長い距離のマラソンに挑戦するなら、スタミナが一番大事ですよね。
マラソンに必要なスタミナを付けるには、どうしたら良いのか。
どのような練習をすれば効果的にスタミナを強化出来て、さほど苦しまずにマラソンを走れるようになるのでしょう。
マラソンを最後まで気持ち良く駆け抜けるためのスタミナ強化方法は
POINT
挑戦したいレースの距離や目的によって異なる
です。
あなたが挑戦するマラソンの距離は何kmでしょうか。
そして、レースの目的は何でしょう。
「本番で苦しんでも良いから、確実に完走したい!」
「さほど苦しまずに、気持ち良く走りきりたい!」
「目標とするタイムを狙いたい!」
それぞれのランナーによって、レースに対する気持ちは違う事でしょう。
様々な距離や目的に沿ったスタミナの付け方をご紹介します。
目次
ひとえに”マラソン”と言っても、大会によって様々な距離があります。
私もそうでしたが、ランニングを始めたばかりの初心者にとっては5kmや10kmだって充分長い距離のマラソン。
ランニング歴や練習量が増えていくと、ハーフマラソン(21.0975km)やフルマラソン(42.195km)の大会に挑戦していく人も増えていくでしょう。
さらなる挑戦心や大きな達成感を求めていくと、フルマラソンを超える距離のウルトラマラソン※1や、トレイルランニング※2にチャレンジするランナーも出てきます。
様々な距離のレースがありますが、
スタミナ強化のための練習には大原則があります
レースに求める目的毎に、スタミナの強化方法をご紹介していきます。
「日常的に多くの時間を練習に割く事は難しいけど、大会には出たい!」
「出るからには(歩きが入っても)何とか完走したい!」
そんなあなたにオススメしたいスタミナ強化練習は
【大原則】完走目的の練習方法!
ジョグでレースの半分の距離を走れ!
これです。
例えば10kmのレースに出て完走したいのであれば、レース前に5kmの距離をジョギングで余裕を持って走り切れるようになれば充分です。
「ジョギングって、どれ位のペースだよ!」
という疑問はありますよね。
決まったスピードはありません。個人個人で異なります。
走りながらお喋り出来るくらいのペースでOKです。
ハーフマラソンであれば10kmをある程度の余裕を持って走れるように
フルマラソンであれば21kmをある程度の余裕を持って走れるように
100kmマラソンであれば50kmを余裕を持って走れるように
これが
本番で完走出来る可能性が高くなるスタミナ強化練習
です。
「でもマラソンコーチで有名な金さんは、10km走れればフルマラソンだって走れるって言ってますけど」
という声が聞こえてきそうですが、10kmを超える距離を走らないでフルマラソンに挑戦するのは、ある意味
“賭け“
みたいな雰囲気が出てきてしまいます。
つまり、
完走出来るか、リタイアしてしまうか、どっちに転がるか分からない。
10km走れればフルマラソンだって走れるというのは、ジョギング初心者へフルマラソン挑戦への扉を開きやすくしてあげているコメントだと思います。
もし完走出来たとしても、レース中、特に終盤で”恐ろしい地獄”を味わうのは必至。
リタイアの可能性だって低くありません。
フルマラソンへの挑戦であれば、せめて半分の距離である20kmを練習で何度か走ってから本番に挑戦する事が、完走のポイントなんです。
それがフルマラソンの終盤で何とか我慢出来る痛み・苦しみに抑えられる身体を得る事になり、完走の可能性を高める事になります。
「でもさ、ただジョギングでレースの半分の距離を走るだけでスタミナ強化になるの?」
と思われるかもしれませんが、
ジョギングの効果を侮ってはいけません!
フルマラソンでサブ3.5(3時間半より速く走るランナー)やサブ3(3時間より速く走るランナー)するようなレベルの人たちだって、初めて100kmウルトラマラソンに挑戦する際、非常に重要視する練習は
ジョグペースでのロング走(50km~70km走)
なんです。
それほど、ジョグには持久力を養成する効果があります。
やってみると分かりますが、最初は楽々のゆっくりペースジョギングだって、距離が伸びてくれば
凄く辛くなってきます。
完走目的の方は、最初は無理のない距離から始めて、少しずつ一度に走る距離や頻度を伸ばしていってください。
月 ランオフ
火 ランオフ
水 ジョグ30分~60分
木 ランオフ
金 ランオフ
土 ジョグ30分~60分+WS※(50m~100m)2~5本
日 ジョグ(レース距離の25%~50%)
上記の練習例は、主にハーフマラソンとフルマラソンを想定した練習です。
完走目的の方は、週に3日走る日を作ってください。
平日はジョグ30分から、慣れてきたら60分ほどへ。
週末は土曜日にジョグ+WS、日曜日にはレース距離の50%を走る事を目指し、最初のうちは25%ほどから。慣れてきたらレース距離の50%まで距離を徐々に伸ばしていく。
5km~10kmレースを完走する目的であれば、平日のジョグは20~30分で充分です。
逆に100kmを目標とする場合は、週末のロングジョグ(50km前後)は当然の事として、その他にもやるべき事があります。
詳しくはこちらの記事で。
【注意点】
なお、レースの半分の距離のジョグ練習を何度も積んできたからといって、レース本番で練習で走った事のないようなスピードで飛ばすと…
あっという間に地獄行きです^^;
本番当日はモチベーションが高く、アドレナリンも出てスピードが出やすい状態です。
くれぐれもペース配分には気を付けてください。本番も練習と同じ、ジョグペースですよ。
「完走はしたいけど、レース本番で苦しみ抜きたくない!」
「歩かないで完走したい!」
「レースを楽しみたい♪」
という人は
練習で、もうちょっとだけキツい思いをして頑張りましょう^^;
1つ上の走力を目指すあなたにオススメしたいスタミナ強化練習は
【大原則】レースを楽しみたい派の練習方法!
ジョグでレースの7割の距離を走れ!
これです。
10kmレースなら7kmの距離を練習で余裕を持ってジョグで走れるようになれば、本番での10kmは(スピードさえ出さなければ)最後まで楽しんで走れます。
ハーフマラソンであれば15kmをある程度の余裕を持って走れるように
フルマラソンであれば30kmをある程度の余裕を持って走れるように
100kmマラソンであれば70km※を余裕を持って走れるように
※ただ100kmマラソンに対応する70km走は負担が大きいため、通常は50~60km走にとどめておいて、レースで頑張る!というスタンスが一般的です。
そうすれば
レースでは、終盤まで余裕を持って走れる(楽しめる)可能性が高くなるスタミナ強化練習になります。
“どうにか完走”から”余裕を持って終盤まで”というレベルまで走力を上げるには、レースで走る距離の70%まで一度に走る距離を伸ばすのが基本です。
レースで走る距離の半分から、70%まで練習での距離を伸ばすとどうなるか。
キツさが別世界
です^^;
レースで走る距離の半分で終わる練習であれば、走ることに慣れてくれさえすれば比較的余裕なんです。
しかし目標とするレースの70%の距離になると、何度走ってもなかなか余裕度が出てきません。
逆に言えば、それだけ良い練習という事にもなります。
ただ、いきなりレースの7割もの距離を走ると、疲労や怪我のリスクがあります。
少しずつ月間走行距離や一度に走る距離を伸ばしていって、トラブルの無いように気を付けてください。
これをレース前2~3ヶ月の間、月に2回くらいずつ出来れば
“どうにか完走“レベルから比較すると、相当のスタミナがつきます
ただし、本番でのペース配分は大事。
いくらジョグペースでの70%走を重ねても、レースで練習とは段違いの速いスピードで走ったら速攻でバテますので要注意ですよ^^;
月 ランオフ
火 ランオフ
水 ジョグ30分~60分
木 (ジョギング30分~60分)
金 ランオフ
土 ジョグ30分~60分+WS※(50m~100m)2~5本
日 ジョグ(レース距離の50%~70%)
上記の練習例は、主にハーフマラソンとフルマラソンを想定した練習です。
レースを楽しみたい派の方は、週に3日~4日走る日を作ってください。
平日はジョグ30分から、慣れてきたら60分ほどへ。
週末は土曜日にジョグ+WS、日曜日にはレース距離の70%を走る事を目指し、最初のうちは50%ほどから。慣れてきたらレース距離の70%まで距離を徐々に伸ばしていく。
10kmでもハーフマラソンでもフルマラソンでも、果てはウルトラマラソンやトレイルだって、一定の目標タイムを掲げてレースに臨むランナーは多いですよね。
ハーフマラソンであれば2時間、1時間50分・45分・40分・30分・25分・20分…
フルマラソンであればサブ5・サブ4・サブ3.5・サブ3…
ウルトラマラソンであれば、サブ12・サブ11・サブ10・サブ9…などなど。
タイム的な目標に到達するためのスタミナ強化練習は、基本的に
ジョグだけでは効率的に目標達成出来ない
と思ってください。
いや、いますよ。ジョグだけで初フル・サブ3する人だって。
でもそんな人は、まれ。
私も含めて、一般的な市民ランナーは
相応の努力をしないと目標に到達出来ません
レースでタイムを狙うような走力を目指す、そんな方にオススメしたいスタミナ強化練習は
【大原則】タイムを狙いたい派の練習方法!
スピード持久力を磨け!
これです。
これまでのように、ジョグでレースの距離の70%を走るだけではタイムを狙えません。
まず、目標とするタイムを達成するために必要な“レースペース“を考えましょう。
10kmを40分切りたいのであれば、少なくとも平均4’00/km(1km4分ペース)が必要。
ハーフで100分(1時間40分)を切りたいのであれば、少なくとも平均4’44/kmが必要。
フルでサブ4したいのであれば、少なくとも平均5’41/kmが必要。
目標達成に最低限必要な”平均ペース”を算出し、終盤のペースダウンを考慮して”レースペース”を決めます。
10km40分切りであれば、3’55/km~4’00/kmをレースペースにする人が多いでしょう。
ハーフ100分切りであれば、4’40/km前後をレースペースにする人が多いと思います。
フルサブ4狙いであれば、5’30/km~5’35/kmほどがレースペースになるでしょう。
そのレースペースで、レースの距離の70%を走る事で目標達成が近づきます。
10kmレースなら、練習で7kmを4’00/kmで走る
ハーフのレースなら、練習で15kmを4’40/kmで走る
フルのレースなら、練習で30kmを5’30/kmで走る
ジョグと違ってある程度のスピードを維持して走るため、
かなり実戦的なスピード持久力を養成する練習になります
ただし、タイムを狙うための”本番70%走”は練習の質が高く、疲労や怪我のリスクも高いです。
特にフルマラソンのためのロング走については、日常的にはEペースのロング走をやり、レースの3週間~1ヶ月前までにレースペースで1~3回ほど実施するのがオススメです。
練習についての詳しい記事はこちらです。
ハーフマラソンやフルマラソンのタイムを狙う練習については、様々なレベル・ランナーの系統などによってアプローチが異なります。
詳しくは、タイム別に練習方法やペース配分などを記載したカテゴリー・記事をご覧になって頂けたら嬉しいです(*^^*)
【フルマラソン】
【ハーフマラソン】