【これか!】フルマラソン30km以降の失速を防ぐコツ

「フルマラソンのレースが近づいてくると、誰だって距離に対する不安が出てくるんだ」

って言ったら、初心者の方は驚くでしょうか。

「上級者は距離の不安なんてないでしょ」

って。

いやいや。

初めてフルマラソンを走るランナーは元より、サブ4・サブ3.5・サブ3、さらに高いレベルのランナーだって「レースペースで走るマラソンの、終盤でのペースダウン」は心配。

私もレース前は毎回、不安に感じます。

特にレース3週間前に仕上げの30km走を実施、その後はロング走をしないというのが割と定説なので、レースが近づくにつれて

「自分のスタミナは大丈夫だろうか…」

と心配になってきます。

すると、どうするか

レース1週間前や10日前などに20km~30km走ってみたくなる衝動に駆られ、本当に走っちゃったりします。しかも疲労が抜けつつある時期だから凄く走れる^^;

でもレース直前のロング走、本番でのタイムを確実に落とします。

レースが近づいてきて

「30km以降、不安で仕方ない」

という場合、外に走りに行って疲労を積み増すより、レース終盤にペースダウンしないための”仕込み”を自宅でやったらいかがでしょうか。

レースで実力以上・120%の力は出せませんが、100%の力を出すために「120%の準備」は出来ますよ。


レースで100%の力を出せる時って

何ヶ月も本番のレースのために練習を積み、しっかりテーパリングをやってレースを迎えた。

そんなレースで「100%の力」を出せる時って、どれ位あるんでしょう。

様々な要因が影響しあって「ゴールタイム」として反映されるワケですが、主な要因として以下のようなものが考えられます。

1.自分の体調が万全(疲労や怪我がなく、風邪も引いてない)

2.コースがフラットで走りやすい

3.気温・天候がマラソンを走るのに最適(晴れ・無風・気温10℃~15℃)

4.レース前・レース中の補給・給水戦略

5.レース中のモチベーションが維持されている(マラソンはメンタルが超重要)

この中でタイム向上の為に自分で”仕込み”が出来るのは

4.レース前・レース中の補給・給水戦略

5.レース中のモチベーションが維持されている(マラソンはメンタルが超重要)

です。

レース前・レース中の補給・給水戦略

補給や給水については個人差が大きく、書籍によっても記載してある事はまちまち。

一般的にはレース1時間前くらいまでバナナ・カステラ・餅などを食べたりしてレース中のエネルギー切れを防止、スタート30分前に筋肉の損傷を防ぎ疲労感を抑制するため、BCAA・アミノ酸を配合したジェル(下のアミノバイタルなど)を摂取して準備したりします。

レース中も10km毎など、定期的にジェルなどを摂取、給水もスポーツドリンクを早め・少なめで飲みながら巡航する。

私はフルマラソンを走る際、いつもアミノバイタル パーフェクトエネルギー 130g を2つ持参して、少しずつ摂取しています。比較的安価でカロリー・アミノ酸が多く、味も自分に合っていて、ガチで走っている最中でも飲みやすいです。

終盤に備え、25kmや30kmで「カフェイン」の入ったショッツ カプチーノのような補給食を取る人も多いですよね。

私も持参して終盤に摂取、「カフェイン効果」を期待しています。

いずれにしても、自分に合った(好みの)補給食の選択、給水のタイミング・量を考え、その作戦に沿って忘れずにしっかり補給・給水をしていくのが大事です。


フルマラソン30km以降でペースを維持させるコツ

補給・給水をしっかり取る上で、終盤にペースを大きく落ち込ませない一番のコツは

レース中のモチベーション維持

です。

マラソンはメンタルが本当に大事なスポーツ。

30km以降にペースを維持するという事は、頑張り度合いを上げていく事に他なりません。

疲労度が増してくるので、同じ感覚で走っていると徐々にペースダウンします。

疲れてきた終盤、モチベーションを維持し、ペースダウンをしないためにはどうすれば良いのでしょうか。

1.フルマラソンで終盤粘るための大前提、30kmまでは一切頑張らない

いくら様々な作戦を練って本番に臨んだとしても、30kmで何もかも使い果たしてしまうような走りを、序盤~中盤でしたら終わりです。

30km以降「準備や工夫で持ちこたえられるキツさ」と「どうやっても耐えられない状態」とがあります。

大前提として、30kmまでは、ただの「移動」。何も考えず、寝るようにして走るんです。

何か考えるだけで、脳が貴重な糖質を消費します。マシーンのように進む。

「オレは片足ずつ前に出すだけの機械だ」

「無心、無我の境地。30kmまで瞑想する」

まずはそこから。

2.希望を失わせないような工夫

ランナーは希望を失うと一気にペースダウンします。逆に希望が満ち溢れていれば、非常に疲れていても、脚が痛くても、何とか頑張れます。

駅伝などの場合、前にランナーがいれば「抜かせる」という希望で頑張れますが、フルマラソンはあくまで自分のPBやタイムの目標を狙う戦い。

なので、タイムで希望をつないでみましょう。

自分の目標に合わせた、各通過地点の目標タイムや、残りの距離をどれ位のペースで走ったら目標達成できるのか、という表を持参したり、腕に書いておいたりするのがオススメです。

具体的に、例えばサブ4が目標なら

スタートから5’30/kmのペースで巡航、30kmまでイーブンペースで2時間45分で到達出来たけど、疲れてきた…

「もうペースが維持出来ないorz」

でも待て…(上記左の表の一番上を確認)…

「30km地点を2時間45分(5’30/km)で通過出来てる。残りを6’04/km平均まで落ちても大丈夫なんだ!少しペース落ちていっても、サブ4いける!!」

という「希望」と目標達成の「イメージ」を持たせる。

そのまま35km地点までいければ勝利は濃厚、疲れてても希望が大きいので大丈夫。粘れる。

一方、20kmから少しずつペースダウンし始め、30kmに到達する頃は5’40/kmのペースで巡航中の場合。30km地点を2時間47分で通過、

「もう無理かも…希望は無くなったかorz」

そんな風に思い始めても、ペース表(上記左の表・上から2番目)を見ると

「残りを5’54/km平均まで落としても大丈夫なんだ…いけるかも知れない!」

と分かり「希望」を抱くことが出来るかもしれない。

このまま5’40/kmで粘って、35km地点を3時間15分20秒で通過することが出来れば、残り7.195kmは6分/kmを少しオーバーしても大丈夫。勝利は目前。

逆に、30km地点を2時間51分(5’42/km)かかてしまうと、残りを1時間8分(5’34/km)とペースアップしないとサブ4達成出来ません。

ネガティブスプリット狙いじゃなければ相当厳しいですが、そんなペースが予定通りなら残りを5’30/kmで行くスタート地点だ!と気合が入ります。

これは一例ですが、自分がどうすれば「希望」を失わず、モチベーションの高い状態では走り続ける事が出来るかを考え、仕込んでおきましょう。

3.近場の目標を作る

フルマラソンの終盤になると、上記のような「5km毎の目標設定タイム」だけでは耐えきれなくなってくることがあります。

「もう無理…すぐにでも止まりたい…」

そんなピンチの場面です。

どうするか。

「とりあえず次の1kmまで…」

「次のエイドまでは頑張って走って、エイドで少し止まって給水・ストレッチしよう」

それでも無理なら

「あそこに見える電柱まで」

など、ごく近場の目標に向かって細かく区切って頑張ることです。

何とか粘って「近場の目標」作戦を繰り返していると、少し楽になってくる場面がやってきます。

ゴールまでずっと「とんでもなくキツい状態」が続くわけではないんです。

諦めずに粘ってると、良いことあります。



4.フォームを意識する

疲れてくると、同じペースで走っているつもりでもラップが少しずつ落ちてきます。

そんな時は、徐々に走り方も変わってきているハズです。

これは意識しないと分からないのですが、骨盤が後傾して腰が落ち、本来は身体の真下で着地するのが良いのに、身体より前側で着地してしまってブレーキがかかっていたり、フォアフットやミドルフットだった着地が踵で、つまりヒールストライクになっている事もあります。

身体の前で着地するようになると、足の指先がシューズの前に当たるようになって痛くなったり、レース後は爪が黒くなって剥がれたりします。

こういう場合にフォームを修正する事でラップが結構戻ります。

胸を張って背筋を伸ばし両肩を引き、肩甲骨を寄せる感じで大きく深呼吸。

腰高のフォームに意識して戻し、少しだけウインドスプリントをするように姿勢を正して走ってみてください。

※ウインドスプリントとは、50m~100mの距離を、全力の80%前後程度で気持ち良くスピードを出して走る練習の事です。

「極限まで疲れてるのにウインドスプリントで速く走るとか、ないわ~ww」

と思うかもしれませんが、ほんの少しの距離で良いです。数メートルでも。1メートルでも。

顔を上げて、腕を振って身体を大きく動かしてみてください。

「あ、自分の走り方、腰が落ちて肩がすぼみ、猫背のようになって乱れてたな」

「疲れて着地がかかとになっていた。ミッドフットに戻せばいけるかも」

「む、違う筋肉を使えばペース維持出来るな!」

と気付く事があります。

その後も苦しいのは変わりません。

ですが、根性出して意識したフォームで走り続けてください。どうにかラップを大きく落とさずに粘れます。

違う筋肉を使って走る、つまり「走り方を変えてみる意識」も有効です。

私は終盤疲れると、ふくらはぎを使うような意識でラップを戻したりしてます。

騙されたと思って、お試しを。

5.苦しくなったら笑え

「苦しくなったら笑え」というのは、瀬古利彦さんの師匠である中村清さんが仰っていた、有名な言葉です。

フルマラソンの終盤で周りのランナーを見ると、辛そうな顔で下を向いて走ってるランナーが多いです。

沿道の応援を受けても全く反応無し。これでは何も変わらない。

でも知り合いが道中で応援してくれていると反応しますよね。その瞬間は笑顔になってスピードアップしたりして。

笑顔は脳が一瞬だけ騙されて、疲労感が軽くなるんです。

だったら、知らない沿道の方々が応援してくれるのにも反応して、ペース維持に役立たせて頂きましょう。

「ありがとうございます!」

「がんばります!」

そうやって応え、時にはハイタッチ。応援している沿道の人も喜びますよ!

笑顔で走ってると、辛さが和らぎ、距離も忘れてあっという間に1km走れたりします。

東京マラソンを始めとする都市型大規模マラソンは沿道の声援がずっと続きますし、大阪マラソンは沿道の声援もウィットが効いていたり、オッチャンやオバチャンとのやり取りは面白い♪

是非笑顔で沿道の方とコミュニケーションを取ってみてください。

6.自分が奮起できるアイテムを忍ばせておく

これはもう本当に人それぞれです。

30kmや35km地点で食べる「ご褒美」的なアイテム、自分が好きな甘いモノをポーチやポケットに忍ばせている人、結構います。

それを食べて

「よし!ここから頑張るぞ!!」

とか

「あれを食べたいから35kmまでは何とかペースを維持して頑張りたい!」

など、自分を奮い立たせます。

家族の写真や子供の手紙、ランナーに向けの名言など、もうひと踏ん張り出来るアイテムを忍ばせている人もいますよね。

目標達成出来るかどうかの瀬戸際、苦しくて苦しくてしょうがない時に

「死にそうに苦しいけど…あと少し!頑張らないと!!」

と思えるような、カンフル剤になるような秘蔵の一品、使わないかもしれないけど、そんな場面が訪れた時に効果絶大なアイテム、用意しておくと良いかもしれませんよ。


まとめ

30km以降にペースダウンしないために一番大事なのは、日々の練習です(オィ笑

とはいえ、レースまでもうあまり日にちがない場合。

厳しい練習を積み上げてきた走力・実力、全てを発揮するために必要な事は「レースへの準備」。

「実際には使わないかもしれない」ような準備も含めて、120%の準備をする事で良いイメージが出来上がって気持ちが少し落ち着き、レースに良い状態で臨めるようになるでしょうし、準備したものが終盤の辛い場面で役立つことも大いにあるでしょう。

さぁ、あとはどんなにキツくても粘り通す「覚悟」を決めるだけです。

イーブンペースで走り切る自分を想像しながら、スタートしましょう!

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げん

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  • はじめまして
    今年は初フルマラソン参加ということでゲンさんの金言を参考に普段のランニング練習頑張っておりました。
    先日、大阪マラソンに参加させていただき無事に完走。目標の4時間30分でしたが、終盤の根性で4時間を切れる事ができました。無理しすぎで太腿の筋肉痛がひどいですが…(^^;;
    このサイトがなければ完走と良いタイムが出なかったと思います。本当にありがとうございました。
    また来年も何かフルマラソン参加に向けて頑張りたいと思います。楽しい記事お待ちしてます。

    • じゅんじゅんさん、はじめまして!コメントを頂き、ありがとうございます♪
      ブログを参考にして頂き、初のフルマラソン・大阪マラソンに参加されたのですね!

      なんと初フルサブ4ですか!…完敗です(ノ∀`) おめでとうございます!!
      終盤の根性、凄くよく分かります。私も初フルの30km以降は地獄でした^^;

      初フルの筋肉痛は格別です。ひどいですよね(笑)
      でもその心地良い痛みと達成感に包まれて、しばらくは見事初フルサブ4を達成された余韻を楽しんでください♪

      来年もフルマラソンに挑戦されるとの事、また是非ブログにも遊びにきてくださいね(*^^*)

      今後とも、宜しくお願いします!