目次
【記事の内容は、以下のYouTube動画でも見ることが出来る予定です!】
女子の一般市民ランナーが目指す記録として多いのは、主に切りの良いタイムとも言えるサブ4や3時間45分切り(サブリノ、なんて言う人もいるみたいですねー)、あるいはサブ3.5を生涯ベストに定めて練習を頑張る人も多いですが…
それよりも遥かに高い”3時間7分切り”を目標にして、ハイレベルな練習に取り組んでいる女性ランナーも、数多くいらっしゃると思います。
区切りの悪いようにも見える3時間7分切り、なぜココを目指すかというと…
大阪国際女子マラソン
という、憧れの”資格レース”の存在があるため、ですよね。
その大阪国際女子マラソンに出場する資格を得ること、それはつまり
✿国際ランナー✿
という、何とも響きが良く心地良い(笑)、光り輝くような素敵な称号を得ることになって
(私って、カッコ良い!自己満足度、すっごく高い~!)
ってなること請け合いで(笑)、ちょっと魅力的!
冗談はさておきw、この3時間7分切りという領域。
男子と女子で比べた時、概(おおむ)ね男子の10%前後くらいタイムを落とすと、性差のない同レベルとも言われますので…
女子・3時間7分切り=男子・2時間50分切り(170分×1.1=187分)
なんと!男子で言えば、もうサブエガクラス!
(なお、男子サブ3と同レベルは女子3時間18分切り、女子サブ3は、男子だと2時間44分切り)
それほどの難易度、本当にハイレベルなタイムで、そうそう簡単には届かない。
(なお世界記録は女子・2時間9分56秒、男子2時間0分35秒ですが、2時間の10%落ちは2時間12分なので現在は女子優位、男子もいよいよサブ2,2時間を切って走るランナーが出現するかもですね)
そんな3時間7分切り、夢の大阪国際マラソンの舞台に立つためには、何が必要なのか。
見ていきましょう。
3時間7分を切るためには、
平均4分25秒91/km
が必要。
終盤のペースダウンを想定すると、少なくとも
4分23秒/km前後での巡航が必須
です。
よっぽど素質があるランナーでない限り、女子の市民ランナーでこの領域を目指すというのは
・すでに走歴は3年~5年以上ある
・スピードには限界(天井)を、多少なりとも感じている
・これまで積み上げてきた練習で、フルマラソンの終盤は(テーパリング・ピーキングがうまくいけば)さほど大きくペースダウンしない
というレベルのランナーが多いと思いますので、そのようなランナーの方を想定して解説を進めていこうと思います★
前述の通り、レース本番では4’23/km前後でいきたい。
もし4’23/kmの完璧なイーブンでいければ…3時間5分ちょうどくらい。
ただ終盤に少しだけペースダウンすることは、もちろん想定して、
30kmまで4’23/km平均でいければ、30km地点は2時間11分30秒で通過。
その時点で貯金は1分27秒、残りの距離で少しずつ取り崩せる。
つまり30km以降の12.195kmを4分32秒98/km平均(55分29秒)で走れば、3時間6分59秒でフィニッシュ。
残り12.195kmを平均10秒/km近く落としていけると思えば、30km地点である程度の余力がある状態で到達出来れば、希望とモチベーションを高く保ち続けられ、集中力を持って前に進めるに違いありません。
いま、大事なことを記載しました。
30km地点を、ある程度の余力がある状態で到達する
これが、難しい。
「誰でも30kmまではいける」
というのは大迫傑選手の言葉ですが、古今東西、多くのランナーに当てはまる言葉。
多少は実力以上のスピードで巡航していたとしても、30kmくらいまでならいける。(20kmや25kmでペースダウンしていくのは、このレベルではちょっと論外で…練習内容やピーキング方法、自分の実力を再度見直すことが必要)
誰しもが30km以降のペースダウンを抑えるために様々なトレーニングを実施し、レースごとにその”答え合わせ”をするわけですが、走歴も練習もしっかり積み上げていっても、どうしても跳ね返される。
改善には、
改めて自分の弱点・不足している部分を見つめ直して、練習に反映させる
ということがとっても重要なのですが…これがまた、難しい^^;
なぜか。典型的な例をあげていきますので、みていきましょう。
「4’23/km前後での巡航が苦しいから、終盤で撃沈しちゃうから、スピードが足りてないんだ」
と考え、1500mや3000m・5000m・10000mなどの短い距離を頑張るべく、トラックのレースや大会に積極的に出場したり、トップスピードを上げるような練習に取り組む。
いかがでしょうか。
一見、間違いではないように思えますよね^^;
確かに上記の取り組みに重心を置いてレベルアップしている人がいるだけに、自分にも当てはまるはず!と感じて実施すること、非常によく分かります。
果たしてそれは、本当に自分にとって最重要のことなのか。
3時間7分を切るために、自分にとって最も必要なことなのか。
トップスピードが非常に速い若いランナーが、スピードのない中高年オッサンランナーにフルマラソンで全然敵(かな)わない、みたいな事があるのは、どうしてか^^;
確かに速筋に刺激を入れる、トップスピードを上げる(解糖系やATP-CP系のような)練習をする事で、持久力を上げていく方法もあります。
トップスピードを上げることで、巡航ペース(ここでは4’23/km)に余裕が出てきて、終盤までペースダウンせずに行けるんじゃないか…という、ランナーとしての”直感”も理解出来ます。
自分のランナータイプは何か、ノビシロ・成長の余地が大きい部分はどこかの理解。
市民ランナーレベルで言えば、フルマラソンは弱点を消していく・成長の余地が大きい部分に注力した方が、タイムの向上が早いことは確実。
もし自分がスピードタイプ、速筋が多いランナーだと自覚しているのであれば
・LT(閾値)近辺のボリュームを、たくさん取る(ペースが速いとボリュームを取れないので、効果を期待出来るギリギリのスピードで)
・インターバルはCVまでを基本としてボリュームを取り、中間筋を遅筋寄りにさせていく意識を忘れない※1
・日々のジョグは、なるべくアップダウンの多い場所(ロード・不整地を織り交ぜて)で実施し、月間走行距離もある程度は意識して、ここでもボリュームを取る(少なくとも月間400km前後は走りたい)
・長い距離のペース走や変化走を軽視せず、レースに向けてしっかり特異性を高めていく※2
※1 CVに関すること、中間筋を遅筋にさせていく事に関しては、以下の記事で
※2 変化走のことに関しては、以下の記事で
上記のような練習は今まで避けてきた、苦手なトレーニングだったりするでしょうから、取り組むのはとっても大変かもですが^^;
もしスタミナタイプのランナーがトップスピードを上げる(解糖系やATP-CP系※1のような)練習を期分けに沿ってシーズン序盤などに実施するのであれば、それは正解です★
「4’23/km前後での巡航だと終盤で撃沈しちゃうから、スタミナ・持久力が足りてないんだ」
…
(ちょ!さっきの、スピードが足りないと思ってるランナーの感じと、そっくりじゃねーか!)
と思った皆さま。さすがでございます(笑)
レースの終盤で撃沈する”事実”は変わらないけど、その原因・要因をスピードに求めるているか、スタミナに求めているか、という違いだけです^^;
いったい、どっちなんだよー!
っていうところですよね(笑)
もしかしたら無意識に、自分にとって都合の良い方に、原因を求めているかもしれません。
得てして私たち市民ランナーは自分の得意な練習を継続し、苦手でやりたくない練習を避けて目標に到達するための”都合の良い情報”を探しちゃいます^^;
例えば
・スピードタイプであれば、辛いロング走を控えめに、フルの終盤に強くなる方法(探した経験あります笑)
・スタミナタイプであれば、苦しいスピード練習をあまりしないで、巡航ペースを速める方法
国際ランナーを目指すようなレベルになれば、だいたい自分のランナータイプなんて分かってますよね?^^;
だけど、なかなか苦手な練習には(単独走だと一層)取り組みづらいもの。
「いやいや、げんさん。苦手なロング走にだって、ちゃんとチャレンジしてますよ!」
という方も、しっかり特異性を高めて磨き上げられているか。そして特異性の低い(一般性が高い)ものも、バランス良く積み上げられているか。
もし自分がスタミナタイプ、遅筋が多いランナーだと自覚しているのであれば
・解糖系やATP-CPに刺激を入れるような速いスピードで走り、速筋への刺激時間をたくさん取る
・プライオメトリクストレーニングなど瞬発系の能力(バネ)を向上させるトレーニングを、しっかり積み上げていく
・トップスピードがさほどなくともマラソン巡行ペースを速められる取り組みとして、基本のLT向上やランニングエコノミー向上は意識的に実施していく
上記の取り組みを期分けをした上でフェーズに沿って実施し、本番に向けて全ての能力を高いレベルで揃えてチャレンジ、跳ね返されたら再び反省点を踏まえて鍛え、再チャレンジ。
どのランナーにとっても大事なことは
自分のランナータイプ、ノビシロのある部分、必要とされる練習(たぶん苦手な練習^^;)をしっかり理解して、計画・実施すること
です。
そのために必要であれば
・練習会を利用する
・ラン友さんを誘って、一緒に走ってもらう
・レースを利用する(5km~ハーフまで)
使えるものは全て使って、
単独では難しいかもしれないけど、必要な能力をゲットするために実施するべき練習を、どうやったらクリアし続けられるかを考えて、実施し続けること
が、国際ランナーへの最短距離であるに違いありません。
次々と良い練習を問題なくクリアしていくためには、ジョグのボリュームも必要になりますし
坂や不整地など、日々のジョグでも意識の高いランニングが必要になります。
国際ランナーになるための”近道”は、ありません。
高いレベルに到達している人は全員、長期間に渡って正しい努力を”地道”に続けてきた結果に他ならないからです。
どうか国際ランナーを目指す、これを読んでいるランナーが…
次のレースで、ダメならその次のレースで。
失敗しても諦めずに、いつか大阪国際女子マラソンへの夢の切符を掴めますように!
「努力すれば報われる?そうじゃないだろ。報われるまで努力するんだ(リオネル・メッシ)」
という言葉など、プロスポーツ選手の名言を引用して、ハシルコト北海道のメンバーが記事を書いています★
げんの練習内容をはじめ、メンバーのランニング記録が掲載された活動日記も更新中です♪
★ハシルコトグッズ、好評販売中です!
View Comments
男子でもモチベーションが上がる最高の記事でした!!
そして有料記事を既に2つ読ませてもらってプリントアウトして保管してる自分(^_^;)
もう一度読んで復習します!!
ちばちゃん、コメントありがとうございます!男子でも、モチベーションが上がる最高の記事…嬉しいです!
有料記事もプリントアウトして保管してるとは…感涙(´;ω;`)
いつも応援してくださり、大感謝です!!