身近なライバルや仲間、あるいはブログなどをやっている走力が近い市民ランナーの方が
「今月は300km走りました!」
とか、400km!とか500kmいったぜ~、などと見たり聞いたりするとザワザワします(笑)
「負けちゃいらんねぇ!」
と、急にたくさん走り出して怪我した人は、私だけではないはずです(笑)
月間走行距離を増やす事がマラソンのタイム向上の全てではありませんが、重要な要因の1つではあります。
マラソンの練習を始めて間もない方や、練習を1~2年やってきてマラソンの記録が伸びつつある方にとって、さらなるタイム短縮を求めていくための課題が
「いかに走る距離や質を高め、練習日も増やしていくか」
という部分ではないでしょうか。
先月まで週間50km・月間200kmちょっとだったのに、今月急に週間75km・月間300km以上走ったら脚を痛めた、なんていう話はよくありますし、私も経験あります^^;
やる気がわいてくると、突然頑張りたくなっちゃうんですよね~。
でもそれだと、やっぱり怪我しやすい。
どうやったら安心・安全に、怪我無く月間走行距離や週間走行距離を増やしていったら良いのかを考えていきます。
目次
ダニエルズのランニングフォーミュラから
まずはおなじみ、私たち市民ランナーのバイブル的な存在である「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」から。
距離を増やすときは、週間走行距離を週間練習回数×1.5kmの分だけ増やし、増加分は最大で週間15kmとする。
というように記載があります。
走行距離別に例を見ていきましょう。
例1:月間200km程走るランナーの場合
週3回の練習で週間45kmほど走る、月間では200km前後の月間走行距離になるランナーが練習量を増やしたい場合。
週3回の練習日×1.5km=4.5km
まずは、
週間49.5km・月間220kmほどに距離を増やす
という事が出来る計算になります。
例2:月間300km程走るランナーの場合
週5回の練習で週間70kmほど走る、月間では300km前後の月間走行距離になるランナーが練習量を増やしたい場合。
週5回の練習日×1.5km=7.5km
週間77.5km・月間320~330kmほどに距離を増やす
という事が出来る計算になります。
引き続き距離を伸ばしていく場合のタイミングについては、以下のような記載があります。
一定の走行距離を、少なくとも3週間以上は継続してから距離を増やすこと。これだけの時間があれば、身体がその練習量に適応し効果を得てから、より厳しい練習に移ることが出来る。
従って、
「今月は月初から距離を増やしたから3週間後、ないしは翌月になったら再度距離を増加させよう」
というやり方が正しいという事になります。
週に練習日が3回・45km、月間200kmのランナーを例に上げると、3週間や1ヶ月ごとに
週間45km→49.5km→54km
月間だと200km→220km→240km
というような増やし方になります。
ランナーズワールドから
アメリカのランニング専門誌「ランナーズワールド」のサイトでは、以下のような「10%ルール」が推奨されており、アメリカでは割と一般的なようです。
The 10-percent rule (10PR) is one of the most important and time-proven principles in running. It states that you should never increase your weekly mileage by more than 10 percent over the previous week.
「10パーセントルール(10PR)は、ランニングにおいて最も重要で実績のある原則の1つです。前の週より走行距離を10パーセント以上増加させるべきではないという事です。」
そして以下に続きます。
For runners, the biggest enemy is often their own energy and enthusiasm. You’re feeling great, so you figure that you can handle more training.
[…]
Follow the 10PR, on the other hand, and your body gets stronger and fitter. If you’re running 10 miles a week now, and you want to increase your training, run 11 miles next week. And 12 the week after that. And 13 the week after that. This may look like agonizingly slow progress, but in just 8 to 10 weeks, you could be running 20 miles a week.
Continue on the same path, and you’ll be running 40 miles a week just four months after you started building up from 10. And 40 miles a week, believe me, is a lot of running. It can take you anywhere you want to go.
「ランナーにとって、最大の敵はしばしば自分自身のエネルギーと熱意です。あなたは熱意に満ちているので、より多くのトレーニングを処理することができると思ってしまいます。
【中略】
一方で、10PR(10パーセントルール)に従うことで、あなたの体はより強くそしてより健康になります。もしあなたが週に10マイル走っていてトレーニングを増やしたい場合は、来週は11マイル走ってください。そしてその翌週は12マイル。そしてその翌週は13マイル。これは苦痛を伴うほど進行が遅いように見えるかもしれませんが、たった8〜10週間で、あなたは週に20マイル走っているかもしれません。
同じ道をたどると、あなたは10マイルから積み上げ始めてからわずか4ヵ月後に週40マイルを走ることになるでしょう。それはあなたが行きたい場所に連れて行ってくれます。
※1マイル=約1.6km
ランナーズワールドで紹介されているのは、週に10パーセントずつ距離を伸ばすやり方。
ダニエルズよりも速いテンポで距離が伸びていきますので、この10パーセントルールは若干注意が必要かもしれません。
月間70km(週間10マイル)程度のランナーが4ヶ月後に月間300km近く(週間40マイル)に増やすのは、少し怪我のリスクが高いと感じます。
まとめ
ダニエルズにしろ、10パーセントルールにしろ、毎週、あるいは3週間同じ距離で練習したからといって、際限なく、どんどん走行距離を増やしていかないようにしましょう。
マラソンの練習は、自分の身体の感覚で質と量を調整していかないといけません。
「これ以上距離を伸ばすと、疲労のリスクが高くなりそうだ」
「今の距離が丁度良く感じるので、しばらくは同じ距離で練習をしていこう」
「少し脚に違和感があるから、逆に距離を減らそう」
距離を増やしていく目安は、あくまでも目安として、あとは臨機応変に自分の身体と相談しながら練習を継続していってください。