今から10年近くも前のこと。
札幌に移住して友人も全くいない中で始めたランニング。
ふとした事で始めたジョグノートというSNSで、ありがたくも少しずつラン友が増えはじめていました。
その中にAさん、Fさんという男性2人といち早くお知り合いになったんです。
Aさんは40歳台中盤の、元陸上部。
フォームを見ただけで走りが違う。
ただ、この時点でフルマラソンは未経験。
Fさんは30歳台中盤の、元サッカー部。
スピードはあるが、フルマラソンは苦手で2013年初フルとなった北海道マラソンで4時間12分。
私は2013年にフルマラソンを2レース走ったものの、いずれも4時間オーバー。
札幌の1月は雪が多いのでロング走やスピード練習は屋内がメインになるのですが、とある日、私たち3人は札幌ドームで走っていました。
私とサッカー部だったFさんは、キロ5の30km走をヒィヒィ言いながらやっていました。
「やっぱキロ5の30kmはキツいなぁ~~orz」
なんて言いながら。
陸上部だったAさんは、間近に迫った東京マラソンの調整で10km走っていました。
そんな”フルマラソンの超初心者”である3人が「別大」について話した事があります。
「いつか3人で、あの”別大”に出てみたいな!」
「3時間半のカテゴリーだと扱いが雑らしいから、全員サブ3してからだね!」
サブ4もしていなかった私にとって、サブ3.5だって遥か遠い目標なのに…サブ3だなんて!
キラキラし過ぎて、私は胸が熱くなった記憶がある。
(別府大分毎日マラソンかー!記録が必要なレースがあるなんて、マジ熱いなー!)
ってね。
これこれ。このポスター見て熱くなったんだよなー。
しばらくして、カテゴリーが増えて”3時間以内”のカテゴリーの上に”2時間55分以内”のカテゴリーが出来た。じゃあ2時間55分を3人で切って出よう!という事になった。
※それ以来、現在まで別大のカテゴリー分け(フルのタイム)は
カテゴリー1 2時間30分以内
カテゴリー2 2時間55分以内
カテゴリー3 3時間以内
カテゴリー4 3時間30分以内
いずれもグロスタイム
しかし明らかに、最もマラソンの素質が無さげだったのはワタシ。
実際、元陸上部のAさんは翌月の東京マラソンで初フルサブ3(゚Д゚)!。
あっという間に2時間55分も2時間50分も切っていった。
(持ってるモノが全然違う…)
サッカーFさんも遅れる事2年、2016年3月の古河はなももマラソンで初サブ3,2017年3月に同じく古河はなももマラソンで2時間55分切り。
(うん。知ってたけど、やっぱりオレが一番2時間55分切りの可能性が低いわー^^;)
そんな私もようやく2016年11月につくばマラソンで初サブ3,翌2017年11月に同じくつくばマラソンで2時間55分切り。
2014年のあの時、フルマラソン初心者だった3人が、キロ5でお互いヘロヘロだった元サッカー部Fさんと、私も2時間55分を切った!3年かかった!!
「ようやくあの時の思いが果たせる!」
心の中で凄くワクワクした気持ちが湧き上がった!
でも…いつも隣で走ってた人が、いつまでも隣で走ってるとは限らないんだよ。
元陸上部Aさんは転職して多忙を極めている事や、度重なる怪我、そして病に倒れた事もあって、サブ3で走る走力が無くなってしまった。
サッカー部だったFさんは子供の誕生など、家庭環境の変化で競技志向のランニングから少し距離を置くことに。
今はレースに出ておらず、たまに走るランニングではキロ5で走るのが精一杯だと言っている。
私が記録を狙うレースの3週間前に”仕上げのロング走”としてレースペースで走る時は、いつもAさんとFさんが付き合ってくれていました。
私は彼らとは走力差があったので、彼らのレース前のロング走はレベルが高すぎて私は一緒に30kmも走れないにも関わらず、にです。
一方的に私のレース前だけ一緒に走ってもらい、たくさん応援してくれていた。
本当に感謝しかない。
今はもう、本番に向けた3週間前の仕上げのロング走を
「キロ4、あわよくば3分55秒/kmで30km、一緒にやりたいです!」
と言っても、多分一緒に走ってはくれない。
走れないんだから、それはしょうがない事だ。
そんな別府大分毎日マラソン。
2019年、
(1人になっちゃったけど、あの時の思いを胸に、別大を走ってこよう!)
と思ってエントリーしたものの、直前に怪我をして走れなかった。
その後は、コロナ渦。
2022年の大会が開催予定となりましたが、コロナの影響で多くの大会は開催されないだろうと思って陸連登録しておらず、エントリーの資格無し。
でもいつか、あの2014年のキラキラして胸が熱くなった思いを果たしたい。
2023年か、2024年か。
それが、その時の仲間2人と一緒に3人で同じ位置で走れたら最高だったけど、それはもう叶わない。
(あいつと一緒に走れたのは、あれが最後だったんだな…)
というのは、後から気付く事が多いんだ。
ありきたりな言葉かもしれないけど、一期一会。
隣で走るラン友さん、ライバル、仲間。
そんなみんなと共に走れる時間というのは本当に貴重で、1回1回がすごく大事な瞬間なんだと今でも強く思います。