このブログで逐一ご紹介している「ダニエルズのランニング・フォーミュラ
「腕振り、特に引く動作を意識的にしましょう」とか
「骨盤の動きと前傾を意識、おヘソから脚が伸びている感じで…」とか
「着地は重心の真下になるように」
などといったアドバイスは全く掲載されていないという事は、以前以下の記事で掲載しました。
今回は
「マラソンでの坂道の走り方」
というお題です。
でも、そんな「マラソンでの坂道の走り方」についてもダニエルズさんは全く書籍に書いてくれていません(笑)
私はマラソンを始めてから長い間、アップダウンが非常に苦手でした。
だって、登り坂って超苦しいじゃないですか!w
下りだって、その時は少し楽になりますが、しばらくしてから
「あれ?…脚が…」
みたいに、下りでダメージを受けてしまって、動かなくなる事もしばしば。
なので、いかにフラットなレースを選ぶか、どれだけアップダウンの無いコースでタイムを出すかだけを考え
「景色の良いレース」
「エイドで地域の食べ物をたくさん出してくれるレース」
「アフターで観光などが楽しめるレース」
などを考慮したレース選びは皆無^^;
アップダウンの激しい、難易度の高いレースへの参戦など、滅相もありませんw
だから、自分にとってはお馴染みのレースを選べば良いだけの、こういう記事は簡単(笑)
逆に
「風光明媚なフルマラソンベスト5!」とか
「アフターの充実度が高いレース5選!」
などという記事を作成するのはムリゲー。
だって、そんなレースは走ってないから、全く分かりませんw
少し話が脱線しました。
そんなアップダウンが苦手だった私も、ここ数年でフルマラソンのアップダウンは以前ほど苦にしなくなり、去年はトレイルのレースにも参加するようになりました。
なぜか!
習うより、慣れろ(またかw
アップダウンを走る練習を重ねたのは間違いないのですが、アップダウンを攻略するコツは確かにありました。
私がマラソンでの上り(登り)坂・下り坂を、ある程度苦手としなくなった”コツ”についてご紹介します。
目次
トレイルの書籍は除き、マラソン関連の書籍で登りや下りについての走り方を説明してくれているものは少ないです。
その少ない情報の中で比較的多く語られているのは
「登りは前傾で重心を前に置く」(本当か?)
「腕振りをしっかり」(平地でも聞くぞ?)
「足で地面を押そう」(そりゃ走るんだからw)
みたいなアドバイスが多いように思います。
かつて純粋たっだ私wは、そんなアドバイスを素直に聞き入れて試してみたものの、全然楽にならない^^; 相変わらず登り坂は辛いままだ。
いや、待てよ。
練習も積まないで、走り方だけで登り坂が楽になったら、全員が「登り坂マスター」になってしまうじゃないか。
ある時から私は
「坂ダッシュ」
をポイント練習に取り入れて毎週実施してみようと思いました。
自宅近くにある、600m~700mほどダラダラ続く登り坂。斜度はそんなに急では無いですが距離が長めなので、ある程度のスピードで登ると結構キツい。
最初は前傾や腕振りを意識していましたが、そこはやはり坂ダッシュ。
徐々に疲れてきて、フォームの事など何も考えられなくなり(笑)
そして毎週続けていくうちに、ある事に気づきました。
「ありゃ?なんだか全く前傾の意識や腕振りを強くしようとか思わないで、平地のような走り方で、以前より楽に登れるようになってないかい?」
そんな感覚になったのです。
「う~ん、前傾とか腕振りのアドバイスは何だったんだろう…」
そう思いながら、ネットで動画を見ていると
おぉ!元祖山の神、今井正人選手も全く前傾してないじゃない!!
2分37秒~坂道での走り方について解説が始まり、
6分25秒~今井正人選手が登場です
(動画は音が出ます)
「登りでも平地と同じ程度の前傾で走る事によって、むしろ効率的よく地面に力を伝えてるんじゃないか!」
という事が分かり
「平地と同じような感覚で走る方が走りやすいんじゃないか…」
と薄っすら感じていた事もあって、目の前の霧が晴れたようでした。
2018年に実施された、大迫傑選手が優勝したクロカンの日本選手権でも、大迫選手が登っている時、そして他の選手も含めて、さほど前傾していないように見えます。
(動画は音が出ます)
上り(登り)坂、前傾NOだ!(笑)
ランナーそれぞれの走り方や骨格にもよるんでしょうけどね。
少なくとも自分は登りに前傾は必要なし!平地と同様、胸を張って走れ!だ。
あ、トレイルの山岳区間とかは全然別ですよ。
余裕で膝に手を付きながら、思いっきり前傾姿勢でヒィヒィ登ってます^^;
つくばマラソンで初サブ3をした2016年11月。
その後、2017年5月に開催される洞爺湖マラソンで「北海道内での初サブスリー」を狙って練習を積んでいました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、洞爺湖マラソンはつくばマラソンと異なり、アップダウンの多いコース。
以前書いた記事「国内主要フルマラソン高低差一覧」で、つくばが高低差31mなのに対して、洞爺湖は183mと、難易度は高め。
案の定、本番では30kmでしっかり脚が終わり、怒涛のビルドダウンで大撃沈w
この時に思ったのが
「自分は下り坂を走るのが下手なんじゃないか。だから脚にダメージを受けてしまい、終盤撃沈してしまうのでは」
という事。
そこで思い出した!あの動画があるじゃないか!
またこれ(笑)
10分22秒~下り坂の解説です
見本を見せてくれている、1998年箱根駅伝6区・区間新を出した順天堂大学監督のピッチ・回転数を上げた走りにビビった^^;
(動画は音が出ます)
それまでの自分の走りを振り返ると、ハーフでもフルでも、下り坂で周りのスピードに合わせるような「ブレーキ」をかけたような走りになっていたような気がしました。
悪い例として走られている、動画の荻原さんのような走り。
それからは、前傾姿勢でなるべく小さめの歩幅+回転数を上げるように気をつけました。
つまり、ブレーキをかけた時に受けると思われる衝撃・ダメージを受けないように、回転で下る事を意識するように変えました。
するとハーフでもフルでも、下りでは周りのランナーを一気にごぼう抜きする事が多くなりました。
同じ走り方で下る、少数のランナーとは並走ですが^^;
下りは前傾すべし!怖がるな、メチャ速く下れるぞ!そしてダメージ少ない!
そしてその翌年(2018年)の洞爺湖マラソンではアップダウンを攻略、無事にサブ3してリベンジなりました。
登り坂と下り坂の走り方についてご紹介しました。
走り方も凄く大事なのですが、私たち市民ランナーのレベルで言えば
“多くの人が登りを頑張りすぎて速く、下りを怖がりすぎてブレーキかけすぎ”
だと感じます。
フルマラソンでは
“負荷を出来るだけ一定にする”
という事が非常に大事になります。
特に登りにさしかかった時は
「ある程度の手抜きをする」
「頑張らない」
というのも、心がけておく事が大事かな、と思います。
平地と同じようなラップで登ろうとすると、負荷が高すぎてあっという間に疲れちゃいますからね。
心拍計を持っている方は、心拍が上がらないように気をつけながら巡航すると良いと思います。
私は心拍計を使わないので「感覚」なのですが、平地と同じ負荷、ないしは少し「ひと休み」するような気持ちで登っています。
ラップは当然落ちますが、楽に登れている感覚はあります。
登りは平地と同じようなフォームで、あまり頑張らない
下りはピッチを狭めに回転数を上げ、少し前傾で力を抜いてブレーキをかけずに下っていく
ご参考になれば幸いです(*^^*)