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低酸素(高地)トレーニングは、多くの市民ランナーにも知られていますよね。
古くは1960年のローマオリンピック・男子マラソンで裸足で走破、2時間15分16秒の世界記録(当時)で優勝し、1964年の東京オリンピックではさらに記録を伸ばして(2時間12分11秒)オリンピック連覇を果たした、アベベ・ビキラ選手。
アベベ選手がエチオピアの首都アジスアベバ(標高2,500m)の高地で練習をしていたことから、高地トレーニングが記録向上に有益なのではないかという事になって注目されました。
それ以降はご存知の通り、現在でも高地トレーニングの有効性というのは知られているところです。
とはいえ、単純に「高地トレーニング」と言っても、様々な種類があります。
例えば“live-high,train-high”と呼ばれる、高地で生活をして、トレーニングも高地で行うやり方。
そして“live-high,train-low”という、高地で生活をするものの、トレーニングは平地で行うやり方。
これはいずれも「1日の大半を低酸素の環境で過ごさなければいけない」という条件になりますので、私たち市民ランナーがそのような高地に滞在するのは無理^^;
低酸素ルームに1日中滞在させてもらうというやり方もあるんでしょうけど、そんな暇はないし、そもそも高額な低酸素ルームを貸し切ったら破産(笑)
私たち市民ランナーが現実的に高地トレーニングで効果を得ようとしたら
週に数回、数十分の低酸素ルームを利用した練習
をする以外、あり得ません。
それ以外の、例えば
・幼少期から高地にずっと居住して練習しているランナー
・成人してから高地に移住してトレーニングを積むランナー
その高地適応能力の比較と走力の関係性、みたいな研究結果や効果の検証なんて、どーでも良いですよね(笑)
低頻度・短時間の低酸素ルーム利用で、果たして私たちに効果があるのかどうか
もうそれだけで充分ww
今回は、低酸素ルームをちょこっと利用した程度で走力向上にどれだけ貢献するのかどうかについて、忖度なく、かつ個人の感想メインで書きます!
この記事は単なる個人の感想ですので、低酸素ルーム関係者の方々は、私を抹殺しないでください!!(笑)
低酸素ルームを運営する会社などのホームページを見ると
・身体が効率よく酸素を取り込めるようになるので、心肺機能や持久力が向上。
・乳酸の増加も抑制するので、疲れにくい身体作りにつながる。
・ミトコンドリアが活性化する。
そんな効果が記載されています。
当然ながら、良さげな感じのことしか書いてない(笑)
もう少し詳しく知ろうとすれば、書籍を参考に出来ます。
長距離走は酸素をできるだけ効率的に利用する行為にほかならず、高地や高地を模した環境で生活やトレーニングをすれば、新しい赤血球により多くの酸素を運ばせるように自然に促すことができるので、酸素を効率的に使えるようになる。
「酸素摂取能力の向上」的な事が大きな括りとしての効果なのですが、細かいメリットを”赤血球”以外で挙げると
・ヘモグロビンの上昇
・ミトコンドリアの増加
・毛細血管網の発達
・最大換気量の増大
など、上記以外にも様々な効果が期待出来ます。
ただこの効果は
・どれくらいの高地に
・1日何時間滞在したら良いのか
・あるいはどれ位の日数を費やせば良いのか
・そして、どれくらいのトレーニング質や量が必要なのか
によって、大きく変わってくるのは必然です。
その点に関して研究をした結果がありますので、そちらを見てみましょう。
私たちは当然ながら通常の環境(常圧・常酸素)で暮らしていますので、練習をやる時だけ低酸素ルーム(常圧・低酸素)に入って練習した場合の影響についてです。
健康な男子14名を対象として、常圧常酸素環境(20.9%O2)または常圧低酸素環境(15.0%O2)で5日間65%VO2maxの負荷で45分間の持久的自転車ペダリング運動を実施した時の生理的変化をとらえてみました。
これは、良さげな設定ですよね。
ペダリング運動とはいえ、65%Vo2maxはジョグ程度の負荷。
その結果、どうなったか。
その結果、5日間のトレーニング後では、運動中の乳酸濃度が低下し、心拍数は、第1日目は常酸素環境での運動に対して低酸素環境で約10拍/分高い水準であったものが、5日目には常酸素環境と同水準の心拍水準(150拍/分)で運動を遂行することができるようになりました。VO2maxは、5日間のトレーニングで常圧常酸素環境グループが11.8%増加したのに対し、常圧低酸素グループでは、14.7%とより大きな増加がみられました。テストに用いた運動時間も1分程度延長しました。
5日間、1回45分、Vo2max65%の運動でも効果があるという結果に!
少し難しいですが「運動中の乳酸濃度が低下する」ということは、糖分解が抑制されること。
その状態が平地でも続けば、フルマラソンの30km地点前後で枯渇すると言われる”糖(グリコーゲン)”を温存して、終盤でも大きくペースダウンする事を抑えられるのではないかと考えられます。
高強度運動時には、とくに前半に糖分解が過剰に起きやすく、後半には乳酸産生も低下し、クレアチンリン酸も使い切る状態になる。それを高所トレーニングによって少し運動開始時の過剰な糖分解が抑えられることになれば、後半まで糖分解を少しは維持できて、最後まで力が出し切れるのではないかということである。
じゃあ実際に低酸素ルームを一定期間利用してみて、どうだったのか!
これが一番重要^^;
私が低酸素ルームを利用した期間は、週に2回・月に8回を3ヶ月ほど。
1回30分で最初の5分はウォーキング、その後は25分ほどジョグで走る感じで。
低酸素ルーム内ではキロ6でも息苦しい感じで、キロ5になるとかなりキツく感じます。
通常の、酸素がいっぱいあるロードでのランニングとは、全く異なります。
なお、普通のペースで閾値走やインターバルをやったら“死”確定ですので、低酸素ルーム初心者にはジムのスタッフが決してやらせてくれませんのでご安心ください(笑)
SpO2値=血中酸素濃度(動脈血酸素飽和度)。
低酸素ルームで走ると、この値が徐々に低くなっていって80%台になることもしばしば。
少しずつビルドアップをしていってキロ4分台に入れて走ったりもするのですが、酸欠状態のトレーニングのキツさは尋常ではありません。
とても長い時間、良いペースで走ることが難しく…これに耐えてトレーニングをしたら、もしかしたら良い効果があるのかも^^;
私が3ヶ月、低酸素トレーニング(ハイアルチ)をやってみて分かったことは
・酸欠状態で長い時間、それなりのペースで走るのは恐ろしくキツい
・1回30分×週2回なので練習頻度が少なすぎたのか、効果はよく分からない
・月に8回までの利用プランでも15,000円という月会費が、少しお高め^^;
というところでした!
なお、お試しで3ヶ月の低酸素ルームトレーニングを実施したその後は、全くやっておりません(笑)
今回の記事はあくまでも個人の感想に過ぎません。
効果には個人のバラツキも大きいようですし、私の場合はトレーニング期間や頻度が少なすぎたのかもしれません。
もし気になる方がいれば、お試しとしてしばらくのあいだ実際に自分でやって感じてみるのが、最も効果的で確実な方法ですよー★
…ちょっと料金が高いけど^^;
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げんさん
こんばんは(*^^*)ハイアルチ!やっておりましたよ~♪︎♪︎
2018年8月からコロナが流行る2020年2月まで
週2回で2枠ずつやってましたね。月トータルで10回以上は利用していました
2019年、3月のベスト出した時はハイアルチの後筋トレしてから、さらに閾値走(今思えばTTでしたが)
していました
かなり通い続けないと効果は実感できないし、コロナでマスクを着用しないといけなくなったのは
かなりキツイし、転職して経済的にもキツイ(ToT)
続かなくなり2020年秋にやめました。今は経済的にも無理のないその辺でするトレーニングを楽しんでいます(^-^)
合うかたは上手に利用できるといいかも、ですね♪︎
みなじさん、こんにちは~♪ みなじさんもハイアルチ、やってましたよね!
しかも月10回以上で、1年以上の長い期間!
ハイアルチ→筋トレ→閾値走(TT風味笑)をしていたとは…それは強くなりそうです^^;
コロナでマスク着用はキツい…ただでさえ、酸欠で超絶苦しいのに…地獄(TдT)
そして経済的にもアレですよね。とにかく月会費が高い!
私も個人的にはその辺でトレーニングをすれば充分だとは思うのですが、関係者に56(ころ)されそうなので、この辺にしておきます(笑)
う~ん、今回もとっても有益ですた。
ありがとうございます(´இωஇ`)
結局、通えて週2だしなー、、、
しかも室蘭のとこは1枠30分しか入れないので、
結果「なんかよくわかんなかった」で終わりそうww
流石に高額すぎて何年も通うということにもならなそうだし。。。
「頻繁に通えて、長く続けられる人にとっては効果あり」的な感じですよねー。
多くの市民にはハードル高すぎですねw
あちコちゃん、とんでもございません。参考になれば幸いでございますm(_ _)m
「なんかよくわかんなかった」
まさに私が思ったのも、それ!(笑)
高額だし苦しいし、効果はよく分かんないし!っていう、三重苦ですたww
低酸素ルームの中で暮らせたら、恐ろしく効果があると思います!(笑)
1日のうちの大半、長時間高地滞在の効果は研究で分かってますしね。
短期間・短時間利用でも効果があるのは確からしいですが、即効性を感じることは(私には)出来なかったので…
仰る通り、頻繁に通えて長く続けられる富裕層には、効果がテキメンなのかもしれません。
私たちのような平民以下の下々(しもじも)の市民ランナーは、その辺で走っとけや!というところなんでしょう^^;