今回のご質問は、フルマラソンのレースが近づいているのにモチベーションが上がらない、やる気が出ない、撃沈の不安が大きい、そんな時はどうすれば良いか?についてです。
レースまで数日なのにモチベーションが上がらない要因は、様々な事が考えられます。
「練習が思うように積めなかった」
「予定しているペースで走ってゴール出来るか不安で…」
「疲労が抜けきらなくて疲れているような気がする」
「脚が痛くて走れるかどうか分からない」
「レース当日の天気予報が雨なので、行きたくないw」
PBを目指して練習も充分に積めてきて自信満々、あとはレースで練習通りにトレースするだけ、そんな状態であればモチベーションも最高潮でしょう。
しかし、毎回レース前がそういうベストな状態とは限りません。
そんな時にどうしたら良いか。悩ましいところです。
目次
レース前日、モチベーションが下がっている。どうしたら良いか。
読者からのメール内容
げんさん、こんにちは^ ^ Mです。
明日は徳島マラソンのレースなのですが、アドバイスをいただきたくメールをいたしました。
東京マラソン後、疲労抜きで1週間休養し、今週は月曜日にジョグ5㎞、木曜日に閾値走3㎞をしました。
東京マラソン後はかなりの筋肉ダメージがありましたが、今は回復して脚の状態も問題ありません^ ^
今シーズンラストのフルマラソンで、再びサブ3.5に挑戦するぞ!っと気合を入れていたのですが、ここ数日サブ3.5ペースだと東京マラソン同様30㎞付近で撃沈するんじゃないか?ラストぐらいは気持ちよくゴールしたい、などの思いでモチベーションが下がってきていますf^_^;
結果サブ3.5を狙いたい、気持ちよくゴールしたい両方の思いで当日のランニングペースをすごく迷っています。
げんさんの経験上で構いませんので、ペースのアドバイスをいただけたら幸いですm(_ _)m
お恥ずかしいお願い申し訳ありません。
★★★
【補足】
Mさんはサブ3.5を目指して、3月3日に東京マラソンを走りました。
東京マラソンは気温5℃の雨の中という過酷なコンディションの中で激走したものの、30kmで右足が攣り、その後は左足も攣ってまともに走れなくなり、サブ3.5ならず無念のゴールとなりました。
しかし、Mさんは東京マラソンの2週間後である3月17日に徳島マラソンにもエントリーされていました。
そこで再びサブ3.5への挑戦を目指していたものの、モチベーションが上がってこない事を悩んでいる、という訳です。
モチベーションが上がらない原因は?
Mさま
こんにちは(*^^*) メッセージありがとうございます!
東京マラソンのダメージも薄らいできたのですね。良かったです♪ レース後1週間の休養、今週のジョグと閾値走3km、良い流れだと思います。
さて、徳島マラソンについてです。
何故モチベーションが下がっているか。Mさんの現状から察するに、理由として考えられる事は、1つだけだと思います。
脚はなんとなく元気になってきていたとしても身体の芯や心に疲労が残っていて、まだ頑張る気力が満ち溢れてこないからではないでしょうか。
心身共に疲れていると、PB目指して速いペースで巡航しなければいけないような厳しいレースの事を考える時に
「あぁ、走りたくないな…」
と思ってしまいます。
ブログにも記載していますが、個人個人で差はあっても、フルマラソンの疲労が完全に取れるには1ヶ月程度かかります。
身体の表面上の疲労が抜けてきたとしてもレースから2週間では、気持ちの面や身体の芯に疲労が残っている事が普通です。
そういう気持ちの時は身体も疲れてるので、怪我もしやすいもの。
それでもスタートして走り出してしまえばサブ3.5を目指すペースで巡航出来るかもしれません。
しかし、疲労残りが確実にあるため、かなり早い段階でペースダウンして苦しいレースになる可能性もあります。
ご自身の身体の声を聞きながら、最初から少しゆっくりめのペースでファンランでも良いですし、もしかしたら徐々に調子が良くなってきてペースを上げられるかもしれません。
ゆっくり走り出せば良いんだ、と思えば少しは気が楽になりませんでしょうか。
レースペースで走り出して途中で苦しくなったら無理せずペースダウンすると決めておくのも、気楽にスタート出来て良いと思います。
しかし、今シーズンラストのレースで気持ち良くゴールまで走ってみたい!PBも狙いたい!でも最初からレースペースで苦しくなるのはイヤだし…という気持ちであれば、1つご提案です。
もし挑戦した事がないのであれば、一度本気でネガティブスプリットを狙ってみては。
決まると本当に気持ち良いゴールを迎えられますし、ダメだったとしてもランナーとしての経験を積めます。
ネガティブスプリットは序盤ゆっくりペースです。苦しくないです。身体も気持ちも温まってからペースアップしていけるので、モチベーションが低くても気持ち的に楽にスタート出来ます。
何事も自分で挑戦してみるのが大事です。
新たな挑戦は少しワクワクする気持ちにもなりますし、挑戦した事で何かを掴むキッカケになる事もあります。
ネガティブスプリットでサブ3.5を達成するのであれば、目安は10kmまで5’05/km~5’10/km、身体が温まってきて自然とペースが上がるようであれば10km手前でも流れに任せて4’55/kmまではペースアップしてください。
10km~30kmまでは4’55/km前後。ここの区間はペースを必ず守って上げない、下げない、頑張らない。静かに巡航。終盤のペースアップに備えます。
30km地点からMさんの徳島マラソンスタート。
4’50/kmで40km地点まで頑張ります。
序盤わずかに登り、終盤は多少アップダウンはあるものの、わずかずつ下っていく徳島マラソンであれば、現実的なラップだと考えます。
ラップ的には
~10km通過 52分(5’12/km) スタートロス含む
~20km 通過 1時間41分 区間ラップ 49分(4’54/km)
~30km通過 2時間30分 区間ラップ 49分(4’54/km)
~40km通過 3時間18分30秒 区間ラップ 48分30秒(4’51/km)
~残り2.195km 11分29秒(5’14/km平均)以内で見事サブ3.5!
言わずもがな、30km~40kmの区間が勝負。
ペースを維持したまま、何とか40kmまでいければ勝利は目前。残り2.195kmを5’14/kmでカバー出来ればサブ3.5です。
Mさんがシーズン最後のレースを気持ち良く、素晴らしいゴールを迎えられますように。
今回のペースは一例ですので、明日Mさん自身で、ファンランでも良し・PB狙いでも良し、ご自由に決めてくださいませ。
明日は応援ナビでずっと追いながら、応援させて頂きます!
まとめ
Mさんは徳島マラソンでネガティブスプリットに挑戦しました。
やはり東京マラソンの疲労は濃く、加えて30km地点で台風のような冷たい雨が降ってペースダウン。東京マラソンと同様、脚が棒のような状態になって動かなくなりサブ3.5ならず。
それでもネガティブスプリットに挑戦した事でフルマラソンの良い勉強になった、経験して分かった事は自分の財産になった、とおっしゃってくださいました。
モチベーションが上がってこない時はDNS(Do Not Start 棄権)も一つの選択肢ですし、とりあえずゆっくりでも走り出してスタートしてみるか…でも良いと思います。
案外走り出してしまえば気持ちが上がってきて、それなりのペースで走れる事も多いですからね。
日々の練習を継続するためのメンタルコントロールや、本番に向けてどのように気持ちを上げていくかの方法を考えるのも、フルマラソンで良い走りをするために必要な技術だと思います。
自分で考えながら色々試して経験を積む事で、自分の気持ちを良い方向に向けられる方法(ルーティーン)をいくつか持つことが出来て安定しますよ(*^^*)