レペティショントレーニング(Rペース走・レペ)とは、I(インターバル)ペースよりも速いペースで、200m~400mを疾走し、間にたっぷりの休憩を入れながら何本か実施する練習方法です。
レペティションの練習目的としては、
1.無酸素性作業能をアップ
2.スピード、ランニングの経済性を高める
ことを目的としています。
R(レペティション)トレーニングの主な目的は、無酸素性作業能、スピード、ランニングの経済性を高めることにある。
無酸素性作業能…
また難しい漢字の羅列^^;
難しい話は省略、簡単にいきます。
無酸素性作業能とは、酸素が足りない状態で動く、短時間しか出来ない大きなパワーを出すような運動の時に働く力(速筋の能力など)です。
逆に有酸素性作業能は、酸素が足りている状態、つまりお馴染み”有酸素運動”の強度で働く遅筋などを使った動き。パワーは小さいけど、長時間動けるというやつですね。
大きなパワーを出すため能力向上、速筋への刺激・筋力や筋量の向上が目的の1つ目。
そして、走動作を改善していく、ランニングエコノミーの向上が目的の2つ目。
この2つの目的を忘れないようにしつつ、レペティションにはどのような効果があり、どうトレーニングを実施していけば良いのかを見ていきましょう。
レペティションをやる上で気をつけるべき注意点も併せて、解説していきます。
目次
ブログの内容は、以下の動画でも解説しています!
Rトレーニングを行うと、よりリラックスした速い動きができるようになり、レースペースに慣れて楽に感じるようになる。Rトレーニングでは経済的な走りに必要な、適正な筋繊維を動員しているのである。
レペティションの目的は前述の通り
1.速筋の筋力・筋量の向上
2.走動作の改善(ランニングエコノミー向上)
ですので、
この2つの能力が大きく向上するのが”レペティション”の効果になります。
運動努力や無駄な動き、エネルギー消費を最小限に抑えた走りを可能にするのは、こうした適正な筋肉細胞である。
ダニエルズ方式の練習をする際にはおなじみですが、まずは自分のVDOT(走力レベル)を確認する必要があります。
詳しくはこちらの記事に、自分のVDOTを確認する方法も含めて解説しています。
初めての方はまずこちらの記事をご覧ください。
ご覧になって頂ければ、自分に適切なRペース走のペースが分かると思います。
これで確認出来れば、無事に準備完了。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
例えば
1.(R200m・ジョグ200m)×8
2.(R400m・ジョグ400m)×4
こんな感じですね。これが基本のやり方になります。
その他にもRを600m~800m(400m=60秒程度で走れるランナー向け)にして本数を変えたり、セット間のレストを変えたりと様々なバリエーションが掲載されていますので、気になる方は書籍にて。
Rペースのトレーニング量の上限(1回の練習量)は、8kmか週間走行距離の5%のどちらか短い方に設定するとよい。週48km走っているとすれば、Rランニング2.4kmがRトレーニング1回の上限となる。
ダニエルズさんは、レペティショントレーニングに実施距離の上限を設けています。
★週間48km・月間200kmのランナーなら、1回につき2.4km(400mレペ6本)
★週間60km・月間250kmのランナーなら、1回につき3km(400mレペ7本)
★週間70km・月間300kmのランナーなら、1回につき3.5km(400mレペ8本)
こんな感じになります。
またダニエルズさんあh、Rペースでの疾走区間は毎回2分を超えないというルールも設けています。
いかなる練習でも、優先されるべきはその目的である。休息は賢くとり、必要に応じてその時間を長くすること。インターバルでも休息時間は必要であるが長くとらず、むしろ短い時間をキープする。これに対してレペティションでは、休息は長めにとることが大事なのである。
例えば以下のようなレペティションの練習
1.Rペース400m、レスト4分ジョグ
2.Rペース400m、レスト2分ジョグ
上の2つの練習で、よりレペティショントレーニングにふさわしいのはどちらでしょうか。
レスト(休息)を2分にすればさらに効果が上がると考える方もいらっしゃるかもしれません。
短い休息で毎回同じように疾走し、苦しまない実力者であれば問題無いでしょう。
しかし、短いレスト(休息)によって走るフォームが崩れ、もがくように苦しんでしまったらレペティションの効果は、その目的は達成出来ない事になってしまいます。
大事なのは、レペティションのレスト(休息)は
回復方法と時間は決まっていない
ということです。
ジョギングでも良し、歩いても良し、止まってストレッチをしても良し。
そして主観的に「回復した」と感じた段階で、次のセットへ。
疲れを感じたまま次の疾走を始めてはならないという事です。
ダニエルズさんのガイドラインは
疾走時間の2~4倍の時間を休息する
です。
ここがインターバル走との大きな違い、明確な目的の違いと言えるでしょう。
レペティショントレーニングを行う目的は、スピードを磨き、効率のよい走りができるようにすることである。そして速く、よい動きで毎回走るための一番の方法(そしておそらく唯一の方法)は、十分に休息をとってから次の疾走を始めることである。
「練習では速く走った方が効果が高いだろう」
と、つい思ってしまう市民ランナーあるあると同様、
「レストは短ければ短い方が効果が高いだろう」
と考えてしまいがちですが、そうじゃないという事をしっかり心に留めてレペティショントレーニンを実施していきましょう。
ダニエルズのランニング・フォーミュラでは、ランニングフォーム(走動作)の改善や、ランニングエコノミーを向上させるために
「腕の振りはこうしよう」
「脇を締めて」
「骨盤は前傾で」
「着地はこう」
「後ろ足の蹴り上げに意識を」
そんな話は一切ありません。
とにかく今回、色々と解説したレペティショントレーニングとWS(ウインドスプリント)をやりなさい、それによって自らに合った効率的なランニングフォームが洗練されいくよ、と言ってるように思えてなりません。
ランニングエコノミー・最適なランニングフォームを考える時、燃えよドラゴンズでブルース・リーが発した言葉が思い出されるのは、私がオッサンだからでしょう(笑)
全く同じランニングフォームで走るランナーなんて、世界中のトップランナーを含めて誰もいません。
それは、それぞれが持つ骨格や筋肉・筋などが異なり、効率的に速く走れるフォームが千差万別だからだに他なりません。
私もランニングフォームは、意識的に変えた事はありません。
いや、正確には変えたくても変えられませんでした。
フォアフットにしようとしたり、ストライドを伸ばそうと意識すると、すぐに怪我をしました。
腕振りの位置が人と比べて高いと思った時期があり、低くしようとしましたが、すぐに戻ります。
自分の身体が速く効率的に走るための、最適の位置に戻してくれるんだろうな、と理解してやめました。
180/分ほどが良いとされているピッチが160台で怪我多いので、ピッチを多くする取り組みをして怪我がなくなり、走力を大きく伸ばせた人はいます。
しかしランニングフォームは自分独自のもの。
自分に最適解のフォームなんて、誰にも教えてもらえませんし、誰もそんな事は知りません。
是非レペティションやWS(ウインドスプリント)を日頃から実施して、自分に最適な走りを洗練させていってください。
継続すれば、自分でも驚くほど速く・長く・楽に走れるようになりますから( ´ ▽ ` )