【コラム】フルマラソンで”一発ハマった”という現象って何なのか

【コラム】フルマラソンで”一発ハマった”という現象って何なのか

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★コラムについて★

ハシルコトの通常の記事(書籍・エビデンスを引用して進める内容)とは異なり、私(げん)の個人的な感想や意見・感覚を元にして進める記事です。なので全てのコラムはあくまでも”個人の感想”として、参考程度にしてください^^;


「いや~、この前のレース!一発ハマって、速いペースでイーブンで押し切れたわ!!」

先日、私の友人がレースでうまく走れて嬉しそうに、そう言ってました。

マラソンに”まぐれ”は”無い”と申しますが、いつもフルマラソンのレースで終盤にペースダウンしてしまうランナーが5回に1回、あるいは10回に1回などの頻度で、

「一発ハマる」

ことでイーブンでいけちゃった、みたいな現象。

自分のレースでの経験はもちろん、ラン友さんが走ったレースなんかでも、見たことがあるのではないでしょうか。

あるいは2~3年に1回「一発ハマって」超絶PBを出して、そのあと再び2~3年は記録が停滞して、またあるタイミングで突然、超絶PBを出す…みたいな^^;

この「ハマる」とか、他にも「ペースがキマって」とかいう現象って“まぐれ”とは少し違うニュアンスを持っていますよね。

一体、この「ハマる」レースというのは、どういうことなんでしょうか。


先日、私の知っているランナーさん2人の、興味深い現象がありました。

①1人はフルマラソンのベストが3時間28分の男性ランナー。

夏の間は怪我でなかなか練習が積めない状態が続き、秋のフルマラソン前にどうにか間に合って”ある程度”の練習を積み、本番へ。

レースでは練習不足をものともせず、見事にほぼイーブンで完走&去年の秋に走った同レースからPB8分更新!

②もう1人はフルマラソンのベストが3時間34分の女性ランナー。

春からずっとスピード練習や週末のロング走セット練習など素晴らしい練習を積み続け、気温が低くなる秋・12月のレースに向けて万全の状態を作ってきて、いざ本番へ。

レースでは、その練習の成果をいかんなく発揮して、見事にイーブンで完走&今年の春に走ったレースからPBを10分も更新!

いずれのランナーも素晴らしいイーブンのラップでPBを大きく更新した、この2人。

ただ、レース後の第一声に興味深い違いがありました。

①の男性ランナーは「一発ハマった」

②の女性ランナーは「練習の成果、心の成長、仲間の存在」

どちらが良い・悪いではなく、それぞれが自分のレース結果から捉えた”感覚”に「おー、なるほどな~」と感じました。

①の男性ランナーが感じた「一発ハマった」という感覚は、怪我でレースに向けて継続的に練習を積み上げていけなかった、それが大きな影響を与えた一言だった、ということは、容易に想像出来ます。

逆に②の女性ランナーが「一発ハマった」と感じることなく、レースの結果は「練習の成果、心の成長、仲間の存在」という感じ方が出来たのは、ここまで怪我など長期離脱もなく、しっかり練習を積み上げられた、その証(あかし)でもあるでしょう。

ところでこの「一発ハマった」というのは、”まぐれ”ではないですよね。

この言葉を言っている本人も、まぐれでいけちゃった!テヘペロ みたいには、決して思っていないはずです(笑)

マラソンはその実力がない限り、どんなにド根性を持っていたとしても、速いペースで長くは走れない。

土台がしっかりしていないと、速く走っても遅く走っても、どっちにしても25km~30kmで疲れちゃう。

フルマラソンでは、実力を超える”とんでもないタイム”を出すということは、絶対にあり得ない。

じゃあ、何なのか。


マラソンでタイムを狙うための練習って面白い&不思議なもので、本能的には

「レース直前までしっかり頑張らないと、フルマラソンを上手く走れないんじゃないか」

って、大人になってから走り始めたランナーは(私も含めて)思いがちじゃないですか。

疲労抜きで距離を落とすと、42kmに対応出来なくなるんじゃないか、もしかしたら巡行ペースも落ちてしまうんじゃないか、みたいな不安です。

だから、いくらテーパリングやザトペック効果を紹介したって(笑)レース3週間前に40km走したり、2週間前に30km走したり、練習量をあまり落とさなかったり、テーパリングよりもトレーニングを優先させてしまうランナーが結構な割合でいらっしゃいます。

本命レースに向けてどのように自分の疲労を抜き、体調を整えていけば良いか悩んでいるランナーは多いのではないでしょうか。 日々の練習は大事です...

もちろん、その方が良い場合もありますし、それが合うランナーもいますが、一般的な市民ランナーは(スピードタイプは特に)本番当日のレース終盤に影響する可能性が大きくなっちゃいます^^;

自分がどういうタイプなのか、どうやったらフルマラソンをうまく走れる”練習”や”調整”が必要なのかは、

うまく走れたレース前までのことを、詳細に記録しておくと良い

ですよ。

42kmを”移動”出来る身体が出来上がっていれば、Mより30秒や1分/km落とせば、多くの人が42kmをイーブンでいける。2分/km落とせば、誰だってイーブンでいける。

なので、あとは速いペースで42kmを走り切るための能力を作り上げていく理わけですが…

速いペースでイーブンでいけた「一発ハマった」ランナーは、速いペースでも42kmをイーブンで走れる身体は、基本的には出来てますよ。

あとは次のレース以降で、

いかにその再現性を高める(発生条件を検証して、その条件を整える)か

です。

もちろん自分では整えられない環境(高温・低温だったり、強風、予期せぬトラブルやレース展開、コースの思わぬタフさ具合など)によって身体がダメになったり、メンタルが折られる事もありますが、少なくとも”ごくたまにイーブンでいける”という状態からは、確実に進歩があるはずです。

人によって、あるいはランナータイプによって、本番のレースを万全の状態で挑むためには、多くの用意や準備を繊細に、綿密にする必要があります。

レース前日の食事内容や、レース当日の朝食で余裕のない状況での食事になるだけで、レース中に胃腸の具合が悪くなって何度も嘔吐・リタイアになるような、繊細なランナーもいます。

そういうランナーは、

全てを整えようとすると、非常にめんどくさい

のは、もう確実(笑)

必要なことをしっかりメモに記載して忘れないようにし、確実に実施する必要がありますからね^^;

でも、レースで安定的にタイムを出せるランナーになるには、何度もレースで苦い思いをしてしまうよりは、ずっと良いと思います。

これまでのことは、主にスピードタイプのランナーに当てはまるようなことです。

フルマラソン(あるいはそれ以上の距離)という場は、

圧倒的に、遅筋の多いスタミナタイプが有利

な場所です。

例えば”バスケットボール”という場は、背の高い人が非常に有利なように、フルマラソンは遅筋が生まれながらに多い人が、本当に有利なステージ。

遅筋の多いスタミナタイプは直前まで練習しようが(回復力が高い)、調整が多少雑だろうがへっちゃら(もし撃沈しても凄く粘れるし)、食事をたくさん摂ろうが太りにくい(遅筋は速筋より脂肪をよく燃焼しますので、スタミナタイプは細っそい人が多い^^;)、たいしてロング走をしなくてもイーブンでいけちゃう、などなど、有利な点は数限りなし(ロング走たいしてしなくて良いなんて、マラソン練習が時短になって羨ましい笑)

私たち速筋多めのスピードタイプは、何かあると、すぐにダメになります(デリケート笑)

そんな素質差を目の当たりにすると、場合によっては絶望もしますが…^^;

それでも

“与えられた身体”や”自分の特性”を使ってしか、戦うことは出来ない

ですので、NBAで低身長の選手が努力と工夫でどうにか戦っているように、私たち素質なき者は素質の高い人を羨ましく思いながら(笑)、彼ら彼女らよりも多くの努力と工夫を重ね、毎回

「一発ハマったレース」

が出来るように、メモ魔になってww頑張りましょうーーー!!!

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★ご案内★(2022年10月16日更新)
ありがたい事に大…

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