'20(4'47/km)3'09'54(4'30/km)3'09'50(4'10/km)

ネガティブスプリットの後半型、序盤のゆっくりペースを10kmまでにする、または5kmまでにする事によって、終盤のペースアップをゆるやかにすることが出来るので、アレンジして作戦を練るのも良いと思います。

スタミナタイプの練習としては、まず走歴によってメニューが変わります。

走歴が短いスタミナタイプのランナーが取り組むべきこと

まだ走り始めて3年未満のランナーであれば、Vo2maxに刺激が効率的に入るような1000mインターバルが非常に有効になる場合が多いです。

大嫌いな練習かもしれませんが(笑)

Vo2maxへの刺激によって走るためのエンジン自体が大きくなってトップスピードが大幅上昇、その結果、マラソンの巡航ペースも向上して同じペースでも楽になります。

もしかしたら4分27~28秒/kmでさえ厳しいと思っていたのに、いつの間にか4’20~25秒/kmで走るのが全く苦にならなくなる可能性だってあります!

そうすると大きく貯金しながらの巡航が可能となり、さらにスタミナに自信があるので、もし4’20/kmイーブンで走れたら

3時間3分ですよ!

夢がありますね~~( ´ ▽ ` )

<走歴が短いスタミナタイプ向け、3時間10分切り参考基礎構築期メニュー>

月 休養

火 ジョグ60分~90分+WS(or坂)

水 400mレペ×10本、1000mインターバル5~7本、閾値走など

木 ジョグ60分~90分+WS(or坂)

金 休養

土 ヤッソ800、10km~20kmのビルドアップや変化走※

日 120分~150分ジョグ、2~3時間走

※1変化走30kmは様々なバージョンがあります

2km+1km、3kmを1セットとして10セット

4km+1km、5kmを1セットとして6セット

などなど。ペース設定の基本は

疾走区間:Mペース前後

レスト区間:Mペースから5%~10%落としたペース

水曜日ポイント練習 参考例

10km~15kmビルドアップ(5’20/km~4’20/km)

200mレペ20本

400m~800mショートインターバル5本~10本

ショートインターバルとは何か ショートインターバルとは、通常の1000m~2000mのインターバルよりも短い距離(200m~400m、...

週末練習のポイント

※1変化走は距離やペースを変える事で無限のバリエーションがあります

2km+1km、3kmを1セットとして4~6セット

4km+1km、5kmを1セットとして2~4セット

などなど。ペース設定の基本は

疾走区間:Mペース前後

レスト区間:Mペースから5%~10%落としたペース

あるいは、駅伝・5km・10km・ハーフのレースを練習代わりにしても効果的♪

走歴が長いスタミナタイプのランナーが取り組むべきこと

もし走歴が長い、すでにインターバルなどの練習を真面目に何年も取り組んできているランナーであれば、Vo2maxへの刺激が主目的となるような練習は少し控えめにした方が良いでしょう。(全くのゼロにはしないですが)

LT(閾値)・ランニングエコノミー・クリティカルパワー向上を目指すメニューを平日の中心に据えて、週末は実践的なMペース(マラソンペース)を使いながら鍛える。

つまり”トップスピード”を上げる取り組みではなく(それは望み薄だから^^;)、少しでもマラソンペースが向上するような努力をしていく事になります。

加えてスタミナもしっかり維持していく、そんな内容で3時間10分切りにアプローチするのが良いと思います(^^)

<走歴が長いスタミナタイプ向け、3時間10分切り参考基礎構築期メニュー>

月 休養

火 ジョグ60分~90分+WS(or坂)

水 閾値走20分(レスト3~5分)+10分(レスト2~3分)+5分、閾値15分×2など

木 ジョグ60分~90分+WS(or坂)

金 休養

土 ヤッソ800、10km~20kmのビルドアップや変化走※

日 120分~150分ジョグ、2~3時間走

水曜日ポイント練習 参考例

ガチゆる走、10km~15kmのビルドアップ、変化走

400mレペ10本

400m~800mショートインターバル5本~10本

ショートインターバルとは何か ショートインターバルとは、通常の1000m~2000mのインターバルよりも短い距離(200m~400m、...

週末ポイント練習 参考例

※1変化走は距離やペースを変える事で無限のバリエーションがあります

2km+1km、3kmを1セットとして4~6セット

4km+1km、5kmを1セットとして2~4セット

などなど。ペース設定の基本は

疾走区間:Mペース前後

レスト区間:Mペースから5%~10%落としたペース

あるいは、駅伝・5km・10km・ハーフのレースを練習代わりにしても効果的♪

スタミナタイプが実施すべき、3時間10分切り本格練習期のメニュー

最後に、走歴が長い・短いに関わらず、レースが2~3ヶ月後に開催される予定であり、いよいよ本格的な練習に取り組む時期に実施すべき練習メニューの参考例をご紹介します(^^)

<スタミナタイプ向け、3時間10分切り参考本格練習期メニュー>

月 休養

火 ジョグ~Eペース60分~90分+WS(or坂ダッシュ)数本

水 閾値走20分+400mレペ3本、ジョグ5~6km、などなど

木 ジョグ~Eペース60分~90分+WS(or坂ダッシュ)数本

金 休養

土 ロング走30km(Eペース上限~Mペース)、変化走30km※1

日 セット練でのジョグ20kmや時間走(2~3時間)

水曜日ポイント練習 参考例

閾値走20分+10分、1000mインターバル3本+400mレペ3本、閾値走10分+1000mインターバル2~3本

ガチゆる走や10km~15kmビルドアップ(5’00/km~3’50/km)・変化走

週末ポイント練習 参考例

※1変化走30kmは様々なバージョンがあります

2km+1km、3kmを1セットとして10セット

4km+1km、5kmを1セットとして6セット

などなど。ペース設定の基本は

疾走区間:Mペース前後

レスト区間:Mペースから5%~10%落としたペース

まとめ

男子にとっても難易度の高い3時間10分切りですが、女子にとっては「大阪国際女子マラソン」のかかった特別なレベルでもあります。

「こんな教科書的な練習をいくらやっても到達出来ない…」

という方がいるのも知っています。練習の質も伴った月間400km~500km、もしかしたらそれ以上の距離を走ってる、それでも「あとひと伸び」が非常に難しいと感じているランナーもいるでしょう。

そんな方はこちらの記事も合わせて見てください。もしかしたらヒントがあるかもしれません。

教科書通りのトレーニングをしていて「越えられない壁」が出てくるタイミングというのは、長くランナーとして記録に挑戦し続けていれば、必ずやっ...

見事、3時間10分切りが達成出来ますように!

頑張ってください!

3時間10分切りに挑戦した、2015年11月つくばマラソンレースレポはこちら

2015年11月のつくばマラソンで、初めて3時間10分切りを達成しました。 3時間10分切りを目指す方の参考に少しでもなれば幸...

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