「ブログで紹介してくれた、おすすめの書籍をまとめたページがあるとありがたい」
という声を頂きましたので、フルマラソンに関するオススメの書籍を整理してご紹介します。
目次
VDOTを参考にして日々の練習を考えていくランナーのバイブル的な書籍であり、これから閾値走(Tペース・LTペース走)・Iペース走・レペティションなどを取り入れていくのであれば、手元に置いて都度参照しながら日々の練習をしていくことが必須。
この本があれば、自分の走力に合った練習プログラムを自ら組むことができます。
それはさながら「パーソナルトレーナー」を自分の側に置いているよう。
フルマラソンのみならず、5kmから10kmまでのトレーニング・ハーフマラソンのトレーニング・マラソンのトレーニングなどが章ごとに分けられ、各ランナーが走る「週間走行距離」によって分類されたトレーニングプログラムが掲載されています。
参考記事:VDOTとは
また、ランナーにとって大事な休養について。
本命レースが終わった後の休養期間によって下がる走力の目安、そして下がった走力をどうやって戻していくのか、という事も記載されています。
参考記事:フルマラソン後の練習再開について
私はこの書籍を参考にしながら、サブ4未達からサブ3達成まで走力を上げることが出来ました。
参考記事:閾値走(LT走・テンポ走)を3年間メインの練習にして継続してみた
そんな小出監督が市民ランナーの私達に「マラソンの走り方」を教えてくれる書籍であり、ネガティブスプリットをオススメする意義を丁寧に解説してくれています。
書籍では、ネガティブスプリットで「サブ4」と「サブ3」を達成するための詳しい練習メニューが紹介されていますが、サブ3.5や3時間15分切りを目指すランナー向けのラップ表も掲載されています。
またレース本番での注意点や、故障についての考え方も掲載されており、オリンピックチャンピオンを育てた小出監督のマラソンに対する考え方を学ぶには、うってつけの本です。
ただネガティブスプリットを狙うだけあって、組まれている練習メニューが各目標タイムを目指すランナーの走力を考えると、若干キツめです。
参考記事:3時間15分切りの為の練習を考える「ネガティブスプリットでのレースプラン」
怪我の予防方法や、以下のような症状が出た時、実施すると良いストレッチやケアの方法が紹介されており、怪我をしがちなランナーにとって、大変参考になります。
膝の外側が痛い時・内側が痛い時
お皿の上が痛い時
走り始めの膝の痛み
足裏の痛み
甲の痛み
腰の痛み
脚の付け根の痛み
股関節の痛み
ハムの痛み
首から背中の痛み
スネの痛み
ふくらはぎの痛み
アキレス腱の痛み
レースの中盤~終盤、疲労の影響でフォームが崩れてペースが大きく落ちてしまうのは良くあることですが、終盤のペースダウンを最小限に抑えるには「体幹トレーニング」が大事。
この書籍では、基本の体幹トレである「プランク」や「ダイアゴナル」などの他にも、様々な体幹トレーニングが紹介されています。
また、走る前にやるべき「動的ストレッチ」、走った後のケアとなる「静的ストレッチ」、就寝前の「筋弛緩法」など掲載されています。
私はポイント練習やレースの前に「動的ストレッチ」をやりますし、強い練習をした後は「静的ストレッチ」も実施しています。
走る前に肩甲骨と骨盤周りの動的ストレッチをやるだけでも、走った時によりスムーズな動きを体感できます。
記録向上を目指していて「壁」にぶつかったランナーが、どのようにして壁を越えていったのか。
実際に壁を越えたランナーの経験談や、過去の自分以上に走れる身体に変える23の訓練方法が掲載されています。
私も「これ以上は無理か…」というところで、この書籍に出会ってヒントをもらいました。
そして、新しいトレーニングなどを取り入れ、現在でもPBを更新し続けられています。
マラソン練習をハードにやりさえすれば走力は上がる…そんなことは無いですよね。
でも、レース前のカーボローディングや、レース前日・当日の食事は気にしても、普段からの食事はさほど気を配っていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば練習後の栄養補給。
練習後30分以内に糖質・タンパク質を補給しない事は、せっかく練習した効果を下げてしまう事にもなりかねない、という事を知っているか知らないかでは、成長のスピードに大きく違いが出来てきます。
ポイント練習をした後に、いかに栄養を適切に摂取して早く回復するかが、マラソンのタイム向上にはとても重要です。
普段の食事で「何を身体に入れるか」を考えてみてはいかがでしょう。
アスリートのための食事本は少し難しい表現の書籍も少なくないですが、こちらの本は見やすく、分かりやすいと感じます。
「VDOTが良いのは分かるけど、自分で練習メニューを考えるのは面倒だよね~」
そんなランナーもいるでしょう。
岩本氏の書籍では、各目標毎に10週間・毎日の練習とポイント練習の「基本メニュー」「アレンジメニュー」の2種類が予め設定されており、その練習がクリア出来れば、練習の重要度によって決められた数の「★(星)」が獲得出来るスタイルです。★を多く獲得出来れば出来るほど、目標達成に近づきます。
★を多く集めれば目標達成は濃厚!という練習メニューがすでに設定されているので、それに従ってやるだけ、というお手軽さが好きな方にとってはオススメできます。
「練習が決められている」という事は、VDOTのようにあなたの走力を考えてメニューが組まれている訳では無いので、
「この練習はペース的に無理がある…」
というメニューも出てくるのは致し方ありません。
また、岩本氏の練習は
「峠走」
「起伏走」
「トレラン」
など、近くにうってつけの地形が無い限り、遠出しないと出来ない練習が割とメインです。
「ソツケン」と呼ばれる、レース10日前に実施する15kmビルドアップも相当キツい。
それだけに練習をやり切れば、本番当日に実力の80%~90%出せれば目標達成出来るほどの走力は身につくと思います。
瀬古利彦選手、宗兄弟、中山竹通選手、森下広一選手、高橋尚子選手、有森裕子選手などなど、かつての名選手がどのような考え方でマラソンに向かっていたかを知ることが出来ます。
市民ランナーレベルで練習内容を真似する事はもちろん無理なのですが、心構えを知って自分の練習に少しでも反映させる事は悪い取り組みでは無いと思います。
また、この書籍にも小出監督が出てきますが、前述の書籍では市民ランナーが目標を達成する為に必要な事を記載していました。
対してこちらの書籍では自身の選手時代のこと、高校の教員・指導者として陸上部を高校日本一に導いた話、有森裕子選手・鈴木博美選手・高橋尚子選手をメダリストに育て上げた指導の哲学を垣間見ることができます。
設楽悠太選手がマラソン日本記録を樹立したあとに発行となったNumber Do。
大迫傑選手・設楽悠太選手・井上大仁選手のインタビューが非常に興味深い号。
2018年12月2日の福岡国際マラソンで優勝した、服部勇馬選手を加え、上記の3人と合わせて「四強」という評価も出てきましたね。
ヴェイパーフライ4%を使っている設楽選手の言葉
「ソールの薄いシューズでポイント練習をすると、次の日は疲労で走れない位だった。ヴェイパーフライは疲労感が全く違う。シューズを変えてからしっかり練習をこなせるようになった」
というような内容をだったので、その後の半年間はズームフライで全てのポイント練習を実施、沼にハマっていった思い出の雑誌(笑)
限界突破マラソン練習帳 「サブ4」「サブ3.5」「サブ315」「サブ3」書き込み式10週間完全メニュー
各ランナーのフルマラソンのタイムに合わせたウルトラマラソンの練習内容が13週間に渡って組まれており、日々の練習で★を獲得していくスタイルは前著と同様。
この書籍に沿った練習がある程度出来れば、初挑戦でも100km完走の走力を獲得するのは濃厚。
私の複数のラン友も、この書籍のメニューに沿って初100km完走しています。
ただペース設定が若干キツい。
サブ4レベルで100kmサブ11(6’30/km)、サブ3.5で9時間30分(5’40/km)、サブ3で8時間(4’52/km)。
各フルマラソンのレベルにおいて、ウルトラでこのタイムを目指すのはスタミナタイプで終盤に強い、ウルトラが得意なランナーに限定されると感じます。
そこはアレンジして、自分が「これ位でいこう」というレベルに合わせて練習、本番と臨めば良いと思います。