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【解説動画】ストライド走法とピッチ走法、結局どっちが良いんだ!? 結論はコレだ!
ブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
正しいピッチってあるのか
「ストライド走法とピッチ走法、どちらが良いのか?」
「分かりません」
ストップ!ブログを閉じないで(笑)
だって、自然に走るのが一番だと思ってたからー。
自分の1分間のピッチとか、ストライドの広さとか、そこまで深く考えたことが無かったんですよ。
でもそれは、自分がピッチ数が起因となるトラブルによる悩みがなかったからだと分かったんです。
でも先日、ラン友から
「オレはピッチが160くらいだから、180前後にしたい」
っていう話を聞いたんだ。
「あー、なるほどなー」
って思った。
そのラン友、ハーフは90分を切って走れるし、短い距離のスピードもある人。
でもフルマラソンになると3時間30分前後くらいがベストタイム。
彼の各距離のレース記録をVDOTに当てはめると
フルマラソンの記録だけ大きく離れているので「スタミナ不足」といえる状態。
でも、彼は脚の怪我が多い人で練習でたくさんの距離を走れないとのこと。月間走行距離も200kmほどしかいかず、ゆえにスタミナや身体の強さも獲得しにくい状態。もどかしく思っている感じ。
そして、怪我の原因の1つは「ピッチの少なさ」だと。
ピッチは人によって異なるけど、速く走ろうとしてもピッチに大差は出ない。
世界記録を出すようなランナーでも、ピッチが250とかはありえない。
今年のベルリンマラソンでキプチョゲ選手が2時間1分39秒の世界記録を出した時、15km地点のピッチは189、40km地点のピッチは186だった。自分で映像を見て数えた(笑)
スピードを上げるときに主に変化するのは「ストライドの長さ」。
同じペースで走っているのであれば、ピッチが速い人よりピッチが遅い人は、滞空時間や空中移動距離が長くなって、体重の上下移動や接地の衝撃は大きくなる。
ランニング障害の多くが「着地衝撃」によって引き起こされると考えると、着地の衝撃が少なく、エネルギーを効率的に使えると思われる「ピッチ走法」にしたくなるのは分かるなーって。
ダニエルズさんは選手たちが怪我に苦しむことのないように、ストライド走法の選手をピッチ走法に変えさせているということです。
故障しないランナーの多くは、軽く速い脚の運びに適応する。私は選手たちが苦しむことのないように、接地の衝撃が小さく、エネルギーをより効率的に使えるピッチに変えさせている。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
つまりダニエルズさんは、長距離を走るには「ピッチ走法のほうが正しい」と考えていたということになります。
脚の回転が遅いと良くないのは、ピッチが遅い分、滞空時間と空中移動距離が長くなり、体重の上下移動や接地の衝撃が大きくなることである。ランニング障害の多くが接地時の衝撃に起因することを考えると、ベテランランナーのほうが初心者よりも脚の回転が速いというのもうなずける。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
一流選手のピッチ
キプチョゲ選手のピッチを数えていたら、他の選手のピッチも気になったので数えてみました。(動画を見て自分で数えたピッチなので、正確性は担保されませんw)
名前 | 15km地点 | 40km地点 | 変動率 | タイム | 大会名 |
---|---|---|---|---|---|
キプチョゲ | 189 | 186 | 98.4% | 2'01'39(WR) | 2018ベルリン |
ファラー | 174 | 177 | 101.7% | 2'05'11(NR) | 2018シカゴ |
大迫傑 | 186 | 183 | 98.3% | 2'05'50(NR) | 2018シカゴ |
ラップ | 189 | 186 | 98.4% | 2'06'07 | 2018シカゴ |
鈴木健吾 | 198 | 204 | 103% | 2'04'56(NR) | 2021びわ湖 |
高岡寿成 | - | 177 | - | 2'06'16 | 2002シカゴ |
中山竹通 | 198 | 183 | 92.4% | 2'08'18 | 1987福岡 |
瀬古利彦 | 198 | 207 | 104.5% | 2'08'52 | 1983福岡 |
F.ショーター | - | 174 | - | 2'12'19 | 1972ミュンヘン |
高橋尚子 | 205 | 195 | 95.1% | 2'23'14 | 2000シドニー |
野口みずき | 200 | 186 | 93% | 2'26'20 | 2004アテネ |
一山麻緒 | 204 | 204 | 100% | 2'20'29 | 2020名古屋W |
げん(笑) | 201 | 2'52'12 | 2018つくば |
ピッチは170台から200台までランナーによって様々ですが、私は勘違いしてました。
ストライド走法=ピッチが少ないって思ってましたが、ストライド走法って言われているランナーでも、ピッチが多い人がいるんですね。
高岡寿成選手やF.ショーター選手はストライド走法でピッチが少ないですが、中山竹通選手や野口みずき選手は「ストライド走法」で有名ですが、前半200前後というピッチの多さ。そりゃ速いわけだ。
ストライドが大きくてピッチも速ければ疲労もダメージも大きいのか。終盤にピッチ落ちが大きいようにも思いますが、何といってもサンプル数が少なすぎですねw
ファラー選手のピッチの少なさや瀬古利彦選手の終盤のピッチの上げ具合などが目立ちますが、当然ながら一流選手は、ピッチの数、終盤もあまり落ちないランナーが多い。
疲れてくると明らかにピッチが落ちてくるのを自分はレース中に感じますが、ピッチを落とさないように意識して終盤頑張ってみようかな、と思えます。
ここまでやると各ランナーの「ストライド」の広さについても検証してみたくなりますが、それはまた今度(やるのか?笑)
【追記】
やりました(笑)
名前 | 平均ストライド | 身長 | 身長比 | タイム | 大会名 |
---|---|---|---|---|---|
キプチョゲ | 185cm | 167cm | 111% | 2'01'39(WR) | 2018ベルリン |
大迫傑 | 182cm | 170cm | 107% | 2'05'50(NR) | 2018シカゴ |
設楽悠太 | 167cm | 174cm | 96% | 2'06'11 | 2018東京 |
高岡寿成 | 187cm | 186cm | 101% | 2'06'16 | 2002シカゴ |
中山竹通 | 179cm | 180cm | 99% | 2'08'18 | 1987福岡 |
瀬古利彦 | 164cm | 170cm | 96% | 2'08'38 | 1983東京国際 |
F.ショーター | 177cm | 179cm | 99% | 2'12'19 | 1972ミュンヘン |
高橋尚子 | 145cm | 163cm | 89% | 2'19'46 | 2001ベルリン |
野口みずき | 151cm | 150cm | 101% | 2'21'37 | 2007東京女子 |
松田瑞生 | 140cm | 158cm | 89% | 2'22'44 | 2018大阪女子 |
げん(笑) | 122cm | 168cm | 73% | 2'52'11 | 2018つくば |
ピッチは一流選手と、私のような市民ランナーでも大差が無かったのに、ストライドの大きさは一目瞭然。
あまりの大差にビックリw
やっぱり速くはしるには、ピッチじゃなくてストライドを伸ばすのが良い…いや、ストライドは意識的に伸ばそうとすると怪我に直結する。
自然にストライドが伸びるように、違う方向からアプローチするのが吉ですね。
まとめ
自分のピッチが160台で怪我が多い、終盤に脚が無くなって大きくペースダウンする事が多い、という方。
ストライドを少し狭めて、ピッチを増やす走り方に変えたら、怪我が少なくなったり、フルマラソンの記録が伸びる可能性があります。
フォームを変えたりピッチを変えたりするのは難しく、それが自分の中で固まるまで時間はかかるかもしれませんが、苦しんでいる方はやってみる価値はあると思いますよ!
まずは20秒ほどフルマラソンで走るように走ってみて歩数を数え、それを3倍し、自分の1分間のピッチを把握してみてはいかがでしょうか。
【追伸】2019年6月13日
前述のラン友は、数ヶ月単位でピッチを160→180にする取り組みを実施して自分のものとし、怪我が激減。
怪我が減った事で走り込みも出来るようになり、2019年洞爺湖マラソンでは3時間15分までPBを一気に更新、喜びのゴールを迎えていました!
おそらく今後は一層の走り込みが可能になり、フルマラソンのベストタイムはさらに伸びていく事でしょう。