教科書通りのトレーニングをしていて「越えられない壁」が出てくるタイミングというのは、長くランナーとして記録に挑戦し続けていれば、必ずやってきます。
その最たる壁が
フルマラソンを2時間台で走る、サブ3への挑戦
ですよね。
サブ3への挑戦は、多くの市民ランナーにとって”果てしなく大きな壁”となって眼前に立ちはだかります。
レースの平均を4分16秒/kmで収めなければいけない、3時間切り。
男子で上位約3%、女子だと上位1%にも満たない狭き門。
そのスピードもさる事ながら、これ以上の速いペースで貯金を大きく取りながら走り続けるのも非常に難しいので、必然的にレース終盤に大きくペースダウンするのも絶対に避けなければいけないスタミナも必須。
市民ランナーの教科書的な「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を学び、そして実践してきたランナーにとって
・Vo2maxの向上(インターバル)
・閾値(LT)の向上(閾値走)
・ランニングエコノミーの改善(WS・ウインドスプリント)
この3つの能力を上げていく練習、そしてフルマラソンのスタミナを養成するトレーニングについては、サブ3を狙うレベルのランナーであれば何度も実施してきている事でしょう。
しかし、問題は
それでもサブ3には、なかなか届かない
ということ。
みんながやっている、教科書をなぞるような練習(インターバル・閾値走・WS・ロング走)をいくらやっても、全然サブ3に到達出来ない時にどうしたら良いか。
1.自己分析して、自分に足りない能力が何かを自己分析する
2.自分にとって必要で、かつ効果的である練習について勉強して実施する
3.結果を見て効果が限定的であれば、他の方法を試してみる
というルーティーンが基本ですよね。
「そんな事は分かってるよ、バカ」
と思われるかもしれません(笑)でも、これが意外と難しい。
教科書的な練習から、自分に足りないものを分析し、様々な練習から正しく取捨選択して補っていく練習へ変えていくというのは、ちょっと勉強が必要です。
それは”距離”なのか”ポイント練習の内容や刺激時間”なのか、それとも”回復力”・”体幹トレ”・”ドリルなどの動きづくり”などなど、色々な要素から自分が軽視してきたものにフォーカスして勉強・実践するという事です。
例えば教科書的な練習からの脱却という事で言えば、
【教科書:スタミナアップには30km走】
というのは定番ですが、30kmのペース走やセット練をいくらやっても本番の35km以降にペースダウンするなら「30km走」という1つのメニューにしても、違うやり方を試してみる。
【教科書:Vo2maxの上昇にはインターバルである】
これも定番ですが、果たして自分にとってIペースの一般的なインターバルは必要な練習なのかどうか。
違うペースでのインターバルや、他の練習に重きを置いた方が効果的なのではないか。
【教科書:閾値(LT)の向上には閾値走である】
果たして閾値走だけがLTの向上に有効なのか。
他のトレーニングで他の能力向上を見込みつつ、ついでにLTを向上させる練習はないのか。
【教科書:ランニングエコノミーの向上を狙うためにWS(ウインドスプリント)を実施する】
こちらも実践している人が多いですが、ランニングエコノミーの向上を狙うのに実施しているのはWSだけで良いのでしょうか。
ランニングエコノミーの中身についてしっかり理解して、様々なアプローチをやり尽くしているかどうか。
今まで当たり前だと思って取り組んできた練習について、違った角度から勉強し、異なるアプローチをしてみる。
新たな練習方法、違った刺激、異なる強度で実際に練習に取り組んでみて、自分の身体の反応を見てみる。
何年も同じような練習をして「無理だ」と思わず、少し勉強して新たな事を試す”試行錯誤”をしてみるのはいかがでしょうか。
ちょっと教科書的じゃないサブ3へのアプローチ、解説していきます(^^)
サブ3達成の為の「教科書的なトレーニング方法」はこちらの記事で
練習の効率化が昨今の主流なのに、
「今さら距離信仰かよっ!古っ!!」
って思うかもしれません^^;
でも「距離を踏む」という事をナメてはいけません。
未経験の練習の”量”を積み上げる事で、見えなかった事が見えてくる瞬間があるのです。
サブ3達成に必要なのは、月間走行距離300kmとも言われています。でも
「月間300kmを走ってるけどサブ3出来ない…」
というランナーも多いのではないでしょうか。
もちろん練習の「質」も大事なのは、言うまでもありません。
ポイント練習の頻度・強度・刺激時間を減らして、ジョグばかりで月間走行距離を増やしては本末転倒です。
「サブ3(3時間切り)達成のための練習を考える」でも記載しましたが、適切なポイント練習の質や頻度を確保した上で、自分が到達した事のない月間走行距離(ジョグの刺激時間増加)に挑戦してみてはどうでしょう。
走行距離を増やすのは慎重に、自分の身体を見極めながらお願いしたいところではありますし、可能であれば土や芝の上で距離を踏んでいって欲しいです。
怪我したら練習を継続出来ないですし、もしかしたらスタートラインにすらたどり着けないかもしれないですからね。
怪我に注意は払いつつも
「生涯一度で良いからサブ3したい!」
というのであれば、思い切って自分史上最高の距離を踏んでみるのも試す価値は大いにあります。
怪我を回避して”量”を積み上げていくと、”質”を上げても問題が発生しない強い身体になり、身体が絞れて軽くなり、走り方が変わってランニングエコノミーが向上し、結果的に”いつの間にか”4’10/km~4’15/kmが楽になる事はあるんです。
マラソンの巡航ペースを上げたいと考えた時、単純に
(5kmや10kmなど、短い距離のタイムがアップすればフルマラソンも速くなるのでは…)
と思うのは、ある意味で当然かもしれません^^;
そのために、200m~600mほどをレストを短く取ってショートインターバルにしてIペースより速いペースなどで実施する、あるいは通常のIペース1000m~1200mインターバルを実施する。
その他にもVo2maxを刺激して”エンジン”を大きくし、短い距離が速くなる事で速いマラソンペースにも対応しようとする試みです。
そのような練習は、短期的(ラン未経験~2・3年)には大きな走力向上が見込める、素晴らしい練習です。
それは疑いようがありません。
しかし、問題はここからなんです。
走歴2~3年を経過したタイミングで走力向上の鈍化を受け入れ、その後はダメージの蓄積がある身体を労って怪我を回避しつつ、長期的にわずかずつ走力を漸増させるためのトレーニング計画について考え、変えていく時期になるんです。
走り始めて2~3年は身体がフレッシュであり、ある程度負荷の高い練習をしても大きな怪我はしにくいです。
20歳代・30歳代なら、このままの練習でも回復力があるので問題は発生しない可能性が高いでしょう。
しかし40歳代中盤以降・そして50歳代になってくると、若い人達と同じようなスピードで実施する負荷の高いトレーニングをやり続ければ、身体は必ず悲鳴を上げます。
かと言ってポイント練習で実施するペース(スピード)下げたり、手抜きのような感じになると”記録は狙えない”って考えてしまいますよね。
でも、そうとも言えないんですよ。
怪我をしやすい練習の質の上げ方、怪我をしにくい練習の質の上げ方というのが、あるんです。
持続的な成長が可能になり、かつ身体への負担を大きくし過ぎない練習は、あるんです。
焦って
「次のレースで必ずサブ○○する!」
と目標を掲げて強度の高い練習を続けても、怪我の可能性が上がる可能性は上がりますが、いくら恐ろしいほどの高強度練習をしてもランニング初期の頃ほど走力が急上昇しないので、一気にはいけません。
とにかく走力が面白いほど上がっていく”ボーナス期間”は終わってるのです^^;
どのように練習を変えていくのか、そのために必要な知識は何か。
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